未聴LP(7月分)+「マクベス夫人」のDVD

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  • Pianino 1 Tagrine (Pf) (Magne MAG 2015 [LP])
  • ブラームス:ハンガリー舞曲集より第1、2、3、13、14、17、20、8番、ドヴォルザーク:スラヴ舞曲集第1集より第5番、ドビュッシー:小組曲、 ショスタコーヴィチ:コンチェルティーノ ゴリーニ=ロレンツィ・ピアノ・デュオ (disco Angelicum LPA 5940 [LP])
  • Spoleto Festival U.S.A.(コダーイ:ヴァイオリンとチェロのための二重奏曲、ショスタコーヴィチ:ピアノ三重奏曲第2番、ドヴォルザーク:ピアノ三重奏曲第4番「ドゥムキー」、モーツァルト:オーボエ四重奏曲、ヴィヴァルディ:フルート、オーボエ、ヴァイオリンと通奏低音の協奏曲 ニ長調「女羊飼い」) ベル、スヴェンセン (Vn) フィンケル (Vc) ブロンフマン (Pf) 他  (Musicmasters MMD 20152Y/53W [LP])
  • ハチャトゥリャーン:ピアノ協奏曲 オボーリン (Pf) ハチャトゥリャーン/モスクワ放送SO (Melodiya D-03194-5 [LP])
  • グラズノーフ:交響曲第9番(G. ユージン編)、 マズルカ=オベレーク、ボッケリーニ:序曲 ニ長調、モーツァルト:フリーメーソンのための葬送音楽、サリエリ:歌劇「奪われた手桶」序曲 D. オーイストラフ (Vn) G. ユージン/モスクワ放送SO、モスクワPO、ソヴィエト国立SO (Melodiya 33CM 02445-6 [LP])
  • グラズノーフ:弦楽四重奏のための5つの小品、 5つのノヴェレット ショスタコーヴィチQ (Melodiya 33 C 10-06657-58 [LP])
  • ショスタコーヴィチ:歌劇「ムツェンスク郡のマクベス夫人」 ヴェストブレーク (S) ヴェントリス (T) M. ヤンソンス/ロイヤル・コンセルトヘボウO他 (Opus Arte OA 0965 D [DVD])
Ars Antiqua / Mikrokosmos Mail Order Co.から、7月到着分の荷物が届いた。ここのところ、ショスタコーヴィチ関連では目立った収穫はないが、残念ながら今回も同様。

まずは、子供用の小品を集めた教育用(?)のアルバム。有名どころでは、プーランク、チャイコーフスキイ、ハチャトゥリャーン、カバレーフスキイ、ベートーヴェン、ショパン、シューベルトなどといった名が連なっている。ショスタコーヴィチ作品は「子供のノート」から3曲のみ。演奏者が各曲のタイトルを読み上げてから演奏するスタイルで、良家の子女のピアノのお稽古を彷彿とさせる雰囲気に満ちていて、どことなく楽しい。ショスタコーヴィチの第4曲のテンポには違和感があるが、そういう聴き方をすべきアルバムではないのだろう。

2台ピアノのための作品を集めたアルバムは、この編成の有名曲を集めたもの。手堅い演奏ではあるが、面白味に欠ける。

アメリカのチャールストンで行なわれているスポレト音楽祭のライヴ・アルバム(1986年)は、北米大陸の若き(当時)名手達を集めた興味深い内容。全体に感興に富んだノリの良い音楽が繰り広げられているが、当然ながら完成度は曲によって様々である。なかなか感心したのは、コダーイのデュオ。わりと自由な演奏ではあるものの、作品の魅力が十分に表出された秀演であった。ショスタコーヴィチは、よく考えられた音楽作りがなされているが、過度な粘り気を感じさせるヴァイオリンの歌い回しや、不必要に乱暴な強奏が気になって、僕はあまり楽しめなかった。

初演メンバーによるハチャトゥリャーンのピアノ協奏曲は、期待以上に素晴らしい演奏であった。硬派でありながらも、内面からとめどなく噴き出るような熱情を漂わせる、若々しくも格調高いオボーリンのピアノが、実に圧倒的。クリスタルな輝きを感じさせる音色の魅力もたまらない。オーケストラも健闘しているが、何しろ録音が劣悪なため、色彩感等ははっきりと聴き取れないのが残念。この点においては、フリエール盤に一歩譲る。

グラズノーフ未完の交響曲(第1楽章のみ)は、随所に美しい旋律が散りばめられているとはいえ全体に散漫で、“第九のジンクス”がなくても完成させるのはちょっと難しかったのでは……といった印象。自ら編集を手がけたユージンの演奏は、断片的な魅力を手堅くまとめあげている立派なもの。オーイストラフ独奏のマズルカ=オブレークは、最近ブリリアントでCD化されたようだが、僕は作品自体も初めて聴いた。旋律もまとまりも悪くはないのだが、有名曲になるにはあと一歩何かが足りない感じ。オーイストラフは貫禄の名演。このアルバム、B面はボッケリーニ、モーツァルト、サリエリという3人の作曲家が並び、A面とはがらっと雰囲気が変わるのが面白い。いかにもロシアの団体らしい古風で大柄な響きで奏でられるこれらの作品は、なかなかに魅力的。

グラズノーフ作品のアルバムをもう一点。これは、初期の弦楽四重奏用組曲を2曲収録したもの。「5つの小品」は、最初期の習作といってよい作品だが、既にメロディメーカーとしての片鱗は十分に発揮されている。ただ、自分で弾く分には楽しいだろうが、演奏会などで聴くには冗長なのは致し方のないところか。同じような系統の作品ながらも「5つのノヴェレット」は、さすがに一日の長がある。とはいえ、これらを5つ続けて演奏するよりも、たとえば第4曲「ワルツ」などを単独で取り出してアンコールで披露する方が、ずっと気が利いているだろう。ショスタコーヴィチQは、実に気持ちの良さそうな、ノリの良い音楽を奏でていて素敵。

HMVからは、5月注文分の未入荷分が届いた。2006年に行なわれた、M. ヤンソンス指揮による「マクベス夫人」のライヴ映像である。結論から言えば、僕はバルセロナ・リセウ劇場の公演(EMI)の方が好み。最大の理由は、演出。別にソ連風のリアリズムにこだわるわけではないが、舞台セットや衣裳には違和感をおぼえるし、セクシャルな場面に観客の注意が偏ることを恐れたショスタコーヴィチを意識しているわけではないが、ほとんど裸の人物が舞台上に多過ぎる。こうした演出の意図は、ボーナス・トラックに収録されているドキュメンタリーに詳しい。出演者は、いずれも熱演。演技だけではなく、もちろん歌唱も水準以上のもので、この点においてはリセウ劇場盤と優劣はつけ難い。これがオペラ初挑戦だというM. ヤンソンスは、個性的とは言えないまでも、作品の魅力を手堅く引き出していて悪くない。もっとも、各人物の性格付けや、ライトモチーフの活かし方等には、もう少し意欲的な解釈を聴きたいところではあるが。
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genre : 音楽

tag : 作曲家_Shostakovich,D.D. 作曲家_Khachaturian,A.I. 作曲家_Glazunov,A.K.

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Yosuke Kudo

Author:Yosuke Kudo
B. モンサンジョン著『リヒテル』(筑摩書房, 2000)に、「音楽をめぐる手帳」という章がある。演奏会や録音などを聴いて思ったことを日記風に綴ったもので、実に面白い。

毎日のように音楽を聴いているにもかかわらず、その印象が希薄になる一方であることへの反省から、リヒテルに倣ってここに私も覚え書きを記しておくことにする。無論、リヒテルの深みに対抗しようなどという不遜な気持はない。あくまでも自分自身のために、誰に意見するわけでもなく、思いついたことをただ書きなぐるだけのことである。

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