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スヴィリードフの歌曲・未聴LP(9月分)

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  • シェドリーン:ユーモレスク、デニーソフ:変奏曲、スロニームスキイ:鐘、ショスタコーヴィチ:ピアノ・ソナタ第2番 マイリンゴヴァ (Pf) (Opus 9111 0342 [LP])
  • フレーンニコフ:交響曲第2番、チェロ協奏曲第1番 ホミツェル (Vc) ロジデーストヴェンスキイ/モスクワ放送SO (Melodiya C 01759-60 [LP])

  • J. S. バッハ:ヴァイオリン協奏曲第1番、シニートケ:ヴァイオリン協奏曲第3番 カガーン (Vn) ニコラエフスキイ/ソロイスツ・アンサンブル (Melodiya C 10-15681-2 [LP])
  • ミャスコーフスキイ:弦楽四重奏曲第13番、グリエール:弦楽四重奏曲第4番 ベートーヴェンQ (Westminster XWN 18423 [LP])
  • ミャスコーフスキイ:交響曲第6番、ディヴェルティメント コンドラーシン/ソヴィエト国立SO他、スタセーヴィチ/モスクワ放送SO (Melodiya 33 D 05472-75 [LP])
  • スヴィリードフ:悲愴オラトリオ イサコヴァ (MS) A. ヴェデールニコフ (B) コンドラーシン/モスクワPO他 (Melodiya C 01657-8 [LP])
  • スヴィリードフ:A. プーシキンの詩による6つの歌曲、M. レールモントフの詩による3つの歌、A. ブロークの詩による3つの歌 ネステレーンコ (B) スヴィリードフ (Pf) (Melodiya 33 C10-05983-84 [LP])
  • スヴィリードフ:さまようロシア オブラスツォーヴァ (MS) スヴィリードフ (Pf) (Melodiya C10 20695 006 [LP])
  • グラズノーフ:弦楽四重奏のための組曲 ショスタコーヴィチQ (Melodiya C10-06661-62 [LP])
Ars Antiqua / Mikrokosmos Mail Order Co.から、荷物が届く。今回は、わりと面白い音盤が集まった。

マイリンゴヴァという女流ピアニストの「現代ソヴィエト・ピアノ作品集」には、有名作曲家の有名曲が収録されている。乾いた静謐感のある響きが和声の妙などをさりげなく伝えてくれるが、音楽の運びがいささか淡々とし過ぎていて、全体には単調な印象を免れ得ないのが残念。

フレーンニコフの代表作の一つ、チェロ協奏曲(第1番)をようやく聴くことができた。それまでの協奏曲作品(ピアノ協奏曲第1番、ヴァイオリン協奏曲第1番)に比べると、独奏チェロに配慮したオーケストラの響きや、全体に余裕のある抒情が漂っているところなどにフレーンニコフの進境を垣間見ることができる。だが、トッカータ的なパッセージでの猛烈な勢いや、脳天気なお祭り騒ぎといった、いかにもフレーンニコフらしい魅力が若干後退しているのも事実。ずいぶん後になる1986年には第2番が作曲されているのだが、そちらも一度聴いてみたいところ。ホミツェルは、華やかではないが、技術的にも音楽的にも堅実な演奏で立派。ロジデーストヴェンスキイも手堅くまとめあげている。ただ、交響曲第2番では不思議な軽やかさが印象的な一方で、ロシア風の重厚さが少々足りないようにも感じられた。

カガーンのバッハは、繊細ながらも格調の高い美しさを湛えた秀演。個人的な嗜好としては、あまりこういう透明感の強い音色は好まないのだが、この素晴らしさを認めないわけにはいかない。こうしたカガーンの演奏スタイルは、シニートケ作品との相性が抜群である。古典的な佇まいを崩すことなく、一定の音調の中で多彩な響きを繰り出すカガーンの演奏は、シニートケ作品の魅力を余すところなく再現している。シニートケのヴァイオリン協奏曲は他に知らないのだが、(今まで聴いた)彼の作品の中でも相当好きな部類に入る一曲だ。

グリエール&ミャスコーフスキイという師弟の弦楽四重奏曲が、ウェストミンスター・レーベルから出ていたのは、不勉強にして全く知らなかった。このジャンルにおける両者の傑作と評されることの多い2曲を、名四重奏団のベートーヴェンQが演奏しているだけに、ある種の筋では今さら何を…と言われるかもしれない。それにしても、こんな渋いアルバムが、バリリQのベートーヴェンなんかと同じカタログに並んでいたのかと思うと、ちょっと面白い。作品そのものは、さすがに世界中で広くレパートリーにされるには渋すぎるというか、あまりにも外面的なアピールが足りないが、独特のロシア情緒溢れる世界には相応の魅力がある。ミャスコーフスキイの第3楽章などは、まさに彼の“白鳥の歌”だろう。ベートーヴェンQの、どこかおっとりとした演奏も、これらの曲にはとても相応しい。

コンドラーシンによるミャスコーフスキイの交響曲第6番は、CDでも入手可能なようだが、カップリングの「ディヴェルティメント」に惹かれてオーダー。コンドラシンは、幻想的だがいささか冗長なこの交響曲を、壮麗ながらも引き締まった立派な音楽に仕上げている。ただ作品自体は、さほど魅力的ではない。ディヴェルティメントは、いかにも晩年のミャスコーフスキイらしく、平明かつ粘度の高いロシア情緒に満ちた佳曲。スタセーヴィチの演奏は、可もなく不可もなく…といったところか。録音は悪い。

スヴィリードフの「悲愴オラトリオ」は、所有しているフェドセーエフ盤CDに十分満足しているので同曲異演を何枚も集める気にはならないが、やはりコンドラーシン盤は手元においておきたく、オーダーしたもの。フェドセーエフの華麗な音楽も素晴らしいが、コンドラーシンならでの地から湧き上がってくるような力強さは、やはり凄い。両者の基本的な解釈に決定的な違いはないので、気分に合わせて聴き分けるのも、ちょっとした贅沢か。

スヴィリードフの歌曲をまとまった形で聴くのは、恥ずかしながら初めて。ボリショイ劇場の往年のスター歌手2人(ヴィシネーフスカヤに人間性を酷評されている2人でもあるが…(^^;)のアルバムがカタログに並んでいたので、迷わずオーダー。どちらもピアノは作曲家自身である。ネステレーンコのアルバムは、最初期の2作品と脂の乗った時期の作品がカップリングされている。ショスタコーヴィチに師事する以前の作品である「プーシキンの詩による6つの歌曲」から、平明な単純さを持ったスヴィリードフの個性が発揮されている。やや意欲的なピアノ・パートに、作曲家の若さが垣間見えて面白い。「レールモントフの詩による3つの歌」も同様。ただ、一層の歌謡性を獲得した「ブロークの詩による3つの歌」の方が、僕には魅力的に感じられた。雄弁なネステレーンコの歌と、朴訥としたスヴィリードフのピアノとの組み合わせも、不思議と相性が良い。

代表作の一つでもある「さまようロシア」は、とても素晴らしい作品である。エセーニンの詩については、まだ何かを言える段階ではないが、時に単調ですらある旋律線が織り成す憂いを含んだ抒情は、聴き手の脳裏に様々な情景を喚起させずにはいない。今まで聴いたスヴィリードフ作品の中でも、突出した説得力を持った感銘深い名曲。オブラスツォーヴァの、いかにもロシアの女声といったきつい発声も美しく、演奏が終わると同時に沸き起こる熱烈な拍手も当然の名演である。スヴィリードフのピアノは、ライヴゆえか年齢(当時68歳)ゆえかはわからないが、コンディションが良いとは言いかねるものの、雰囲気は素晴らしい。

最後のグラズノーフ作品は、なんと先月届いたものと同じLPをダブり買い。脳の記憶容量もいよいよ劣化が激しくなってきたか。

YouTubeで、スヴィリードフが音楽を担当した映画「吹雪」の断片(ラストシーン?)を見つけた。自然描写が好みな感じなので、できれば全編観てみたいものだ。

映画「吹雪」より
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theme : クラシック
genre : 音楽

tag : 作曲家_Khrennikov,T.N. 作曲家_Schnittke,A.G. 作曲家_Myaskovsky,N.Y. 作曲家_Sviridov,G.V.

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Yosuke Kudo

Author:Yosuke Kudo
B. モンサンジョン著『リヒテル』(筑摩書房, 2000)に、「音楽をめぐる手帳」という章がある。演奏会や録音などを聴いて思ったことを日記風に綴ったもので、実に面白い。

毎日のように音楽を聴いているにもかかわらず、その印象が希薄になる一方であることへの反省から、リヒテルに倣ってここに私も覚え書きを記しておくことにする。無論、リヒテルの深みに対抗しようなどという不遜な気持はない。あくまでも自分自身のために、誰に意見するわけでもなく、思いついたことをただ書きなぐるだけのことである。

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