ロイヤル・コンセルトヘボウOアンソロジー Vol. 4・HMV(8月分)

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  • ショスタコーヴィチ:交響曲第5番、ベルク:ヴァイオリン協奏曲 ビエロフ (Vn) 大植英次/ハノーヴァー音楽大学O (Hochschule für Musik und Theater Hannover HMTH0514)
  • ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団アンソロジー 1970-1980 (RCO 06004)
HMVの8月オーダー分が届いた。結局、1枚はまだ入荷せず。

大物に取り掛かる前に、まずは1枚物から。大植のショスタコーヴィチは、大フィルとの7番に続く2作目であるが、これは音大の学生オーケストラを振ったもの。大フィルの実演が僕の好みとは異なっていたこともあって、全く期待せずに聴き始めたのだが、これがなかなかの好演。端正なフォルムと熱気に満ちた音楽の流れが素晴らしい。隅々まで丁寧かつ真面目に仕上げられた響きも、学生オーケストラの範疇を超えた魅力を持っている。ベルクの協奏曲も同様だが、技術的な不満は特にないものの、独奏も含めて音楽の核心にあと一歩迫りきらないもどかしさがある。

さて、今回のメインは、ロイヤル・コンセルトヘボウOの14枚組BOXセットの第4弾(1970年代)。このように比較的安価なBOXセットは、今や珍しくないのだが、一気に全てを聴き通す時間がなかなかとれないため、ここのところ敬遠気味だった。とはいえ、コンドラーシンの第4番を聴き逃すわけにもいかないので、入手困難になってしまう前に購入してしまおうと腹をくくった次第(ちょっと大げさか(^^;)。収録曲は以下の通り:
【CD1】
シベリウス:交響曲第7番(オーマンディ Rec. 1969/11/27)
ショスタコーヴィチ:交響曲第4番(コンドラーシン Rec. 1971/1/10)
【CD2】
ハイドン:交響曲第92番「オックスフォード」(アンチェル Rec. 1970/1/21)
エルガー:交響的習作「ファルスタッフ」(C. デイヴィス Rec. 1970/6/20)
デ・レーウ:管楽のシンフォニー(ハイティンク Rec. 1971/10/30)
【CD3】
シベリウス:エン・サガ (コンドラーシン Rec. 1971/1/14)
ラフマニノフ:パガニーニの主題による狂詩曲(ワイエンベルク (Pf) アンチェル Rec. 1970/1/21)
フランク:交響曲(アンチェル Rec. 1970/1/21)
【CD4】
ウォルトン:ブリテンの即興曲による即興(クリップス Rec. 1972/1/27)
マルタン:ピアノ協奏曲第2番(バドゥラ・スコダ (Pf) クリップス Rec. 1972/1/27)
ストラヴィンスキー:「結婚」(デ・ノーベル Rec. 1971/11/14)
【CD5】
ベルリオーズ:「ロミオとジュリエット」から(ジュリーニ Rec. 1972/7/5)
バイルド:主題のない変奏曲(フォンク Rec. 1971/2/13)
ルトスワフスキ:織り込まれた言葉(ピアーズ (T) ルトスワフスキ Rec. 1971/12/12)
【CD6】
ブラームス:ヴァイオリンとチェロのための二重協奏曲(クレッバース (Vn) デ・マヒュラ (Vc) フォンク Rec. 1971/2/11)
マーラー:嘆きの歌(ハイティンク Rec. 1973/2/14)
【CD7】
ベートーヴェン:交響曲第4番(オッテルロー Rec. 1972/3/19)
ブラームス:ヴァイオリン協奏曲(パールマン (Vn) オッテルロー Rec. 1972/3/19)
【CD8】
J. S. バッハ:結婚カンタータ「今ぞ去れ、悲しみの影よ」(アメリンク (S) ヨッフム Rec. 1973/4/5)
モーツァルト:ホルン協奏曲第4番(タックウェル (Hr) ライトナー Rec. 1973/1/7)
シューマン:交響曲第3番「ライン」(ライトナー Rec. 1973/1/7)
【CD9】
ベルク:葡萄酒(アメリンク (S) ラインスドルフ Rec. 1973/12/2)
マデルナ:ヴァイオリン協奏曲(オローフ (Vn) マッソン Rec. 1975/10/26)
ブレーズ:カミングズは詩人である…(NCRV声楽アンサンブル アミ Rec. 1974/1/27)
ベリオ:カルモ(ドロウ (S) マッソン Rec. 1975/10/26)
ファン・フリーメン:ピアノと3つの奏楽隊のためのソナタ(ブルンス (Pf) ブール Rec. 1974/6/16)
【CD10】
チャイコーフスキイ:ロココ風の主題による変奏曲(ロストロポーヴィチ (Vc) コンドラーシン Rec. 1977/3/14)
ストラヴィンスキー:弦楽のための協奏曲(C. デイヴィス Rec. 1975/6/11)
スクリャービン:交響曲第3番「神聖な詩」(コンドラーシン Rec. 1976/5/4)
【CD11】
シューマン:ピアノ協奏曲(アラウ (Pf) ヨッフム Rec. 1977/4/21)
ベリオ:シュマンIV(ヘルベルス (Ob) ベリオ Rec. 1977/1/9)
エスヘル:シンフォニア(デ・レーウ Rec. 1976/5/2)
【CD12】
レーガー:セレナーデ 作品95(ヨッフム Rec. 1976/1/22)
ヒナステラ:ハープ協奏曲(バディングス (Hp) ロペス=コボス Rec. 1977/11/3)
ジョリヴェ:トランペット協奏曲第2番(アンドレ (Tp) フルネ Rec. 1976/3/11)
ジェルヴェーズ:ダンス(アンドレ (Tp) Rec. 1976/3/11)
【CD13】
ストラヴィーンスキイ:12の楽器のためのコンチェルティーノ(スパンヤールド Rec. 1978/1/8)
ボン:春(アレグザンダー (S) ハイティンク Rec. 1979/10/28)
ブルックナー:交響曲第9番(ジュリーニ Rec. 1978/1/22)
【CD14】
モーツァルト:交響曲第35番「ハフナー」(アーノンクール Rec. 1979/3/30)
カプレ:エピファニ(公現祭)(デクロース (Vc) フルネ Rec. 1978/2/10)
メンデルスゾーン:交響曲第4番「イタリア」(コンドラーシン Rec. 1979/11/18)
総収録時間は17時間46分にも及ぶもので(HMVサイト内の商品紹介文より)、お目当てのショスタコーヴィチが収録されている1枚目から聴き始めたら、たぶん最後までたどり着かないだろうと、逆に14枚目から聴いていくことにした。全ての収録曲にコメントするつもりはないので、印象に残った作品(演奏)のみ列挙しておく。
  • シベリウス:交響曲第7番(オーマンディ指揮)【CD1】
  • ハイドン:交響曲第92番「オックスフォード」(アンチェル指揮)【CD2】
  • シベリウス:エン・サガ (コンドラーシン指揮)【CD3】
  • フランク:交響曲(アンチェル指揮)【CD3】
  • ベートーヴェン:交響曲第4番(オッテルロー指揮)【CD7】
  • レーガー:セレナーデ(ヨッフム指揮)【CD12】
  • ジェルヴェーズ:ダンス(アンドレ (Tp))【CD12】
これらの他にも、全体的に水準の高い演奏が揃っているので、普段聴く機会の少ない曲や知らない曲を聴けることも考えると、お買い得感は高い。ただ、決定盤!と言えるほど突出した出来栄えの演奏がないのも事実。コレクターズ・アイテムであることに変わりはないだろう。

さて、コンドラーシンのショスタコーヴィチ。極めて高カロリーな音楽は、コンドラーシンならではのもの。特に第1楽章の燃焼度は凄まじい。とはいえ、初演から10年弱の時間が経っていることとオーケストラの個性が影響したのか、殺伐とした戦慄はやや後退し、代わりに余裕のある風格が感じられる仕上がりになっている。これをどう評価するかは聴き手によって異なるだろうが、第2~3楽章では少し集中力が欠けているようにも感じられる。既出の2枚に比べると、やや落ちるか。
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genre : 音楽

tag : 作曲家_Shostakovich,D.D.

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Yosuke Kudo

Author:Yosuke Kudo
B. モンサンジョン著『リヒテル』(筑摩書房, 2000)に、「音楽をめぐる手帳」という章がある。演奏会や録音などを聴いて思ったことを日記風に綴ったもので、実に面白い。

毎日のように音楽を聴いているにもかかわらず、その印象が希薄になる一方であることへの反省から、リヒテルに倣ってここに私も覚え書きを記しておくことにする。無論、リヒテルの深みに対抗しようなどという不遜な気持はない。あくまでも自分自身のために、誰に意見するわけでもなく、思いついたことをただ書きなぐるだけのことである。

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