スヴィリードフ/ブロークの詩による歌曲集・未聴LP(10月分)

mel-c1028153005.jpg
  • K. ハチャトゥリャーン:ヴァイオリン・ソナタ、ヴェラチーニ:ヴァイオリン・ソナタOp.2-6よりラルゴ、イザイ:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第6番、ショスタコーヴィチ(ツィガーノフ編):5つの前奏曲(第1、3、8、11、5番) ミフリン (Vn) カッツ、セイデル (Pf) (Melodiya 33D-15353-54 [10"mono])
  • モーツァルト:ヴァイオリン・ソナタ第22番、シューベルト(フライベルグ編):ピアノ・ソナタ第17番よりロンド、サラサーテ:バスク奇想曲、ショスタコーヴィチ(ツィガーノフ編):弦楽四重奏曲第4番より第2楽章、プロコーフィエフ(ハイフェッツ編):4つの小品よりガヴォット、バラサニアン(ヴラディミルスキイ編):バレエ「シャクンタラ」より2つの小品、シェドリーン(ツィガーノフ編):2つの小品(「アルベニス風に」「ユーモレスク」)、ミルゾエフ:アダージョとワルツ=スケルツォ マリーニン (Vn) シテルン (Pf) (Melodiya 33D 026389-90 [LP])
  • ミャスコーフスキイ:チェロ協奏曲 ロストロポーヴィチ (Vc) ファクトロヴィチ/モスクワSO (Melodiya 33 D 5096-97 [10"mono])
  • グラズノーフ:「金曜日の曲集」からの3つの小品、弦楽四重奏曲第3番 ショスタコーヴィチQ (Melodiya 33 C 10-06659-60 [LP])
  • スヴィリードフ:A. ブロークの詩による歌曲集 ヴェデールニコフ (B) レデネフ (Pf) (Melodiya C10 28153 005 [LP])
Ars Antiqua / Mikrokosmos Mail Order Co.から荷物が届く。今回の収穫は5枚。

ミフリンによるショスタコーヴィチの前奏曲は、有名な4曲が収録されたアルバムを所有しているが、今回入手したのはそれに先立つ録音で、やや渋めの5曲が収録されている。いかにもロシア流儀の切れ味を感じさせる音色がなかなか素敵な、佳演である。ソリスティックな華やかさには欠けるが、技術的にも高い水準で安定してるので、落ち着いて聴くことができる仕上がりになっている。他の収録曲も、ほぼ同じ印象。中では、ヴェラチーニの端正な美しさが気に入った。

24の前奏曲と同様に、弦楽四重奏曲第4番の緩徐楽章をツィガノーフがVnとPf用に編曲しているが、マリーニンのアルバムは、それを収録した比較的珍しいもの。特に、やや凝った選曲のB面が楽しい。技術的に問題となるような箇所はないが、旋律の歌い回しが平板で、音楽的に退屈する傾向にあるのは惜しい。

ミャスコーフスキイのチェロ協奏曲は、ロストロポーヴィチの愛奏曲だった。全部で4種類の録音があるようだが(サージェント/フィルハーモニアO、スヴェトラーノフ/ソヴィエト国立SO、コンドラーシン/モスクワPO)、このファクトロヴィチ盤のみ未CD化のようだ。といっても、単にリストで見かけた盤を注文しただけで、こだわりがあったわけではない。強靭な内面の抑揚を持ったロストロポーヴィチならではの演奏で、旋律的ではあるが晦渋かつとりとめなく延々と続くこの音楽を、時にドラマティックに聴かせる技は素晴らしい。

グラズノーフの弦楽四重奏作品も、大分集まってきた。「金曜日の曲集」はベリャーエフ邸で金曜日に開かれていた演奏会のために書かれた弦楽四重奏用の作品をまとめたもの。全16曲で以下の内容から成る:
【第1集】
  1. 前奏曲とフーガ(グラズノーフ)
  2. セレナード(アルツィブーシェフ)
  3. ポルカ(N. A. ソコローフ、グラズノーフ、リャードフ)
  4. メヌエット(ヴィートル)
  5. カノン(N. A. ソコローフ)
  6. 子守歌(ドステン=ザッケン)
  7. マズルカ(リャードフ)
  8. サラバンド(ブルメンフェーリド)
  9. スケルツォ(N. A. ソコローフ)
【第2集】
  1. アレグロ(リームスキイ=コールサコフ)
  2. サラバンド(リャードフ)
  3. スケルツォ(ボロディーン)
  4. フーガ(リャードフ)
  5. マズルカ(N. A. ソコローフ)
  6. クーラント(グラズノーフ)
  7. ポルカ(コプィロフ)
本アルバムには、グラズノーフが書いた3曲のみが収録されている。妙に気合の入った「前奏曲とフーガ」、いかにも軽い「クーラント」も悪くないが、作品の3つの部分を3人で担当した「ポルカ」が面白い。ソコローフによる陳腐で耳につく主題にはさまれて、ベリャーエフに対するサービスなのか異様にヴィオラが活躍するグラズノーフの担当部分が印象的。いかにも駄作が混じってそうな香りがするものの、機会があれば全16曲も聴いてみたいものだ。弦楽四重奏曲第3番は、典型的なグラズノフの作品。各楽章の繋がりは希薄で、組曲的な構成になっている。もっとも、本来は別個の作品だった4曲をまとめて弦楽四重奏曲にしたようで、こうした印象も当然なのかもしれない。終楽章は管弦楽編曲(「スラヴの祭り」)されていて、9月26日付の本欄で紹介したスヴェトラーノフ指揮の管弦楽曲集にも収録されている。

スヴィリードフ作品もここのところ続けざまに聴いているが、この作曲家のきちんと整理された作品リストが見当たらず、特に歌曲のような小品は、その出自がよくわからないものが多い。A. ブロークの詩による歌曲を集めたこのアルバムも、9月28日付の本欄で紹介したネステレーンコ盤と共通している3曲はいいとして、残りが一体どういう位置付けになるのか、今一つわからない。ただ、いずれの曲も複数の録音があるようで、それなりに人気のある曲集(?)なのだろう。実際、簡素な静けさを感じさせる独特の雰囲気は、じわじわと胸に染み入ってくる。ヴェデールニコフは、幾分老いを感じさせる枯れた声質ながら、太く張りのある低音の響きは健在で、スヴィリードフならではのロシア情緒をしみじみと歌い上げている。
スポンサーサイト

theme : クラシック
genre : 音楽

tag : 作曲家_Myaskovsky,N.Y. 作曲家_Glazunov,A.K. 作曲家_Sviridov,G.V.

comment

Secre

プロフィール

Yosuke Kudo

Author:Yosuke Kudo
B. モンサンジョン著『リヒテル』(筑摩書房, 2000)に、「音楽をめぐる手帳」という章がある。演奏会や録音などを聴いて思ったことを日記風に綴ったもので、実に面白い。

毎日のように音楽を聴いているにもかかわらず、その印象が希薄になる一方であることへの反省から、リヒテルに倣ってここに私も覚え書きを記しておくことにする。無論、リヒテルの深みに対抗しようなどという不遜な気持はない。あくまでも自分自身のために、誰に意見するわけでもなく、思いついたことをただ書きなぐるだけのことである。

カレンダー
10 | 2017/11 | 12
- - - 1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 - -
最新記事
カテゴリ
タグツリー
★ トップ(最新記事)
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
検索フォーム
人気記事ランキング
RSSリンクの表示
リンク
音盤検索
HMV検索
検索する

音楽関係のブログ(リンク・更新状況)
PopUp WikipediaⅡ
記事中の気になるキーワードをマウスで選択してください。Wikipediaからの検索結果がポップアップ表示されます。
Wikipedia
developed by 遊ぶブログ
Translation(自動翻訳)
FC2カウンター