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ショスタコーヴィチ、スヴィリードフ、ブリテン・HMV(10月分)

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  • ショスタコーヴィチ:交響曲第4番 ビシュコフ/ケルン放送SO (Avie AV 2114)
  • ショスタコーヴィチ:交響曲第4番、歌劇「カテリーナ・イズマーイロヴァ」の5つの間奏曲、祝典序曲 ロジデーストヴェンスキイ/フィルハーモニアO、ロンドンSO (BBC BBCL 4220-2)
  • プロコーフィエフ:弦楽四重奏曲第2番、ショスタコーヴィチ:ピアノ三重奏曲第2番、ガルィニン:ピアノ三重奏曲 エドリーナ (Pf) ボロディンQ (Melodiya MEL CD 10 00980)
  • ショスタコーヴィチ:ピアノ協奏曲第1番、コンチェルティーノ、ピアノ五重奏曲 アルゲリッチ、ジルベルシテイン (Pf) ナカリャコフ (Tp) カプソン、マルグリス (Vn) チェン (Va) マイスキー (Vc) ヴェデールニコフ/スイス・イタリア語放送O (EMI 50999 5 04504 2 8)
  • スヴィリードフ:ペテルブルグ、プーシキンの詩による6つの歌曲 フヴォロストーフスキイ (Br) アルカディエフ (Pf) (Delos DE 3311)
  • ブリテン:ミケランジェロの7つのソネット、ジョン・ダンの神聖なソネット、冬の言葉、ヘルダーリンの6つの言葉 ピアーズ (T) ブリテン (Pf) (Decca UCCD-3628)
  • グラズノーフ:ピアノ作品全集第2巻(3つの練習曲、2つの小品、3つの小品、夜想曲、ミニアチュア、やさしいソナタ、ソナチネ、2つのPrelude-Improvisations、主題と変奏) クームズ (Pf) (Hyperion CDH55222)
HMVから、10月注文分の商品が届く。

ビシュコフ/ケルン放送SOによるショスタコーヴィチ・シリーズは、現在のところ4枚がリリースされているが、架蔵しているのは2枚(第7、8番)のみ。今回は、とりあえず第4番をオーダーしてみた。既に聴いた2曲と同様、端正な音楽作りに好感が持てる。古典的とさえ言える構成感で全曲を仕上げているが、洗練された響きと相まって、いささか小粒にまとまり過ぎた感も否めない。この作品に対する聴き手の思い入れによって、評価は大きく分かれるだろう。

同じく第4番の西側初演の記録が、BBC Legendsからリリースされた。歴史的価値は非常に高いが、演奏精度が随分低く、純粋な鑑賞目的には適さないだろう。ロジデーストヴェンスキイの基本的な解釈は後年の録音とそれほど異ならないが、細部の表情付けの面白さは、この時点ではまだそれほどでない(オーケストラの技量も影響しているのだろうが)。巨大な新作の初演という熱気や興奮も感じられないわけではないが、実際の音としてきちんと響いてこないもどかしさが残る。「カテリーナ・イズマーイロヴァ」の5つの間奏曲は、この形での世界初演ライヴである(第3曲は省略)。既出音源だが、音質はやや自然な響きに改善されている。もっとも、キンキンした過去の盤の音質を好む向きもあるかもしれない。この演奏もオーケストラの演奏精度が低く、ロジデーストヴェンスキイの気合いが空回りしている感は否めない。一方、20年以上後の録音である祝典序曲は、大柄でありながらも整然とした余裕を感じさせる秀演である。力任せではないのに、華やかな響きはロジデーストヴェンスキイの真骨頂。

ボロディンQ団員によるショスタコーヴィチのピアノ三重奏曲は、長らくLPで探していたものの、どうしても落札することができずに悔しい思いをしていたもの。MelodiyaレーベルからCD化されたことは、実に喜ばしい。緊密なアンサンブルと、粘り気を帯びた熱い抒情を湛えた内面的な演奏は、絶頂期の彼らならではのもの。巨大な力で圧倒するタイプの音楽ではないだけに、名ソリスト達による演奏とは全く異なった趣きがあるものの、聴き終えた後の手応えは十分。プロコーフィエフも貫禄の名演だが、初めて聴いたガルィニンのピアノ三重奏曲がとても美しい作品で非常に気に入った。

ルガーノで行なわれた「プロジェクト・アルゲリッチ」2006年(有名なルガーノ音楽祭とは別物)のライヴ録音は、ショスタコーヴィチ作品集。生誕100年を記念してショスタコーヴィチ作品を集中的に演奏したのだろう。これが実に素晴らしい内容。特にジルベルシテインとのコンチェルティーノは、この曲の決定盤と言っても良いだろう。確かな技術に裏付けされた音楽の自在な息遣いは、他の追随を許さない。輝かしい響きで奏でられる集中度の高い音楽は熱気に溢れ、風格さえ漂わせている。ピアノ協奏曲第1番は、アルゲリッチ2回目の録音となるが、一層の自由度を獲得した鮮烈な秀演である。速い楽章の奔放な音楽も立派だが、第2楽章の心に染み入るような味わいに、天才でなければ到達し得ない境地を聴くことができる。オーケストラはアルゲリッチに煽られつつも、よくつけている。ナカリャコフのトランペットも、非常に巧い。…のだが、アルゲリッチの熱さに比べると徹底して冷ややかな感触を持っているのが特徴で、そのアンバランスさが奇妙な印象を残す。個人的には、トランペットだけが浮いているようなこの雰囲気に違和感がある。ピアノ五重奏曲も同様にアルゲリッチ主導の音楽作り。大柄でありながらニュアンスに富んだ抒情的な演奏は、弦楽器奏者の寄与するところも大だろう。ただ、チェロ(マイスキー)の歌い回しは少々甘口に過ぎる。ヴァイオリンのR. カプソンの気品ある端正な音楽に救われている感じ。全体にアルゲリッチとカプソンの素晴らしさが際立つが、残念なのはヴィオラの弱さ。この音色では、特に第2楽章などは淡白に過ぎてつまらない。録音は極めて優秀。

何だかスヴィリードフ・マニアにでもなったような最近の購入状況だが、今回もまたスヴィリードフの歌曲を1枚入手。「プーシキンの詩による6つの歌曲」はお馴染みの名曲だが、歌曲集「ペテルブルグ」の方は独立した作品ではなく、ブロークの詩を用いて過去に書かれた歌曲を再編成したもののようだ(ピアニストのアルカディエフによる解説では、20年以上かけて仕上げられたことになっている)。ネステレーンコ盤(9月28日付の本欄で紹介)やヴェデールニコフ盤(11月5日付の本欄で紹介)と重複している曲もある。いずれも味わい深い逸品揃いで、今まで聴いてこなかったことを後悔するくらい。「酒場のカウンターに釘付けになり」や「ペテルブルグの歌」などは、特に印象的。フヴォロストーフスキイの歌唱には少し気取った雰囲気があり、スヴィリードフの素朴さとは異なる趣があるものの、美しい声と高度な表現力はさすが。

没後30周年の記念企画としてリリースされたDeccaのブリテン・シリーズ。国内盤かつ廉価ということもあって、ついつい購入の優先順位が落ちてしまう。日本語の対訳は持っておきたいので、歌曲やオペラは廃盤になってしまう前に手に入れておきたいところ。今回は、ピアーズとの歌曲集を購入。「ミケランジェロの7つのソネット」は、以前NHK教育で日本公演の映像が放映された際に聴いたことがあるが(抜粋)、その他は全て初めて聴く作品ばかり。国内初出(ヘルダーリンの6つの言葉)や国内初CD化(ジョン・ダンの神聖なソネット)の音源も含まれているとのことで、あまり広くは聴かれてこなかった作品群なのかもしれない。確かに地味ではあるが、何とも言えず透明で、それでいて不健康な妖気が漂う、ブリテンのエッセンスを凝縮したような音楽ばかりで、何か見てはいけない世界を見てしまったかのような名状し難い感覚に囚われる。ブリテンの音楽を、何でもかんでもピアーズとの関係と結びつけて解釈するつもりはないが、これらの歌曲を聴くと、嫌でもそうした連想をしてしまう。でも、とても魅力的な音楽だ。

10月5日付の本欄で紹介したグラズノーフのピアノ曲全集。今回は第2巻を購入。第1巻よりも濃密な雰囲気を持った作品が多く、古き佳きロシア(あくまでもイメージだが)を堪能できる。こういう小品ではグラズノーフの魅力が遺憾なく発揮されているので、思わず何度も繰り返して聴いてしまった。
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theme : クラシック
genre : 音楽

tag : 作曲家_Shostakovich,D.D. 作曲家_Sviridov,G.V. 作曲家_Britten,B. 作曲家_Glazunov,A.K.

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Yosuke Kudo

Author:Yosuke Kudo
B. モンサンジョン著『リヒテル』(筑摩書房, 2000)に、「音楽をめぐる手帳」という章がある。演奏会や録音などを聴いて思ったことを日記風に綴ったもので、実に面白い。

毎日のように音楽を聴いているにもかかわらず、その印象が希薄になる一方であることへの反省から、リヒテルに倣ってここに私も覚え書きを記しておくことにする。無論、リヒテルの深みに対抗しようなどという不遜な気持はない。あくまでも自分自身のために、誰に意見するわけでもなく、思いついたことをただ書きなぐるだけのことである。

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