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ベロフのムーソルグスキイ・HMV(11月分)

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  • ショスタコーヴィチ:交響曲第11番 ビシュコフ/ケルン放送SO (Avie AV 2062 [SACD])
  • ショスタコーヴィチ:交響曲第1&6番 ユロフスキ/ロシア・ナショナルO (PentaTone PTC 5186 068 [SACD])
  • ショスタコーヴィチ(バルシャイ編):室内交響曲(弦楽四重奏曲第4番)、弦楽器と木管楽器のための交響曲(弦楽四重奏曲第3番) カントロフ/タピオラ・シンフォニエッタ (BIS BIS-CD-1180)
  • ショスタコーヴィチ:弦楽四重奏曲第5&15番 ソレルQ (Melodiya MEL CD 10 00980)
  • ショスタコーヴィチ:映画音楽「新バビロン」、組曲「生涯のような一年」 ストロベル/SWR放送O (hänssler CD 93.188)
  • ムーソルグスキイ:ピアノ作品集(「展覧会の絵」他)、バラーキレフ:ピアノ作品集(ピアノ・ソナタ他) ベロフ、R. スミス (Pf) (EMI 0946 3 97695 2 0)
  • グラズノーフ:ピアノ作品全集第3巻(前奏曲とフーガ ニ短調、4つの前奏曲とフーガ、前奏曲とフーガ ホ短調) クームズ (Pf) (Hyperion CDH55223)
  • Homenaje II ピアソラ、バルタール他 (Trova CD 123)
HMVから、11月注文分の商品が届く。今回は、注文してから10日ほどで全ての商品が揃い、随分早く手元に届いた。

11月7日付の本欄で紹介した第4番に続き、ビシュコフ/ケルン放送SOによるショスタコーヴィチ・シリーズから第11番を購入。このシリーズはこれで一応4枚全てが揃ったことになる。この第11番でも他の3曲と同様、丁寧な音楽作りがなされている。描写的なあざとさが前面に押し出されることはなく、徹底して交響曲らしい構成に終始した感が強い。聴きやすさに関しては随一だが、この曲に関する限り、物足りなさは否めない。

ロシア・ナショナルOによるショスタコーヴィチ・シリーズ(PentaTone classics)は、第8番(ベリルンド)と第11番(プレトニョフ)を架蔵済みだが、少し前に第5&9番(クライツベルク)もリリースされたので、とりあえずは旧譜の未入手分である第1&6番(ユロフスキ)をオーダー。ビシュコフ同様、端正な音楽作りに好感が持てる。内面に熱気を孕んだ洗練された音楽の流れはなかなかのものだが、全体に研ぎ澄まされた緊張感が感じられず、結果として淡々とした印象しか残らないのが惜しい。第6番では、オーケストラの音程の不安定さも気になる。

カントロフ指揮の室内交響曲集は、フィンランドの室内オーケストラとの共演。カントロフが指揮したショスタコーヴィチ作品には他に、弦楽四重奏曲第8番のバルシャイ編曲版(オーベルニュ室内CO:Denon)があるのだが、こちらは現在に至るまで入手できずにいる。さてこのアルバム、どこか浮遊感のある透明な響きと、奇を衒うことなく丹念に音楽を紡いでいる様が心地好い。楽曲の根底にある深刻な主題に対する内なる共感も十分に伝わってくるのだが、主として技術水準に起因する表現力の不足ゆえに、結果として表面的なきれい事に終始しているのが残念。

ソレルQによる弦楽四重奏曲全集も完結してから時間が経っているが、途中まで買い進めたものの、どうにも惹かれるものがなく、すっかり忘却の彼方へと追いやられていた。たまたま第5巻が安価になっていたので、再び忘れてしまう前にオーダー。無難なアンサンブルが繰り広げられているが、第5番では一層の力感が欲しいところ。特筆すべき特徴はない。第15番も同様だが、とりわけ弱奏部には多彩な表現力が求められるだけに、表現力不足の感が否めない。

ストロベル指揮の映画音楽集は、DSCH社刊の新全集を用いた「新バビロン」全曲と、CDでは初登場となる「生涯のような一年」のカップリング。楽譜を見てジャッド指揮のCapriccio盤ときちんと比較したいところだが、それはまたいつか(^^; 端正に整えられた演奏で、特に「新バビロン」においては、ソロイスティックな鮮やかさには欠けるものの、鑑賞する上での不満は特にない。「生涯のような一年」もクリアな録音で聴けるという以上の仕上がりではあるが、M. ショスタコーヴィチ盤のやみくもな熱狂とは対極にある落ち着いた演奏であるがゆえに、少々物足りなくもある。

ムーソルグスキイの作品も、遅々としたペースではあるが、聴き進めている。ムーソルグスキイの作品は、オペラはもちろんのこと、歌曲などでも版が複数あり、楽譜と対照しながらでなければ詳しいことがわからないものが多いのが難点。そうした細かいことを無視するならば、歌曲はほぼ全て揃ったので、次はピアノ曲でも……といった感じでHMVのカタログを検索していたら、ベロフという有名ピアニストの、それなりにまとまった曲数が収録されたアルバムが廉価でリリースされていたので、早速購入。展覧会の絵の展覧会という有名サイトの情報を参考にすると、このCDに収録されていないムーソルグスキイのピアノの曲は、以下の4曲のみ:
  • 4手のためのソナタ(1860年)
  • 夢(1865年)
  • Supreme bonheur
  • Reflexion
演奏内容を問わないのであれば、あと2枚程度購入したら、全部揃うことがわかった。ムーソルグスキイのピアノ曲集は、ポーストニコヴァのアルバムを所有しているが、若きベロフの演奏はそれと比べると鋭利な技巧で颯爽と華やかに弾き切っている印象が強い。どんよりとしたロシア情緒は後退しているが、色彩感に満ちた華麗なムーソルグスキイというのも悪くはない。次は、合唱曲と管弦楽曲に挑戦してみようかな。併録されているバラーキレフの作品集も、なかなか魅力的で思わぬ拾い物。もっとも、バラーキレフの作品を体系的に聴くのは、まだまだ随分先のことになるだろうが。

グラズノーフのピアノ作品全集も、3枚目となった。第3巻は計6曲の「前奏曲とフーガ」を収録した、わりと地味な内容。こういう渋い甘さを漂わせた音楽は決して嫌いではないのだが、取っ付き難さは否めない。もう少し大人になったら、自然に楽しめる日が来るのだろうか。

同じくHMVに、8月に注文していたものの未入荷だった1枚も、別便で届いた。ピアソラの自作自演を収録した編集盤で「Homenaje II」というタイトルだが、「I」はTrovaレーベルの有名な「アディオス・ノニーノ」というアルバムと、「ブエノスアイレスのマリア」からの5曲を組み合わせた編集盤で、こちらは既に架蔵済み。今回届いたアルバムもいかにもなありきたりの音源を集めた編集盤で、店頭でよく見かけていた頃には気にしていなかったのだが、最初の2曲(「チキリン・デ・バチン」「マティルデへの小さな歌」)が未聴音源だと気づいた時には、すっかり店頭で見ることはなくなっていたもの。ふと思い出してHMVで検索したところ、廃盤ではなさそうだったのでオーダーしてみた次第。このヴァージョンの「チキリン・デ・バチン」はなかなか素敵で、すっかり気に入った。ただ、『Piazzolla & Amelita Baltar』という編集盤が数年前に出ていたようで、こちらには今回入手した音源の他に、さらなる未聴分が含まれている。HMVのカタログにはなかったので気づかなかったのだが、ちょっと悔しい。
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theme : クラシック
genre : 音楽

tag : 作曲家_Shostakovich,D.D. 作曲家_Mussorgsky,M.P. 作曲家_Glazunov,A.K. Tango_Piazzolla,A.

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Yosuke Kudo

Author:Yosuke Kudo
B. モンサンジョン著『リヒテル』(筑摩書房, 2000)に、「音楽をめぐる手帳」という章がある。演奏会や録音などを聴いて思ったことを日記風に綴ったもので、実に面白い。

毎日のように音楽を聴いているにもかかわらず、その印象が希薄になる一方であることへの反省から、リヒテルに倣ってここに私も覚え書きを記しておくことにする。無論、リヒテルの深みに対抗しようなどという不遜な気持はない。あくまでも自分自身のために、誰に意見するわけでもなく、思いついたことをただ書きなぐるだけのことである。

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