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年末年始のまとめ聴き(グラズノーフ、ミャスコーフスキイ)

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  • グラズノーフ:弦楽四重奏曲第4番 ショスタコーヴィチQ (Melodiya C 10-16797-8 [LP])
  • ミャスコーフスキイ:弦楽四重奏曲第5&8番 タネーエフQ (Melodiya C10 19185 005 [LP])
  • ミャスコーフスキイ:弦楽四重奏曲第11&13番 タネーエフQ (Melodiya C10-16211-2 [LP])
  • ミャスコーフスキイ:交響曲第11番、弦楽のための2つの小品 ドゥダーロヴァ/モスクワSO (Melodiya 33 C 10-09483-84 [LP])
  • グリーンカ:「あなたと一緒ならどんなにかすばらしい」「血には憧れが燃えさかり」、A. ルビンシテーイン:ミルザ=シャフィによる12の歌(ペルシャの歌)より「Клубится волною」、ダルゴムィーシスキイ:「老いた伍長」、フレーンニコフ:「ソンブ・オブ・ソング」、劇音楽「遠い昔」より「Песенка Лепелетье」、スヴィリードフ:R. バーンズの詩による歌曲より「Финдлей」、カバレーフスキイ:シェイクスピアによる10のソネットより第4曲「ソネット第30番」「ドン・キホーテのセレナード」 エイゼン (B) ヴィノグラードフ (Pf) アダモフ (Vc) (Melodiya D 5928-5929 [10"mono])
  • Shostakovich Edition (Brilliant 8128)
  • グラズノーフ:歌曲全集 エフトディエヴァ (S) シキルティル (MS) ルコニン (Br) セローフ (Pf) (Northern Flowers NF/PMA 9925)
  • イヴァシキン,A.・秋元里予(訳):ロストロポーヴィチ,春秋社,2007.
年末年始の休みで、たまった未聴盤に針を通した。カートリッジ(ごくオーソドックスなDL-103ですが…)の針交換もして、気分も爽快。

Ars Antiqua / Mikrokosmos Mail Order Co.からの12月到着分は、一曲を除いて聴いたことのない曲ばかり。

グラズノーフの弦楽四重奏曲第4番は、傑作と言われている第5番(ショスタコーヴィチQの演奏がCD化されているが、カップリングの関係でLPで入手したいため、遺憾ながらまだ未聴)と時期の近い作品だけに、期待に胸を膨らませて聴き始めた…… のだが、正直ピンと来なかった。初期の第1番や第3番(第2番は未聴)に比べると、全曲の構成は随分とまとまったものになっているが、肝心の楽想が情念うずまくというか、わりと陰鬱なままでとりとめがないために、少なくとも一聴して惹きつけられるタイプの音楽ではない。ショスタコーヴィチQの演奏は、他の曲と同様に表現意欲に溢れた大柄かつ手堅いもの。

タネーエフQによるミャスコーフスキイの弦楽四重奏曲も、今回の2枚が入手できたことで、残すところ第12番だけとなった(小品などがカップリングされているかどうかは分からないのだが)。番号順に聴いてみたが、第5番はいかにも晦渋に過ぎて楽しめなかった。ミャスコーフスキイ独特の抒情もあまり感じられず、思考がある一点を堂々巡りしているようで、あまり出来の良くない部類の一曲かもしれない。気に入ったのは第8番。第2楽章は文句無しに美しい。全体のまとまりも悪くない。一種幻想的な佇まいを持った第11番は、瞑想的な響きが面白い。表面的な劇性は皆無なのでインパクトは薄いが、なかなか味わい深くて、不思議と印象に残る。こうして集中的に聴いてみると、やはり第13番の出来の良さが再認識される。

タネーエフQの非常に整然とした演奏は、決して変化に富んでいるとは言えないスコアから、繊細な色調の違いを丹念に描き出していて秀逸。音楽が混沌と停滞しているような部分においても、見通しの良い流れを失わないのがさすがだ。ただ、手持ちの音盤で唯一比較が可能な第13番は、2007年9月28日付の本欄で紹介したベートーヴェンQ盤の方に抗い難い魅力を感じる。ミャスコーフスキイの音楽には、同時代の息吹に満ちたノスタルジックでローカル色の濃い音が必要なのだろう。その意味で、タネーエフQは現代的に過ぎる。

交響曲第11番のドゥダーロヴァ盤はCD化されている(Olympia)が、現在では入手困難。ミャスコーフスキイ節に満ちているが、意外なほど明朗な音楽で、とても聴きやすい作品である。緩徐楽章が素敵。より魅力的なのが、カップリングの「弦楽のための2つの小品」(交響曲第19番の第3、2楽章をミャスコーフスキイ自身が編曲したもの)。この楽曲にとっては、オリジナルの編成よりも弦楽合奏の響きの方が明らかに相応しい。この作品などは、もっと広く聴かれても良いはずだ。ドゥダーロヴァの演奏は、スケールの大きな歌心と端正なアンサンブルが立派。もちろん、上述した“音”には不足しない。

エイゼンの歌曲集は、カバレーフスキイの「シェイクスピアによる10のソネット」だけは聴いたことのある作品だが、それ以外は曲名すら初めて見たような作品ばかり。やや畏まったA面(グリーンカ、A. ルビンシテーイン、ダルゴムィーシスキイ)も決して悪くはないが、やはり、大衆歌曲的な雰囲気に満ちたB面(フレーンニコフ、スヴィリードフ、カバーレフスキイ)が圧倒的に楽しい。独自の音世界を響かせるスヴィリードフの歌曲がとりわけ印象的だが、フレーンニコフの「ソンブ・オブ・ソング」とカバレーフスキイの「ドン・キホーテのセレナード」の哀愁漂う楽しさも忘れ難い。どこかリラックスしたエイゼンの歌唱も素敵だ。

続いて、HMVから届いた2点を。

Brilliant Classicsレーベルの「ショスタコーヴィチ生誕100周年記念BOX」は、そこにまとめられたBOXセットを全て架蔵済みなのだが、バルシャイのインタビューが収録された特典DVDが欲しくて、価格の割引率が高めなタイミングを見計らってオーダーしたもの。27枚のダブり買いというのも、我ながら豪勢な話ではある。バルシャイの話は、どれもどこかで読んだエピソードばかりではあるが、本人の声や表情が伴うことで独特の迫力や説得力が感じられるのは映像の醍醐味(インタビュアーは、バルシャイ指揮の交響曲全集で解説を執筆しているフォイヒトナー)。ヴァイオリン協奏曲第1番のリハーサル(断片)が挿入されているが、その演奏はさして印象的なものではない。フォイヒトナーへの短いインタビューも収録。会話は全てドイツ語だが、英語およびフランス語の字幕がついている。

Northern Flowersレーベルは、ソ連(=ロシア)音楽を愛好する者が常にチェックしておかなければならないレーベルの一つだが、今回はグラズノーフの歌曲作品を全て収録したアルバムを購入。本当に“完全な”全集かどうかは分からないが、作品番号のない若書きの作品も少なからず収録されているので、資料としても手元においておきたい一枚だ。演奏者は、DELOSレーベルでショスタコーヴィチの歌曲全集を完成させたメンバー。言うまでもなく、演奏の水準は高い。

2007年は、巨匠ロストロポーヴィチの没年となってしまった。一年の終わりに、ロストロポーヴィチ追悼の一冊を読む。当然ながら徹頭徹尾ロストロポーヴィチ讃美に終始する内容だが、体制との軋轢云々の部分よりも、音楽家としての軌跡やエピソードが非常に面白く、彼が20世紀を代表する天才の一人であったことを改めて認識させてくれる。ほんの数行の記述ではあるが、ショスタコーヴィチのヴィオラ・ソナタが当初はチェロ・ソナタとして構想されていたこと、終楽章のコーダにR. シュトラウスの「ドン・キホーテ」からの引用があり、スケッチの当該部分に「スラーヴァによろしく」とショスタコーヴィチ自身が書き込んでいたことが書いてある。これは、2006年末のショスタコーヴィチ・シンポジウムの資料でヤクーボフ氏が明らかにしていたことだが、日本語の出版物に記されたのは、この本が最初だろう。

栄光のチェリスト ロストロポーヴィチ栄光のチェリスト ロストロポーヴィチ
(2007/09/23)
アレクサンドル イヴァシキン

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theme : クラシック
genre : 音楽

tag : 作曲家_Glazunov,A.K. 作曲家_Myaskovsky,N.Y. 作曲家_Khrennikov,T.N. 作曲家_Kabalevsky,D.B.

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Yosuke Kudo

Author:Yosuke Kudo
B. モンサンジョン著『リヒテル』(筑摩書房, 2000)に、「音楽をめぐる手帳」という章がある。演奏会や録音などを聴いて思ったことを日記風に綴ったもので、実に面白い。

毎日のように音楽を聴いているにもかかわらず、その印象が希薄になる一方であることへの反省から、リヒテルに倣ってここに私も覚え書きを記しておくことにする。無論、リヒテルの深みに対抗しようなどという不遜な気持はない。あくまでも自分自身のために、誰に意見するわけでもなく、思いついたことをただ書きなぐるだけのことである。

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