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ツーソン音楽祭のライヴ盤

  • ストラヴィーンスキイ:兵士の物語、ショスタコーヴィチ:A.ブロークの詩による7つの歌曲、プロコーフィエフ:五重奏曲 ザゾフスキー (Vn) べゲルマン (Cl) ブラハ (Pf) シャバニナ (S) アラノフスカヤ (Vn) シュカーエフ (Vc) フィッツ=ジェラルド (Pf) J. ダンハム (Va) フォーゲル (Ob) D. ダンハム (Cb) (Arizona Friends of Chamber Music)
  • S. ミリヨ・山本省(訳):弦楽四重奏, 文庫クセジュ, 929, 白水社, 2008.
以前、ロシア室内楽ファン倶楽部というサイトで見かけて気になっていたのだが、webサイトからの購入システムに不備があったようで、支払い方法の登録にたどり着けずに断念して以来すっかり忘れていた一枚。先日、ふと思い出して再度チャレンジしてみたところ、不具合は改善されていた。上記サイトでは「購入ボタンを押しても、発注確認メールが届かなかったり、なかなか品物が送られてこなかったりで、少々不安になりますが、忘れたころに届くと思います。」という記述があるのだが、今回は発注確認メールが直ちに届いた。梱包は手作り感満載、商品到着は発注からほぼ一ヶ月後。まぁ、こんなものでしょうね。

さてこの音盤は、ツーソン音楽祭(Tucson Winter Chamber Music Festival)のライヴ録音で、音楽祭を主催しているArizona Friends of Chamber Musicの私家盤である。といっても、1994年のライヴ盤は随分前にTower Recordsの店頭(渋谷店だったか?)で購入した記憶があるので、完全なプライヴェート盤というわけでもないのだろう。

2001年のライヴを収録した本盤には「20世紀ロシアの室内楽」というタイトルがついているが、ストラヴィーンスキイ、ショスタコーヴィチ、プロコーフィエフという有名作曲家の、それなりに有名な室内楽曲が集められている。いずれも楽器編成がやや特殊なので、音楽祭ならではのプログラミングといえるだろう。演奏者は、ストラヴィーンスキイとプロコーフィエフで多くが共通している。ショスタコーヴィチのVnとVcは、ともにサンクト・ペテルブルグQのメンバー。他の演奏者については名前を見てもピンとこない人ばかりだったが、ライナーノートにある経歴を見ると、わりと錚々たる顔ぶれのようだ。

ということで早速聴いてみたのだが、率直に言って、期待はずれ。「兵士の物語」は、ソリスティックな華やかさがあるわけでもなく、かといって室内楽的な緻密さが感じられるわけでもなく、何より妙に生真面目な雰囲気で面白みが全くないのがつまらない。お目当てのショスタコーヴィチは、歌手の水準が低すぎて楽曲を味わうには至らない。緊張しているのか、ヴィヴラートとは異なるようにしか聞こえない声の震えが何とも耳障り。ピアノは表現の幅が狭くて単調で、弦楽器もあまり冴えない。もっとも出来が良いのは、最後のプロコーフィエフか。ただ、作品の持つ洒落っ気が十分に再現されているとは言い難く、珍しい作品を実演で……という以上の魅力を感じることはできない。

ふらりと立ち寄った梅田の紀伊国屋書店で、その名もずばり「弦楽四重奏」という新書を見つけた。「譜例多数」という帯にも誘われて購入。弦楽四重奏曲という形態をその起源から現代(と言っても、原著の出版が1986年なので、ごく最近のものは触れられていない)に至るまで概観した書物で、このジャンルを愛好するのならば最低限知っておきたい楽曲は、概ね網羅されていると言ってよいだろう。また、弦楽四重奏に限らず、弦楽器のみによる室内楽作品や、ピアノ五重奏、ピアノ四重奏についても触れられている。ただ、記述の内容には必ずしも全面的に同意できるものではなく、楽曲分析も何だか中途半端。たとえば、ハイドンの創作についてはもっと丁寧な記述があってしかるべきだと思うし、新ウィーン楽派の作品の扱いも小さすぎる。楽曲形式の変遷についても、もっと筋の通った論理展開の可能性があったと思う。……と、少し辛口の感想ではあるが、これから弦楽四重奏という宝の山に踏み込もうとする聴き手にとっては、手軽な入門書として十分に役に立つだろう。

弦楽四重奏 (文庫クセジュ 929) (文庫クセジュ)弦楽四重奏 (文庫クセジュ 929) (文庫クセジュ)
(2008/10/13)
シルヴェット・ミリヨ

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Yosuke Kudo

Author:Yosuke Kudo
B. モンサンジョン著『リヒテル』(筑摩書房, 2000)に、「音楽をめぐる手帳」という章がある。演奏会や録音などを聴いて思ったことを日記風に綴ったもので、実に面白い。

毎日のように音楽を聴いているにもかかわらず、その印象が希薄になる一方であることへの反省から、リヒテルに倣ってここに私も覚え書きを記しておくことにする。無論、リヒテルの深みに対抗しようなどという不遜な気持はない。あくまでも自分自身のために、誰に意見するわけでもなく、思いついたことをただ書きなぐるだけのことである。

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