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シチェドリーン4題(「アンナ・カレーニナ」他)

  • シチェドリーン:組曲「愛のみにあらず」第1番、管弦楽のための協奏曲第1番「お茶目なチャストゥーシカ」 アルヒーポヴァ (MS) コンドラーシン/モスクワPO (Melodiya 33 D 014565-66 [LP])
  • シチェドリーン:ピアノ協奏曲第2&3番 N. ペトローフ (Pf) スヴェトラーノフ/ソヴィエト国立SO (Melodiya 33 C 10-10031-2 [LP])
  • シチェドリーン:24の前奏曲とフーガ シチェドリーン (Pf) (Melodiya CM 02775-8 [LP])
  • シチェドリーン:バレエ「アンナ・カレーニナ」 シーモノフ/ボリショイ劇場O (Melodiya 33CM 04003-06 [LP])
12月15日の記事の続き。先月と同様に、今月もシチェドリーン作品がまとまって入荷した。

全曲を聴いたばかりの歌劇「愛のみにあらず」の組曲版は、魅力的な曲が選ばれているとはいえ、全体としてはまとまりが感じられない散漫な印象。ただ、豪華メンバーによる演奏は、文句なしに聴き応えがある。音楽の柄が大きく、楽曲の抒情的な魅力が存分に発揮されている。「お茶目なチャストゥーシカ」は、作品そのものの完成度が高いこともあって、より素晴らしい音楽が繰り広げられる。引き締まったアンサンブルが凝縮された内的エネルギーを明るく楽しく発散する、シチェドリーンの初期作品の真骨頂と言ってもよいのではないだろうか。

ピアノ協奏曲の録音は、一晩の演奏会のライヴ。ペトローフによるシチェドリーン作品は先に第1番を聴いたところだが、この第2番でも強靭なタッチで鮮やかかつ生真面目に弾き切っており、楽曲との相性の良さを感じさせる。解釈はシチェドリーン本人の演奏とほぼ共通しており、どちらをとるかは聴き手の好み次第といったところか。一方の第3番は1970年代の作品であり、これまで全く聴く機会のなかった時期の作品である。それまでの作品に聴かれた直截的な陽気さは影を潜め、(当時のソ連としては)前衛的な手法で独特の美しさ(これは1980年代の作品につながっていく)を漂わせながら、激烈な緊張感を持った生真面目な音楽が展開されている。スヴェトラーノフの、どこか気取った格好よさを感じさせる伴奏は、いかにもシチェドリーン作品に相応しい。

こうした作風の変遷は、「24の前奏曲とフーガ」でもはっきりと聴き取ることができる。1964年に書かれた第1巻(第1~12番)に対し、1970年の第2巻(第13~24番)では明らかに複雑さの度合いが増し、音楽の凝集度と振幅が大きくなっている。シチェドリーンの職人芸が余すところなく発揮されたこの曲集は、地味ながらも非常に面白く、これもまた彼の代表作の一つと言ってよいのだろう。

と、今回聴いた作品はいずれも素晴らしくて満足したのだが、「アンナ・カレーニナ」の音楽は、ずば抜けて完成度が高く、面白く、そして感動的であった。十二音列やトーン・クラスターなどの技法が極めて音楽的に用いられている上に、打楽器などの色彩がたまらなく美しい。リズムの輪郭は必ずしも明確ではなく抒情性が卓越したこの音楽で、どんな舞台が繰り広げられるのだろう。映像も観たくなった。
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theme : クラシック
genre : 音楽

tag : 作曲家_Shchedrin,R.K.

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Yosuke Kudo

Author:Yosuke Kudo
B. モンサンジョン著『リヒテル』(筑摩書房, 2000)に、「音楽をめぐる手帳」という章がある。演奏会や録音などを聴いて思ったことを日記風に綴ったもので、実に面白い。

毎日のように音楽を聴いているにもかかわらず、その印象が希薄になる一方であることへの反省から、リヒテルに倣ってここに私も覚え書きを記しておくことにする。無論、リヒテルの深みに対抗しようなどという不遜な気持はない。あくまでも自分自身のために、誰に意見するわけでもなく、思いついたことをただ書きなぐるだけのことである。

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