ショスタコーヴィチ:ヴァイオリン協奏曲第1番(原典版)

YouTubeを眺めていたら、レーピンが弾くショスタコーヴィチのヴァイオリン協奏曲第1番の全曲を見つけた。もしや、と思って第4楽章の冒頭をチェックしてみたら、案の定“原典版”を使用していた。この箇所、決定稿では「汗を拭く時間くらいは欲しい」というオーイストラフの求めに応じてオーケストラのTuttiに置き換えられているのだが、原典版ではカデンツァから休みなく延々と独奏Vnが弾き続ける形になっている。もちろん原典版が出版されたことはなく(42巻の旧選集の校訂報告には記されている)、レーピン以外がこの版を演奏したという話も聞いたことがない。一度聴いてみたいと思っていたので、実に嬉しい。提供者に感謝。

さて、初めて聴いた原典版の感想だが、聴き慣れたのとは違う響きに戸惑うのは事実だが、変更された箇所が非常に短いこともあって、楽曲の印象を左右するほどの違いはないと感じた。敢えて言うなら、カデンツァの盛り上がりをTuttiが引き継ぐ決定稿の方がより一層華やかといったところか。

版に対する興味だけではなく、演奏そのものも大変立派。やや整然とし過ぎて大人しいようにも感じられるが、カデンツァを頂点とするテンションの設計が見事で、徒に大騒ぎすることなく、淡々と、それでいて真摯に楽曲の内容を奏でていく様が素晴らしい。P. ヤルヴィは手堅くアンサンブルをまとめつつも、単なる伴奏に留まらない表現力をさりげなく発揮している。

第1楽章(1)第1楽章(2)
第2楽章第3楽章
カデンツァ~第4楽章
ショスタコーヴィチ:ヴァイオリン協奏曲第1番
レーピン (Vn)、P. ヤルヴィ/ミラノ・スカラ座O
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theme : クラシック
genre : 音楽

tag : 作曲家_Shostakovich,D.D.

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Yosuke Kudo

Author:Yosuke Kudo
B. モンサンジョン著『リヒテル』(筑摩書房, 2000)に、「音楽をめぐる手帳」という章がある。演奏会や録音などを聴いて思ったことを日記風に綴ったもので、実に面白い。

毎日のように音楽を聴いているにもかかわらず、その印象が希薄になる一方であることへの反省から、リヒテルに倣ってここに私も覚え書きを記しておくことにする。無論、リヒテルの深みに対抗しようなどという不遜な気持はない。あくまでも自分自身のために、誰に意見するわけでもなく、思いついたことをただ書きなぐるだけのことである。

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