クレンペラーのショスタコーヴィチ

  • ハイドン:交響曲第101番「時計」、ストラヴィーンスキイ:組曲「プルチネッラ」、ショスタコーヴィチ:交響曲第9番、R. シュトラウス:交響詩「ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら」、ベートーヴェン:交響曲第1番、シューベルト:交響曲第7番「未完成」、ワーグナー:楽劇「ニュルンベルクのマイスタージンガー」第1幕への前奏曲 クレンペラー/トリノ・イタリア放送SO (Memories Reverence MR2095/96)
基本的に面倒くさがりなので、最新情報のチェックなどは苦手である。色んなブログをマメに見るようにしたいところだが、なかなかそういう習慣が身につかない。それでも、たまには気になるサイトなんかを巡回することもあって、そういう時に見るところの一つが「20世紀ウラ・クラシック!」というブログ。昨年末、よりにもよってクリスマス・イヴに日帰りで東京・新橋に出張だったのだが、戻ってからこのブログをチェックすると、こんな記事が。一日早く見ていれば、帰りに銀座に寄ったのに…… というわけで、東京在住の弟に頼んで山野楽器で確保してもらった次第。

ドイツ系の作品については、いずれも格調の高い、確固たる造形の見事さが際立つ名演揃い。もちろん、トリノ・イタリア放送SOの技量には不満が残るし、録音状態も1955年のライヴ録音ということを考えても褒められたものではない。クレンペラーでこれらの曲を聴くのならば、もっと状態の良い名盤が他にいくらでもあるだろう。とはいえ、この水準の演奏をまとめて聴くことに不満があろうはずがない。

このアルバムの目玉は、ストラヴィーンスキイとショスタコーヴィチの2曲だろう。ただ、オリジナルのLPがリリースされた当時とは異なり、今では「プルチネッラ」のスタジオ録音がCDで出ている(Testament)ので、ショスタコーヴィチだけを目当てに入手する人も少なくないだろう。言うまでもなく、僕もその一人。

そのショスタコーヴィチだが、随分と個性的な解釈である。前半の3つの楽章では非常に遅いテンポをとり、オーケストレイションの仕組みを丹念に紐解いたような響きが印象的。当然の帰結と言うべきか、第1楽章や第3楽章では愉悦感が薄く、気分の晴れない第2楽章の雰囲気が支配的なまま、第4楽章に突入する。この楽章は通常より極めて速く、おそらくサクソフォーンに吹かせていると思われるファゴット・パートは、妙に艶めかしい。第5楽章は、ごく普通のテンポ(やや遅めではあるが)。ようやく、賑やかで楽しい音楽が繰り広げられる。このように書くと、「戦勝を祝う交響曲」の裏にある作曲家の意図を暴き出した解釈と受け取られるかもしれないが、むしろ“形式主義者”ショスタコーヴィチの独特な様式感を“雑念抜きで”表現した音楽のように聴こえるのが面白い。

LPからの盤起こしらしいが、復刻状態は概ね良好。
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theme : クラシック
genre : 音楽

tag : 作曲家_Shostakovich,D.D.

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Yosuke Kudo

Author:Yosuke Kudo
B. モンサンジョン著『リヒテル』(筑摩書房, 2000)に、「音楽をめぐる手帳」という章がある。演奏会や録音などを聴いて思ったことを日記風に綴ったもので、実に面白い。

毎日のように音楽を聴いているにもかかわらず、その印象が希薄になる一方であることへの反省から、リヒテルに倣ってここに私も覚え書きを記しておくことにする。無論、リヒテルの深みに対抗しようなどという不遜な気持はない。あくまでも自分自身のために、誰に意見するわけでもなく、思いついたことをただ書きなぐるだけのことである。

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