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N響アワー「ショスタコーヴィチ 明暗2つの顔」

  • N響アワー「ショスタコーヴィチ 明暗2つの顔」 オズボーン (Pf) ディンド (Vc) 下野竜也、ノセダ/NHK交響楽団 (録画 [NHK-ETV(2009.6.21)])
4月から司会者が交代したN響アワー。西村 朗氏というと僕にとっては、中高校生時代に読んでいた『音楽現代』誌で「現代作曲家が書いたクラシック音楽論 滅びゆくものは美しく」という連載や新譜批評などに健筆を揮っていた頃の印象が強い。今となっては大作曲家なのだが、それでも語り口には当時を思い起こさせる雰囲気があり、勝手に郷愁を抱いてしまったりもする。そういう贔屓目を抜きにしても、変に初心者に媚びたりせずに、それでいて親しみやすく分かりやすい解説はとても面白い。

既に1週間以上経ってしまったが、6月21日放送分はショスタコーヴィチの特集で、怖いもの知らずだった若きショスタコーヴィチと、度重なる批判を経て眉間に深い皺が刻みこまれたショスタコーヴィチを対比しようとする企画であった。番組中で流れた演奏は、次の2つ:
  • ショスタコーヴィチ:ピアノ協奏曲第1番 オズボーン (Pf)、下野竜也指揮(2009年2月18日)
  • ショスタコーヴィチ:チェロ協奏曲第1番 ディンド (Vc)、ノセダ指揮(2008年10月17日)

ピアノ協奏曲の方は、2009年4月16日付の記事で触れた演奏と同一のもの。先の記事ではオズボーンの解釈にあまり納得しなかったと書いたのだが、今回聴き直してみて、少し印象が変わった。第1楽章の出だしを聴くと、推進力も疾走感もそれほど不足しているわけではない。それが、トランペット独奏が入った途端にギアが逆に入る。要するに、ピアノがそれに合わせただけなのだろう。そう思って聴くと、オズボーンのピアノは至極真っ当な演奏で、下野氏の棒も的確な状況判断の下にオーケストラを統率していたと言える。「ピアノ協奏曲」とはいえ、合奏協奏曲的な作りになっている以上は、ピアノとトランペットが協同して音楽を作るのは当然だろうが、吹き損じはともかく、テンポまで自分の都合で左右してしまうようではちょっと………

さて、一方のチェロ協奏曲第1番は、初めて視聴する演奏。ディンドというチェロ奏者は名前すら聞いたことがなかったのだが、やや線の細さを感じさせるものの、男性的な歌心と音色がとても好ましい。技術水準も高い。全体に上品にまとまり過ぎていたようにも思えたが、総じて秀逸な演奏だったと言える。ノセダ率いるオーケストラも、精力的なリズム感が際立つ、立派な演奏であった。

ショスタコーヴィチの二面性を協奏曲で例示する番組の構成には、とても納得がいった。欲を言えば、どちらも冷笑的な雰囲気を持つ楽曲であるにもかかわらず、明暗の印象が分かれる訳について、作曲語法の違いなどの面からもう少し突っ込んだ解説があってもよかったように思う。
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theme : クラシック
genre : 音楽

tag : 作曲家_Shostakovich,D.D.

comment

Secre

聴き直してみて

 N響アワーというと、私は 芥川也寸志さんと木村尚三郎さん、そして なかにし礼さんらが揃って司会を務めていた頃の進行を懐かしく想います。“三人衆”と呼ばれていたそうですね。その時私は中学生でしたが、当時の放送時間だった毎週土曜日の夜のテレビをとても楽しみにしていました。紹介される曲の周辺やスコアを使った解説、そして何より三人さんの間のちょっとした世間話風の進行が、私を西洋音楽の魅力へグイグイと引き込みました。そんな郷愁は外しても、現在の西村 朗さんと岩槻里子アナウンサーのコンビの司会も、とても楽しく観ています。

 以前にも書き込みをさせて頂きました。ビデオに録ったテープを改めて観ていますが、工藤さんの覚え書きを読んでから、私も印象が変わりました。思い込みというのはいけないもので、何度も聴き直すことによって見い出せた感動を味わったり、演奏の良さを知ること、つまり一所懸命に且つ楽しく聴くことなのですが、大切ですね。私は楽器は弾きませんが、改めて、オズボーンのピアノもディンドのチェロも熱演だと想いました。指揮も感心で、下野さんは誠実さがあり、ノセダさんは大きな身振りで訴える様な力演でした。自分の好みもありますが、音楽を聴く姿勢というのでしょうか、色々と教わることがあります。

 仰るように、もっと突っ込んだ解説だったら更に面白かったはずですが、専門チックにならない配慮と放送時間内にまとめる事情、仕方がなかったかなとも思えたりして・・・。まあまあ、自分はそう思うことにしています。(^^;

Re: 聴き直してみて

土曜日の19時からだった頃のN響アワー、懐かしいですね。

解説については、西村氏ならでは…というのをちょっと期待した、という程度ですが、それよりも、今回の2曲なら、最初の奥さんとの結婚前、死別後(2人目の奥さんとの破局後)みたいな切り口も面白いかなぁとは思いました。NHK好みの話題ではなさそうですが(笑)
プロフィール

Yosuke Kudo

Author:Yosuke Kudo
B. モンサンジョン著『リヒテル』(筑摩書房, 2000)に、「音楽をめぐる手帳」という章がある。演奏会や録音などを聴いて思ったことを日記風に綴ったもので、実に面白い。

毎日のように音楽を聴いているにもかかわらず、その印象が希薄になる一方であることへの反省から、リヒテルに倣ってここに私も覚え書きを記しておくことにする。無論、リヒテルの深みに対抗しようなどという不遜な気持はない。あくまでも自分自身のために、誰に意見するわけでもなく、思いついたことをただ書きなぐるだけのことである。

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