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『ピアソラ その生涯と音楽』


  • アッシ, M. S.・コリアー, S.・松浦直樹(訳)・斎藤充正(協力):ピアソラ その生涯と音楽, アルファベータ, 2006.
何となく読みそびれていたピアソラの評伝を、ようやく読了した。

ピアソラについての日本語文献といえば、まずは斎藤充正氏の『アストル・ピアソラ 闘うタンゴ』(青土社, 1998)が基本文献として挙げられよう。ここではピアソラの生涯を子細に辿りつつも、ピアソラの演奏活動、特に遺されたアルバムに記述の大部分が割かれている。ピアソラがどういう人間であったのかという点については、ゴリンの『ピアソラ 自身を語る』(河出書房新社, 2006)で補うことができる。しかし、どちらも一般的な意味での“伝記”ではなく、本書は日本語で読むことのできる唯一の伝記といえるだろう。346ページ(巻末資料や索引は35ページ)の大著で、近親者を含む多くの関係者からの証言を集めた労作である。

ただ、たとえば『闘うタンゴ』では知ることのできなかった情報といえば、専らピアソラの女性関係ばかりで、この評伝によってピアソラの音楽を深く知る上での新たな知見が得られる訳ではない。この辺りは人によって興味の分かれるところだろうが、芸術家の人柄はその芸術作品と必ずしも等価ではないというのが僕の考え。ピアソラの女性関係は、作曲活動の不調や音楽仲間との関係には少なからず影響しているものの、ピアソラの楽曲、あるいは演奏(アルバム)の内容には驚くほど影響していないように感じられる。斎藤氏がこの部分についてほとんど触れていないのは、あくまでも音楽本位の考えからなのだろうと思う。そして、その見識には全面的に賛同するものである。



本書の終わり、すなわちピアソラの晩年を読みながら、そこで簡単に触れられていた演奏を無性に聴きたくなった。


  • Finally Together Vol. 1 (LUCHO 7704-2)
1989年にプグリエーセと共演した「アディオス・ノニーノ」である。ピアソラのセステートとプグリエーセのオルケスタとが揃って“あの”旋律を奏で出す瞬間の、何と感動的なこと!自分も父親を亡くしたせいだろうか、以前にも増して心に沁みる。
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theme : ワールド・ミュージック
genre : 音楽

tag : Tango_Piazzolla,A.

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Yosuke Kudo

Author:Yosuke Kudo
B. モンサンジョン著『リヒテル』(筑摩書房, 2000)に、「音楽をめぐる手帳」という章がある。演奏会や録音などを聴いて思ったことを日記風に綴ったもので、実に面白い。

毎日のように音楽を聴いているにもかかわらず、その印象が希薄になる一方であることへの反省から、リヒテルに倣ってここに私も覚え書きを記しておくことにする。無論、リヒテルの深みに対抗しようなどという不遜な気持はない。あくまでも自分自身のために、誰に意見するわけでもなく、思いついたことをただ書きなぐるだけのことである。

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