【YouTube】ショスタコーヴィチの歌曲

ショスタコーヴィチが遺した数多くの作品の中でも、歌曲だけは、少なくとも我が国での演奏頻度は低いままである。実演はおろか、映像を見ることもない。だから、YouTubeにアップされているいくつかの動画は、どれも全曲でないのが残念ではあるものの、大変貴重なものばかりである。

中でも、L. ハリトーノフが歌った作品98からの2曲は、極めて素晴らしい。美しく張りのある声、伸びやかで表情豊かな歌心、全曲でないことが本当に残念でならない。やや芝居がかってはいるが、ピアノ伴奏も見事。

3. 絶望の日4. 喜びの日
ショスタコーヴィチ:ドルマトーフスキイの詩による5つの歌曲より
Leonid Kharitonov (Br) (1974年)


声の美しさという点では、レイフェールクスも負けてはいない。演奏会のアンコールと思われるが、演奏を云々するにはさすがに短すぎるものの、貫禄の歌唱であることは確かだ。

ショスタコーヴィチ:雑誌「クロコディール」の詩による5つの歌曲より第2曲「かなわぬ願い」
レイフェールクス (Br)、スキギン (Pf)(2007年 モスクワ音楽院)


動画の登録者が歌手本人名義(実際に作業をしているのが誰かはわからないが)になっているのが、Lilia Linchukというメゾ・ソプラノ歌手による「スペインの歌」。譜面台上の楽譜から想像するに、演奏会では全曲が歌われたのだと思われるが、今のところ最初の3曲だけがアップされている。ピアニストの身のこなしが好きではないが、歌唱そのものは素直で好感が持てるもの。

1. さようならグラナダ!2. 星くず
3. 最初の出会い
ショスタコーヴィチ:スペインの歌
Lilia Linchuk (MS)(2006年1月26日 State Hermitage Theatre)


Natalya Kraevskyというソプラノ歌手の名も初めて知ったが、彼女の公式サイトからもリンクを張られている動画なので、これもまた、おそらくは演奏家本人の承諾の下に撮影されたものなのだろう。声も容姿も、まぁ美しいといってよいのだろうが、少なくともこの曲に関していえば、あまりその魅力を感じ取ることはできなかった。起承転結のはっきりした曲なのだが、そうしたメリハリに欠如しているために、歌そのものが印象に残らない。

ショスタコーヴィチ:「風刺」より第4曲「思いちがい」
Natalya Kraevsky (S)


「ラヨーク」の映像もあったが、これは率直に言って、期待はずれ。全曲を一人で歌っているのだが、いくら声色を使い分けようと、登場人物のキャラクターが明確にならないのでは、この作品の面白みは表現されない。もっとも、映像の品質が優れないことなどから察するに、純粋に音楽的な側面、あるいはショスタコーヴィチ作品の解釈といった側面からこの演奏を評価することが妥当なのかどうかには、議論の余地があるだろう。

Part 1Part 2
ショスタコーヴィチ:反形式主義的ラヨーク
P. Kutyin (Br)、I. レーベジェフ (Pf) 他(2006年10月12日 モスクワ)
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theme : クラシック
genre : 音楽

tag : 作曲家_Shostakovich,D.D.

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Yosuke Kudo

Author:Yosuke Kudo
B. モンサンジョン著『リヒテル』(筑摩書房, 2000)に、「音楽をめぐる手帳」という章がある。演奏会や録音などを聴いて思ったことを日記風に綴ったもので、実に面白い。

毎日のように音楽を聴いているにもかかわらず、その印象が希薄になる一方であることへの反省から、リヒテルに倣ってここに私も覚え書きを記しておくことにする。無論、リヒテルの深みに対抗しようなどという不遜な気持はない。あくまでも自分自身のために、誰に意見するわけでもなく、思いついたことをただ書きなぐるだけのことである。

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