【YouTube】コンフント9

1月9日の記事で「ピアソラにとっての理想的な演奏形態がキンテートであっただろうことは、短命に終わったコンフント9をひとまず考慮に入れなければ、衆目の一致するところだろう」と述べた。キンテートの音楽遺産は質量ともに際立っているのだが、それでもコンフント9の緻密でありながらも広がりのある響きをキンテートの上に位置付けたくなる衝動を抑えることはできない。

わずか1年ほどで解散してしまった団体だけに、遺された録音はそれほど多くない。演奏風景の写真ですら珍しいだけに、ましてや映像となると極めて貴重である。これまでネットで視聴できるピアソラの映像を5回に渡って紹介してきたが、その最後に、僕の大好きなコンフント9の映像を2つ紹介したい。なお、これらについては、斎藤充正氏のブログ「tangodelog」の2009年11月26日の記事)でその存在を知った次第。

まずは、1972年にイタリアのテレビ番組に出演した際の映像。「Divertimento 9」というちょっと渋い選曲だが、この1曲だけの出演とは考えにくいので、他の演奏曲目についても映像が発掘されることを切に願いたいところ。

それはともかく、アンサンブルの完成度がもの凄い。九重奏という、決して少なくない人数のアンサンブルにしてこの緊密さ。奏者同士が互いの機微を知り尽くし、演奏している楽曲に対する理解を完全に共有していることの証明だろう。楽曲や響きもさることながら、こういう奏者を常に従えることができたという点で、この団体をピアソラにとっての究極の形態とすることに問題はないだろう。

Divertimento 9
1972年


この編成には、イタリアの女性歌手ミーナとの共演の映像も遺されている。ステージの雰囲気などから上述した映像と同じライヴ(番組?)のような気もするが、よく分からない。この演奏は1993年にCD化されているが、僕は未入手である。

ミーナの歌唱は少々絶叫系で僕の好みではないが、伴奏するコンフント9の濃密な音楽にはノックアウトされてしまう。中間部のピアソラのソロは、いくつもあるこの曲のアレンジ、演奏の中でも一、二を争う素晴らしさ。

Balada para mi muerte
1972年


楽曲だけでなくミーナによるピアソラの紹介も聞くなら、こちらの動画の方がお薦め。
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theme : ワールド・ミュージック
genre : 音楽

tag : Tango_Piazzolla,A.

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プロフィール

Yosuke Kudo

Author:Yosuke Kudo
B. モンサンジョン著『リヒテル』(筑摩書房, 2000)に、「音楽をめぐる手帳」という章がある。演奏会や録音などを聴いて思ったことを日記風に綴ったもので、実に面白い。

毎日のように音楽を聴いているにもかかわらず、その印象が希薄になる一方であることへの反省から、リヒテルに倣ってここに私も覚え書きを記しておくことにする。無論、リヒテルの深みに対抗しようなどという不遜な気持はない。あくまでも自分自身のために、誰に意見するわけでもなく、思いついたことをただ書きなぐるだけのことである。

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