【録画】NHK交響楽団 第1661回定期公演

  • ストラヴィーンスキイ:アゴン、ショスタコーヴィチ:ピアノ協奏曲第2番、R. シュトラウス:交響詩「ドン・キホーテ」 デュトワ(指揮) ゲルシュタイン (Pf) G. カプソン (Vc) 店村眞積 (Va) (2009.12.5 録画 [NHK BS-2(2010.1.8)])
2009年12月のNHK交響楽団定期公演は、デュトワ指揮による3つのプログラムのいずれもが聴き応えのある素晴らしいプログラミングであった。その内、まずはAプログラムの初日がNHK BS-2で放送された。なお、メインの「ドン・キホーテ」とショスタコーヴィチ(第1楽章のみ)は、1月10日放送の『N響アワー』でも取り上げられていた。

第1曲目のアゴンから、ミスの少ない緻密なアンサンブルに感心する。実演に足を運ばずに評するのも申し訳ないが、音楽的にも技術的にも散漫な演奏が少なくない近年のN響の状態を考えると、それだけでも出色の出来と言ってよいのかもしれない。ただ、流麗な仕上がりは、果たしてこの楽曲が求めている姿なのかと言えば、少し違和感が残るのも事実。

続くショスタコーヴィチは、とても素晴らしい出来だと感じた。まずは、隅々まできっちりと作り込んだゲルシュタインの音楽が良い。奇を衒うようなことは一切なく、丹念にスコアを辿っていく様は几帳面ですらあるが、硬直した部分はなく、表情豊かで雄弁な音楽に仕上がっていることに感心した。技術的には明晰でありながらも、どこか鈍さを感じさせるタッチには雰囲気があり、一方で揺るぎないリズム感も見事。デュトワの伴奏もゲルシュタインの独奏と相性が良く、とても気持ちの良い演奏であった。

前半の2曲に比べると、メインの「ドン・キホーテ」は印象が薄い。全てが流麗に整えられているので聴きやすいことは確かだが、この曲にはもっと厭味のあるハッタリを求めたくなる。G. カプソンのソロも同様で、達者なのは分かるのだが、率直に言って面白くない。その意味では、店村氏や篠崎氏のソロの方が、自己顕示的な厭らしさがあって良かった。

いずれにせよ、とても水準の高い演奏会であったことには違いなく、終始愉しんで視聴できた。残るBプロとCプロも楽しみである。
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theme : クラシック
genre : 音楽

tag : 作曲家_Shostakovich,D.D.

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Yosuke Kudo

Author:Yosuke Kudo
B. モンサンジョン著『リヒテル』(筑摩書房, 2000)に、「音楽をめぐる手帳」という章がある。演奏会や録音などを聴いて思ったことを日記風に綴ったもので、実に面白い。

毎日のように音楽を聴いているにもかかわらず、その印象が希薄になる一方であることへの反省から、リヒテルに倣ってここに私も覚え書きを記しておくことにする。無論、リヒテルの深みに対抗しようなどという不遜な気持はない。あくまでも自分自身のために、誰に意見するわけでもなく、思いついたことをただ書きなぐるだけのことである。

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