明日の練習に向けて(シベリウスの交響曲第7番他)

  • ブラームス:ヘンデルの主題による変奏曲とフーガ、3つの間奏曲 作品117、6つの小品 作品118 A. ヴェデルニコフ (Pf) (Denon COCQ-83657)
  • シベリウス:交響曲第7番、チャイコーフスキイ:バレエ「くるみ割り人形」より抜粋 ムラヴィーンスキイ/レニングラードPO (Altus ALT054)
  • シベリウス:交響曲第7番 ロジデーストヴェンスキイ/モスクワ放送SO (Victor VIC-4001~5 [LP])
  • 「タンゴ-ガルデルの亡命」オリジナル・サウンドトラック ピアソラ五重奏団他 (BMG BVCF-35021)
  • チマローザ:「秘密の結婚」序曲、ストラヴィーンスキイ:「プルチネッラ」組曲、ドヴォルザーク:交響曲第7番 澤寿男/かぶとやま響 (Private Recording)
昨日の感激が覚めやらず、またもやヴェデルニコフのブラームス作品集を聴く。極めて理性的な男の音楽。内面の葛藤や動揺を決して表に出すことのできない、プライド高き男の哀しさみたいなものを感じる。

明日は、かぶとやま交響楽団第29回定期演奏会に向けて、指揮の澤先生がいらっしゃる初回の練習。少し予習をしておこうと、まずはシベリウスの交響曲第7番のスコアを読み直す。ムラヴィーンスキイ盤を選んだのは、テンポの変化やデュナーミクに色々と手を加えている演奏だから。下手にスコア通りだと、聴き流してしまう部分が多くなりそうで。このAltus盤が発売されるに至るきっかけとなったムラヴィーンスキイ未亡人との昼食会には僕も出席していただけに、ちょっとだけ思い入れもあるのだが、さすがに音質には多少の不満を感じなくもない。劣悪なMelodiya録音に慣れているので、録音レベルや音質は適当に補正して流すことができるが、パート間のバランスだけは実際は一体どんなものだったのかがわからない。金管楽器が時に下品なまでに突出しているのは、個人的にはムラムラと興奮してしまうところだが、実際にムラヴィーンスキイが意図した響きの構造の手がかりが得られる水準の録音でないのは残念。

で、このムラヴィーンスキイ盤の演奏だが、何度聴いても僕にとっては最も納得のいく解釈。シベリウス最後の交響曲だとか北欧の抒情だとか言われて、とかく響きや雰囲気が重視されてしまいそうになるところを、ムラヴィーンスキイはリズムと劇性の面から明解にまとめあげている。練習番号Zで迎える音量的な絶頂(fff)を全曲の頂点として、壮大な落日のような最終和音へと次第にクールダウンしていく音楽の流れは、感覚的にも十分説得力がある。個人的には、練習番号Yでヴァイオリンとヴィオラ以外の全楽器に強烈なスフォルツァンドを付加する処理がたまらない。実に劇的な瞬間だ。まぁ、僕の知る限り他にやっている人はいないし、澤先生もやらないだろうけど。

シベリウスの交響曲第7番は、このムラヴィーンスキイ盤以外にはカラヤン盤を好んでいるのが、今日は長年埃をかぶっていたロジデーストヴェンスキイ盤LPを取り出してみた。金管楽器のメタリックな響きはモスクワ放送SOならではの魅力だが、演奏自体には意外に際立った特徴がない。特にティンパニの重要性を強調するようなリズム上の処理は時々面白いのだが、練習番号N以降の緩徐楽章に相当する部分以降はむしろ平凡な仕上がり。また、練習番号Aは大好きな部分だが、ここの木管楽器の音程がちょっと酷い。この悪印象が、僕の評価に最後まで影響しているだろうことは否定できない。

少し集中して同じ曲を繰り返し聴いた(各2回ずつ)ので、少し息抜きで久し振りにピアソラを一枚。このアルバムの前半は全然違う団体によるもので、今日はチャプター6以降のピアソラ五重奏団によるピアソラ作品のみを聴く。最初の「愛のデュオ」が、実にたまらん良い曲。もう5年近く前の1998年9月19日、ピアソラ五重奏団のメンバーと小松亮太によるライヴの超名演を体験したことがつい昨日のように思い出される。続く「不在」もいいが、最後に収録されているピアソラ自身の多重録音によるバンドネオン二重奏の「想いの届く日」が心に染みる。ピアソラのむしろあっさりとしたさりげない演奏が、聴き手の思い入れを優しく受け止めてくれる。

最後に明日に向けて、前回澤先生と演奏した第27回演奏会の記録録音を聴いてみる。演奏会直後に聴いて以来だったが、印象はそう大きく変わらなかった。細かい部分を曖昧にせず、時間をかけてみっちりと作り上げていく澤先生の練習は大好きなのだが、そうして作られた本番での音楽の流れはなかなかのもの。特にドヴォルザークが良い。ただテンポはめっぽう速いし、余計なタメがないので、聴き手の好き嫌いははっきりと分かれたかもしれない。でも、奏者側がこの解釈をよく理解し、納得して弾いているという感じが、今聴いても伝わってくる。しかし、こうやって録音で聴くと、自分のダメな部分を突き付けられるようで辛いねぇ。特に「プルチネッラ」のヴァイオリン・ソロなんか、人に聴かせるレベルじゃないな。ドヴォルザークの第一ヴァイオリンの音程も相当悪いし。

さ、明日の練習はがんばろう。日曜日の夜だから、練習後にあまり飲めないのが残念だけど。
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theme : クラシック
genre : 音楽

tag : 演奏家_Mravinsky,E.A. 作曲家_Sibelius,J. Tango_Piazzolla,A. 演奏活動_かぶとやま交響楽団

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Yosuke Kudo

Author:Yosuke Kudo
B. モンサンジョン著『リヒテル』(筑摩書房, 2000)に、「音楽をめぐる手帳」という章がある。演奏会や録音などを聴いて思ったことを日記風に綴ったもので、実に面白い。

毎日のように音楽を聴いているにもかかわらず、その印象が希薄になる一方であることへの反省から、リヒテルに倣ってここに私も覚え書きを記しておくことにする。無論、リヒテルの深みに対抗しようなどという不遜な気持はない。あくまでも自分自身のために、誰に意見するわけでもなく、思いついたことをただ書きなぐるだけのことである。

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