【YouTube】ショスタコーヴィチ:交響曲第10番(デュトワ指揮)

1月15日の記事で紹介した第9番に続き、デュトワが指揮した交響曲の映像がYouTubeにアップされていた。演奏後まもなくNHK教育の「芸術劇場」で放送されたと思うが、うっかり見逃していただけにありがたく視聴させてもらった。

コンサートマスターの徳永二男氏をはじめ、様々なオーケストラで活躍している/していた奏者が随所に配置された特別編成のオーケストラは、機能的には優れており、とても良い音がしている。デュトワの棒にも、その意図を酌んだ的確な反応をしているものと見受けられる。要するに、プロの仕事としては十分に模範的な、水準の高い演奏と言ってよいだろう。

だがしかし、率直に言って、この演奏は好みでない。まず、徹底して美しい響きを求めるデュトワの姿勢が、この作品に対してはそぐわないように思われる。響きの背後にある切実な軋みのような“アク”が、この演奏には感じられない。同じ壮麗な響きでも、カラヤンではなくショルティに近い印象である。徹頭徹尾、不思議なまでに燃え上がることのない、不感症のようなオーケストラの演奏が、それに輪をかける。

こういう、ショスタコーヴィチから時代の刻印を拭い去ってしまうような解釈も、一つの方向としてありだとは思うが、やはりどうしても音楽の訴求力まで失われてしまうように感じられて仕方がない。それがショスタコーヴィチの弱みであると同時に、抗うことのできない魅力でもあるのだろう。

第1楽章(1)第1楽章(2)
第1楽章(3)第2楽章
第3楽章(1)第3楽章(2)
第4楽章(1)第4楽章(2)
ショスタコーヴィチ:交響曲第10番
デュトワ/宮崎国際音楽祭O(2006年5月14日 宮崎県立芸術劇場アイザックスターンホール)
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theme : クラシック
genre : 音楽

tag : 作曲家_Shostakovich,D.D.

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Yosuke Kudo

Author:Yosuke Kudo
B. モンサンジョン著『リヒテル』(筑摩書房, 2000)に、「音楽をめぐる手帳」という章がある。演奏会や録音などを聴いて思ったことを日記風に綴ったもので、実に面白い。

毎日のように音楽を聴いているにもかかわらず、その印象が希薄になる一方であることへの反省から、リヒテルに倣ってここに私も覚え書きを記しておくことにする。無論、リヒテルの深みに対抗しようなどという不遜な気持はない。あくまでも自分自身のために、誰に意見するわけでもなく、思いついたことをただ書きなぐるだけのことである。

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