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【YouTube】シニートケの室内楽曲など

フィラーモニカQの名は、初めて耳にした。彼らのHPを見ると、1985年に結成されたとあるから、ベテランと呼んでも差し障りはないだろう。ショスタコーヴィチの四重奏曲も第3番と第4番の録音をリリースしているようだが、不覚にも全く知らなかった。

シニートケの第1番は純粋に響きの可能性を追求しているような作品だけに、技術的に清潔な演奏でなければ聴くに堪えないと思われるが、フィラーモニカQはこの複雑で至難なスコアを見事なアンサンブルで弾きこなしている。一方で、若いエネルギーを叩きつけるような燃焼度にも不足せず、まずは模範的な演奏と言ってよいだろう。欲を言えば、デュナーミクの扱いに一層の精緻さを求めたいような気もする(たとえばmffのクレッシェンドなど)。

第1楽章第2~3楽章
シニートケ:弦楽四重奏曲第1番 フィラーモニカQ


シニートケの作品には異稿?(他編成への編曲)があるものも多いが、弦楽三重奏曲も後にピアノ三重奏曲に編曲され、むしろそちらが有名になっているような感がある。僕もピアノ三重奏曲は2種類の演奏を架蔵している一方で、弦楽三重奏曲はこの映像で初めて聴いた次第。響きの美しさという点では、僕はこの編成の方が好み。深く清らかで、それでいて情念の渦巻くようなシニートケの円熟した音楽世界を、腕達者の3人が鮮やかに描き出している。

シニートケ:弦楽三重奏曲
モロツ(Vn)、ウソフ (Va)、グートマン (Vc) (2009年12月1日 モスクワ音楽院大ホール)


『シュニトケとの対話』(春秋社, 2002)の中に、『ドクトル・ジバゴ』の「ジバゴの詩編」による歌曲の話題がある。シニートケはこの小説そのものに対してそれほど共感していないようだが、巻末の「ジバゴの詩編」だけは極めて高く評価している。「マグダラのマリア」という歌曲は、音楽がパステルナークの詩の水準に達していないと判断して、初演当日になって初演を撤回したものらしい。作曲者本人の判断は尊重されるべきだが、下の動画で視聴した限りでは、峻厳な美しさが印象的な佳品だと思う。少なくとも、埋もれさせておくには惜しい。

シニートケ:「マグダラのマリア」
E. Kichigina (S)、M. Haba (Pf) (2009年11月7日 モスクワ音楽院ラフマニノフ・ホール)


3月17日の記事以来、YouTubeで視聴することができるシニートケ作品の動画の中から気になったものを6回に渡って紹介してきたが、ひとまずこれで一段落とする。最後は、少し軽い感じの作品で楽しく終わってみたい。

1978年にモスクワのタガンカ劇場で上演された「検察官物語」(ゴーゴリを扱った劇)にシニートケが作曲した劇付随音楽を、ロジデーストヴェンスキイが8曲から成る組曲に編曲した「ゴーゴリ組曲」は、シニートケの作品の中でもわりと知名度が高いものの一つだろう。2台ピアノ用の編曲を誰がいつ行ったのかは知らないが、この編成での演奏頻度も決して低くはない。ゴーゴリの作品に関連のある曲名も楽しいが、引用?パロディ?だらけの音楽が、耳慣れた節が頻出することもあって素直に面白い。わが国でシニートケが紹介され始めた当初は“多様式主義”の一例として紹介されていたような気もするが(記憶違いかもしれない)、そうではなく、どちらかといえばショスタコーヴィチが映画音楽などで行っていた引用の延長上にあるように思える。

下の動画は、少々指回りに怪しい部分もあるが、まずは堅実な演奏と言ってよいだろう。ただ、生真面目な雰囲気が強く、作品の面白さを堪能するには至らないのが残念。もっとも、この編成では致し方のないところかもしれないが。

1.「序曲」・2.「チチコフの幼年時代」・3.「肖像」4.「外套」・5.「フェルディナンドVIII世」
6.「舞踏会」・7.「遺言」
シニートケ:修正主義者の物語
セレジェンコ、ダシャク (Pf)
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theme : クラシック
genre : 音楽

tag : 作曲家_Schnittke,A.G.

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Yosuke Kudo

Author:Yosuke Kudo
B. モンサンジョン著『リヒテル』(筑摩書房, 2000)に、「音楽をめぐる手帳」という章がある。演奏会や録音などを聴いて思ったことを日記風に綴ったもので、実に面白い。

毎日のように音楽を聴いているにもかかわらず、その印象が希薄になる一方であることへの反省から、リヒテルに倣ってここに私も覚え書きを記しておくことにする。無論、リヒテルの深みに対抗しようなどという不遜な気持はない。あくまでも自分自身のために、誰に意見するわけでもなく、思いついたことをただ書きなぐるだけのことである。

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