『東方正教会(文庫クセジュ)』/『続クラシック迷宮図書館(片山杜秀の本 4)』

  • クレマン, O.・冷牟田修二・白石治朗子(訳):東方正教会, 文庫クセジュ, 白水社, 1977.
  • 片山杜秀:続クラシック迷宮図書館(片山杜秀の本 4), アルテスパブリッシング, 2010.
ショスタコーヴィチに始まってソ連時代の音楽、そしてロシア音楽に興味を持ち、傾倒してきたわけだが、ふと振り返ってみると、ロシアの歴史や文化について何も知らないことに、今更ながら気づいた。大学受験は日本史だったこともあり、世界史に触れたのは高校3年の1年間だけ。それも、どこをやったのかすら記憶にないほどで、事実上、履修していないのに等しい。我ながら、どうして赤点じゃなかったのか、不思議で仕方ない。

ロシア音楽に限らず、西洋のクラシック音楽をより深く知ろうと思えば、こうした歴史や文化に関する知識がどうしても必要となる。それは、思想や主義の背景を理解するだけではなく、歌劇などの題材や、宗教音楽の構成など、数多くの音楽作品に関わってくることだ。J. S. バッハの作品に心理的な距離を感じたりするのは、たぶん、こうした自分の無教養に対するコンプレックスの裏返しなのだと思う。

そんなわけで、近年は気が向けば、意識的にその種の書物を読むようにしている。何がきっかけだったか忘れてしまったが、「正教って、何が違うの?」と思ったついでに、Amazonで一冊購入してみた。原著は1965年に出版されていることもあり、ブレジネフ以降のソ連・ロシアの状況を窺い知ることはできないが、古代ローマから中世に至る歴史や、キリスト教の考え方について(あくまでも正教会の立場から見たものではあるが)簡潔にまとめられた好著であった。正直なところ、聖書をまともに読んだことすらなく、信仰心のない異教徒にとっては退屈に感じられる部分も少なくないが、自分の頭の中では色んな線が一つに繋がったような感覚もあって、なかなか刺激的な経験をした。しばらく時間をおいて、同種の本をもう何冊か読んでみたい気もしている。



2月23日の記事で紹介した、片山杜秀氏の書評本の続刊が店頭に並んでいた。内容は先に刊行されているものと変わるところはない。僕自身が実際に読んだものはおろか、本屋などで見かけた記憶がある本は、ごく少数しか取り上げられていない。著者と嗜好が全く異なることもその一因なのだろうが、だからこそ、一冊を読み通すほどの興味を持てない文献の要点を、おそらくは文献そのものよりも面白く語ってくれるこの本は、僕にとって価値がある。

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genre : 本・雑誌

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Yosuke Kudo

Author:Yosuke Kudo
B. モンサンジョン著『リヒテル』(筑摩書房, 2000)に、「音楽をめぐる手帳」という章がある。演奏会や録音などを聴いて思ったことを日記風に綴ったもので、実に面白い。

毎日のように音楽を聴いているにもかかわらず、その印象が希薄になる一方であることへの反省から、リヒテルに倣ってここに私も覚え書きを記しておくことにする。無論、リヒテルの深みに対抗しようなどという不遜な気持はない。あくまでも自分自身のために、誰に意見するわけでもなく、思いついたことをただ書きなぐるだけのことである。

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