ショスタコーヴィチ:音楽舞踏劇「祖国」「ロシアの河」

  • ショスタコーヴィチ:交響曲第9番、音楽舞踏劇「ロシアの河」、音楽舞踏劇「祖国」 ティトーフ/サンクト・ペテルブルグSO他 (Northern Flowers NF/PMA 9976)
久しぶりに、HMV ONLINEで買い物をした。気になった音盤はとりあえず「お気に入りリスト」に登録してはいるのだが、その枚数が増えるにつれ、購買意欲が減退していくような今日この頃。

さて、この1枚は、「戦時の音楽1941-1945」というシリーズの第7巻である。他のアルバムもいずれ劣らぬ魅力的な内容なのだが、どれか1枚となれば、ショスタコーヴィチを選択せざるを得ない。

交響曲は、ごく普通の解釈で、余計なことをせずに、それでいて素直な高揚感のある気持ちの良い演奏である。技術面では、もう少しの洗練が欲しいところ。

この音盤の売りは、何と言っても2曲の音楽舞踏劇だろう。両曲ともにNKVD(内務人民委員部;のちのKGB)歌と踊りのアンサンブルが、国威発揚や前線の慰問などを目的として行ったショーのための音楽である。1970年に指揮者のシランティエフ(「祖国」の初演者)が戦勝25周年を記念し、これらに「勝利の春」を併せてオラトリオ「わが祖国」という作品を編集している。今までは、この録音でしか知ることのできなかった2曲の全貌が明らかになったという点で、大変貴重な録音である。

「祖国」は、ジャバーエフの「レニングラードよ、わたしはお前を誇りに思う」というモノローグ以外の4曲が組曲「レニングラード生まれ」としてまとめられているが、この録音で演奏されているのも組曲である。どの曲も「わが祖国」に収録されている(各曲の表題は変更されている)が、そちらではドルマトーフスキイの歌詞に替えられているために、本盤はオリジナルな形での初録音ということになる。一方、「ロシアの河」は全5曲中、紛失した第4曲「ワルツ」以外の4曲が演奏されている。「わが祖国」に収録されているのは第3曲「スターリングラードの戦い」と第5曲「終曲」(「勝利の春」作品72の第3曲と同じ)だけなので、こちらの方がよりレア感は高いだろう。「勝利の春」は「終曲」を除いた2曲の歌曲が既にCDでリリースされている(ピアノ伴奏ではあるが)ので、「音楽舞踊劇」三部作の全てをCDで聴けるようになったということだ。

この2曲の演奏はよく整った真摯なもので、楽曲の姿を知るには全く不足しない。ただ、この種の作品に伴う野卑ですらあるような土の香りには乏しいのが残念。特に合唱には、下品と紙一重の野性味が欲しいところ。

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theme : クラシック
genre : 音楽

tag : 作曲家_Shostakovich,D.D.

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Yosuke Kudo

Author:Yosuke Kudo
B. モンサンジョン著『リヒテル』(筑摩書房, 2000)に、「音楽をめぐる手帳」という章がある。演奏会や録音などを聴いて思ったことを日記風に綴ったもので、実に面白い。

毎日のように音楽を聴いているにもかかわらず、その印象が希薄になる一方であることへの反省から、リヒテルに倣ってここに私も覚え書きを記しておくことにする。無論、リヒテルの深みに対抗しようなどという不遜な気持はない。あくまでも自分自身のために、誰に意見するわけでもなく、思いついたことをただ書きなぐるだけのことである。

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