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【YouTube】カレートニコフ:交響曲第4番/ショスタコーヴィチ:ヴァイオリン・ソナタ

YouTubeで、面白い映像を見つけた。カレートニコフが自作の交響曲第4番を録音した際のリハーサルならびに通し演奏の様子を収録したものである。指揮はマツォフ。投稿者の説明によると、彼らの映像はこれが唯一のもののようである。

カレートニコフといえば、自身の回想録である『モスクワの前衛音楽家』(新評論, 1996)がすこぶる面白く、今まで何度となく読み返してきたが、音楽作品は実のところほとんど聴いたことがない。この交響曲第4番は1963年に作曲されたカレートニコフの代表作の一つらしく、ショスタコーヴィチの交響曲第13番の作曲・初演がこの前年であることを考えると、当時のソ連においてはかなり前衛的な音楽である。暗く陰鬱な響きにはロシアの伝統的な色合いが投影しており、深く瞑想に耽っているかのような音の運びはいかにも“悲観的”と批判されそうなもので、ショスタコーヴィチの影響が少なくないことも聴き取ることができる。この作品がショスタコーヴィチに献呈されているのも、故なきことではないだろう。

全編ロシア語のみで字幕が皆無なため、せっかくカレートニコフ自身がインタビューのような形で少なからず語っているにも関わらず、その内容がよくわからないのは残念。ただ、作曲当時のような若手ではなく、それなりに貫禄のある有名作曲家が練習中ずっと前をウロウロして事細かに指揮者に指示を出している様子は、この映像のタイトルにある通り“プロフェッショナル”な仕事ぶりを示しているとともに、ただでさえ訳のわからない曲を弾かされている上に、微に入り細に入りチェックされる演奏者の嘆息が聞こえてくるようで、面白い。

Part 1Part 2
Part 3Part 4
Part 5
Profession Composer: Nikolai Karetnikov(1991)




ショスタコーヴィチのヴァイオリン・ソナタはカレートニコフの交響曲から5年後の作品であるが、ショスタコーヴィチ作品の方が明らかに前世代の音楽という感は否めない。ただ、「プラハの春」前夜の不穏で緊張感をはらんだ社会情勢を反映したような楽曲の雰囲気にはどこか共通するものが感じられる。もっとも、両曲共に具体的な事件等を念頭においている訳ではないのだろうが。

YouTubeで視聴することのできるヴァイマンとヨッフェという夫婦の二重奏には、どこか開放的な気安さがある。これは夫婦だから、というよりは純粋にヴァイマンの個性であるような気がする。楽器の鳴らし方といい、何ともアメリカンな香りのする音楽ではあるが、D. オーイストラフの還暦祝いという作曲動機に相応しい祝賀的な要素が滲み出ているという点で興味深い演奏である。

第1楽章第2楽章
第3楽章(1)第3楽章(2)
ショスタコーヴィチ:ヴァイオリン・ソナタ
ヴァイマン (Vn)、ヨッフェ (Pf)
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theme : クラシック
genre : 音楽

tag : 作曲家_Karetnikov,N.N. 作曲家_Shostakovich,D.D.

comment

Secre

カレートニコフの

動画では、少年が冬枯れの荒野に佇む誰もいない石造りの建物の中を歩いていたり、ピーテル・ブリューゲルの《死の勝利》などの絵の部分が差し込まれていましたが、ほの暗い味わいの音楽が、これらの挿入とどう関わっているのかと考えながら見ていました。結局、見ているだけでは謎は全く解けませんでしたが。(^^;... しかし、僕は絵が好きなので、個人的には面白く見させていただきました。もし、音楽と挿入された画像の意味があるようでしたら教えてください。

ショスタコーヴィチのヴァイオリン・ソナタも素晴らしく、楽しませていただきました。この音楽にイメージしていた厳しさや哲学的な気分から離れたところの、どこか温かみのある演奏だと感じました。

Re: カレートニコフの

ウルスリさん、ご無沙汰しております。

さて、演奏中に挿入されているシーンですが、もしかしたらカレートニコフが交響曲の内容について語っている中で絵画などにも言及しているのかもしれませんね。ただ、おそらくは、単に楽曲のイメージを心象風景風に描いた演出なのでしょう。明確な意味はないような気がします。

ヴァイオリン・ソナタも面白い演奏ですよね。こういうのもアリだと思います。
プロフィール

Yosuke Kudo

Author:Yosuke Kudo
B. モンサンジョン著『リヒテル』(筑摩書房, 2000)に、「音楽をめぐる手帳」という章がある。演奏会や録音などを聴いて思ったことを日記風に綴ったもので、実に面白い。

毎日のように音楽を聴いているにもかかわらず、その印象が希薄になる一方であることへの反省から、リヒテルに倣ってここに私も覚え書きを記しておくことにする。無論、リヒテルの深みに対抗しようなどという不遜な気持はない。あくまでも自分自身のために、誰に意見するわけでもなく、思いついたことをただ書きなぐるだけのことである。

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