タネーエフ3題

  • ダルゴムィーシスキイ:ペテルブルグのセレナード、タネーエフ:無伴奏合唱曲(作品15、27より) サーンドレル/レニングラード放送cho (Melodiya C10-17571-2 [LP])
  • タネーエフ:弦楽四重奏曲第4番 タネーエフQ (Melodiya 33 C 10-08785-86 [LP])
  • タネーエフ:ピアノ三重奏曲、アリャービエフ:ピアノ五重奏曲 D. オーイストラフ (Vn) クヌシェヴィーツキイ (Vc) オボーリン (Pf) ベートーヴェンQ ギレリス (Pf) (Westminster XWN 18679 [LP])
12月4日および5日の記事の続き。Ars Antiqua / Mikrokosmos Mail Order Co.に今回注文した音盤の内、残る3枚はいずれもタネーエフ作品を収録したもの。

ダルゴムィーシスキイの「ペテルブルグのセレナード」は、民謡あるいは流行歌のような小曲をまとめたもの。全体にロシア音楽らしい音調が漂っており、グリーンカと“五人組”との間を繋ぐ、ダルゴムィーシスキイらしい作品と言えるだろう。一方、タネーエフ作品は5曲収録されているが、いずれも甘美なだけではなく、憂愁とでも形容すべき独特の仄暗さが魅力的。ムーソルグスキイやチャイコーフスキイを経て、いわゆる“ロシア音楽”が確立されたことを再確認させるような佳曲である。



タネーエフの弦楽四重奏曲は、作曲者によって番号が振られたものが6曲あるが、それ以前の習作にはその後の番号、すなわち第7~9番が与えられており、若干の混乱が生じている。この第4番は、ずっしりとした手応えのある大作である。形式的、作曲技法的に凝ってはいるものの、実際に演奏会場で聴くとなるとかなり冗長な気もするが、自宅でリラックスして聴く分には、陰鬱と言うにはあまりに甘美な抒情を楽しむことができる。とりわけ、第3楽章は素晴らしい。



タネーエフの作品中、ピアノ三重奏曲は演奏頻度の高い曲のようだ。わかりやすい楽想や技巧的に華麗なパッセージなどが存分に散りばめられているので、実演でも効果的なのだろう。オーイストラフ・トリオは、少々生真面目に過ぎる気はするが、劇的で引き締まった演奏は、この作品に相応しい。もちろん、ロシアの土の香りにも不足しない。ただ、翳りが感じられない音楽だけに、いかにも長い。むしろ、アリャービエフのピアノ五重奏曲が持つ屈託のない伸びやかな抒情が好ましく感じられた。ギレリス&ベートーヴェンQは、これぞロシア、という響き。

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theme : クラシック
genre : 音楽

tag : 作曲家_Taneyev,S.I. 作曲家_Dargomyzhsky,A.S. 作曲家_Alyabyev,A.A.

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Yosuke Kudo

Author:Yosuke Kudo
B. モンサンジョン著『リヒテル』(筑摩書房, 2000)に、「音楽をめぐる手帳」という章がある。演奏会や録音などを聴いて思ったことを日記風に綴ったもので、実に面白い。

毎日のように音楽を聴いているにもかかわらず、その印象が希薄になる一方であることへの反省から、リヒテルに倣ってここに私も覚え書きを記しておくことにする。無論、リヒテルの深みに対抗しようなどという不遜な気持はない。あくまでも自分自身のために、誰に意見するわけでもなく、思いついたことをただ書きなぐるだけのことである。

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