ショスタコーヴィチ:歌劇「鼻」(1979年DVD/ゲールギエフ指揮)

  • ショスタコーヴィチ:歌劇「鼻」 ロジデーストヴェンスキイ/モスクワ室内音楽劇場 (Vai 4517 [DVD])
  • ショスタコーヴィチ:歌劇「鼻」 ゲールギエフ/マリイーンスキイ劇場 (Mariinsky MAR0501 [SACD])
2010年11月24日27日12月6日および12日の記事の続き。HMV ONLINEでの今回の買い物はこれで最後、かつ今回紹介するDVDこそが、“目当て”の1枚である。腰を据えて映像を観る時間がなかなかとれず、結局年を越してしまった。

半年ほど前の新譜になるが、モスクワ室内音楽劇場による「鼻」の舞台がDVDでリリースされた。同曲の映像には1995年の公演がLDで出ていた(東芝EMI)が、このDVDはショスタコーヴィチ自身がリハーサルにも立ち会った1974年の復活初演から間もない、1979年のものである。

画質や音質についてとやかく言うつもりはないが、カメラワークが稚拙ですらあるのは少々残念。舞台の完成度も含めた映像としての総合点ならば、1995年のLDに軍配が上がるだろう。しかし、細かな演出や演技を磨きあげつつある過程ならではの猥雑な熱気とでもいった独特の雰囲気は、作品の持ち味と共鳴してとても魅力的である。これには、ロジデーストヴェンスキイ率いるオーケストラも大いに寄与している。1995年のLD(アグローンスキイ指揮)は、この沸き立つような趣きに欠ける。

特典映像は、リハーサル時(1974年)のショスタコーヴィチを収録したものと、ポクローフスキイが「鼻」について語ったものの2つ。どちらも数分程度のごく短い映像ではあるが、特に前者は、最晩年のショスタコーヴィチが最初期の作品を隅々まで記憶していたという証言を裏付ける貴重なもの。日本語字幕がないのは残念だが、それでもファン必携のアイテムと言ってよいだろう。

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長らく買いそびれていたゲールギエフの「鼻」も、この際に注文した。隅々まで丹念に磨きあげられ、よく整えられた美演である。オーケストラも声楽陣も、この曲のスコアをここまで滑らかに音化した演奏は、少なくとも現時点では他にない。ただし、いかにもゲールギエフらしい流麗な音楽が、この作品に相応しいものかどうかは意見がわかれるところだろう。

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theme : クラシック
genre : 音楽

tag : 作曲家_Shostakovich,D.D.

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Yosuke Kudo

Author:Yosuke Kudo
B. モンサンジョン著『リヒテル』(筑摩書房, 2000)に、「音楽をめぐる手帳」という章がある。演奏会や録音などを聴いて思ったことを日記風に綴ったもので、実に面白い。

毎日のように音楽を聴いているにもかかわらず、その印象が希薄になる一方であることへの反省から、リヒテルに倣ってここに私も覚え書きを記しておくことにする。無論、リヒテルの深みに対抗しようなどという不遜な気持はない。あくまでも自分自身のために、誰に意見するわけでもなく、思いついたことをただ書きなぐるだけのことである。

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