【録画】ブラームス:ピアノ四重奏曲第3番

  • ブラームス:ピアノ四重奏曲第2番より第1楽章、ピアノ四重奏曲第3番 樫本大進 (Vn) 川本嘉子 (Va) 趙静 (Vc) 小菅優 (Pf) (2010.6.10 録画 [NHK BS-hi(2011.2.21)])
  • ブラームス:ピアノ四重奏曲第3番 徳永二男 (Vn) 菅沼準二 (Va) 徳永兼一郎 (Vc) サヴァリッシュ (Pf) (1989.5.13 録画 [NHK ETV(1989.11.12)])
2010年10月24日2月6日の記事で紹介した放送に続き、今回の放送で、樫本大進他によるブラームスのピアノ四重奏曲全曲が揃った。

基本的には上質の演奏として楽しんだのだが、一方で、単なる好き嫌いとは異なる物足りなさも残った。その理由が、今回の第3番の第3楽章を聴いて分かったような気がする。要するに、フレーズがとても短く、音楽がぶつ切りになっているのだ。細かな表情は、常設の団体でないにもかかわらず、非常に丁寧に付けられているとさえ感じるのに、何とも惜しい。

ということで、手元にある同曲の別の映像を視聴してみた。それは、10年近く前に亡くなった祖母が生前に録画していたVHSテープである。とりたててクラシック音楽に興味などなかったはずだが、VHSデッキを買って間もない頃の録画なので、きっと機械操作の練習がてら、たまたま撮ったものなのだろう。

「サヴァリッシュ・N響室内楽の夕べから」と題された番組は、今となってはとても懐かしいN響の首席奏者達による演奏会である。芥川也寸志、木村尚三郎、なかにし礼の3氏がN響アワーをやっていた時代だ。これが、なかなか素敵な演奏なのである。サヴァリッシュの折り目正しく几帳面なピアノと、派手さはないが渋く味わいのある弦楽器の響きが、作品に相応しい。僕は特に菅沼準二のヴィオラに惹かれるが、それはあくまでも好みの話で、各個人の水準だけではなく、アンサンブルの完成度も非常に高い。彼らの表情はいかにも“お仕事”といった雰囲気の無愛想なもので、舞台を楽しんでいるかのような樫本らのそれとは正反対と言ってもよいだろう。さらに、樫本らが微に入り細に入り工夫を凝らしているのに対し、サヴァリッシュらの仕上げは、敢えて言えば何の変哲もない、ごく淡々としたものである。にもかかわらず、音楽から受ける感銘には大きな差がある。

若きブラームスの作品には、中年男性の演奏がよく似合う、といったところか。
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theme : クラシック
genre : 音楽

tag : 作曲家_Brahms,J.

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Yosuke Kudo

Author:Yosuke Kudo
B. モンサンジョン著『リヒテル』(筑摩書房, 2000)に、「音楽をめぐる手帳」という章がある。演奏会や録音などを聴いて思ったことを日記風に綴ったもので、実に面白い。

毎日のように音楽を聴いているにもかかわらず、その印象が希薄になる一方であることへの反省から、リヒテルに倣ってここに私も覚え書きを記しておくことにする。無論、リヒテルの深みに対抗しようなどという不遜な気持はない。あくまでも自分自身のために、誰に意見するわけでもなく、思いついたことをただ書きなぐるだけのことである。

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