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ショスタコーヴィチ編:ポルカ「観光列車」

  • ROSTROPOVICH RETURN TO RUSSIA(チャイコーフスキイ:交響曲第6番、J. シュトラウスⅡ(ショスタコーヴィチ編):ポルカ「観光列車」、グリーグ:「ペール=ギュント」第1組曲より「オーゼの死」、パガニーニ(マクリス編):無窮動、プロコーフィエフ:「ロメオとジュリエット」第1組曲より「タイボルトの死」、ガーシュイン(コステラネッツ編):映画音楽「踊らん哉」より「ウォーキング・ザ・ドッグ」、スーザ:星条旗よ永遠なれ ロストロポーヴィチ/ナショナルSO (Sony SK 45836)
  • ショスタコーヴィチ:J. シュトラウス「観光列車」の編曲, DSCH, 2009.
  • ショスタコーヴィチ:組曲「ムツェンスク郡のマクベス夫人」/歌劇「カテリーナ・イズマーイロヴァ」の5つの間奏曲/歌劇「カテリーナ・イズマーイロヴァ」の間奏曲(演奏会版), 新全集第69巻, DSCH, 2009.
  • ショスタコーヴィチ(ボリソーフスキイ編):4つの小品(映画音楽「馬あぶ」より), DSCH, 2009.
2ヶ月ほど前のことだが、DSCH-L(ショスタコーヴィチに関連する話題のメーリングリスト)にショスタコーヴィチによるJ. シュトラウスのポルカ「観光列車」の編曲が話題に上ったことがあった。たまたま流し読みしていた記事の中に、1990年にロストロポーヴィチがソ連に一時帰国して行った凱旋公演の録音に、この曲が収録されているとの情報を見つけ、虚を突かれた思いがした。マイナーな音盤でもないのに、なぜ今に至るまでその存在自体を知る機会すらなかったのだろう。いかにもメジャーどころのチェック漏れは恥ずかしい限りだ。早速Amazonのマーケットプレイスで注文。

ロストロポーヴィチの演奏は、率直なところ、この作品の録音としては重要度が低いと言わざるを得ない。ショスタコーヴィチのオーケストレイションは特に強調されず、ごく普通のシュトラウスのポルカとして演奏されている。優雅な雰囲気はあまり感じられないが、いかにもアンコールといった風情の楽しげな音楽は悪くない。しかしながら、敢えてショスタコーヴィチ版を採用した必然性は感じられない。

メインの「悲愴」や他のアンコール曲も、ロストロポーヴィチの熱烈なファン以外には、収録されている聴衆の熱狂にもかかわらず、印象は薄いだろう。



さて、せっかくの機会だったので、この編曲のスコアも入手してみた。楽曲の由来に関する詳しい解説(後日、ラフな和訳をエントリーする)は、DSCH社の出版譜に共通する豊富な情報量を持ったもの。この編曲をバレエ作品として位置づける考え方には、全面的に賛同する訳ではないが、十分に納得することはできる。

ついでに、もう2冊注文した。

DSCH社の新全集から、今回は「マクベス夫人」の間奏曲集を入手。「ムツェンスク郡のマクベス夫人」作品29と「カテリーナ・イズマーイロヴァ」作品114との細かな差異については、未だに総譜できちんと確認したことがない。間奏曲だけでもその一端が分かるかもしれないと注文してみたもの。てっきり作品114aとして知られる「5つの間奏曲」だけかと思っていたら、作品29a(と便宜的に番号がつけられた)の「組曲」と、マクシームの依頼でアレンジされた第6場と第7場の間奏曲(作品114bとされている)も収録されていた。

作品114aは、次のような構成である:
  1. 第1場と第2場の間奏曲
  2. 第2場と第3場の間奏曲
  3. 第4場と第5場の間奏曲
  4. 第6場と第7場の間奏曲
  5. 第7場と第8場の間奏曲
この番号を使うと、作品29aは2.→5.→4.という構成になっている。ここで興味深いのは、作品114aは当初「“4つの”間奏曲」で、曲順は1.→2.→5.→4.となっていたこと。ロジデーストヴェンスキイが1962年9月4日のエジンバラ音楽祭でこの曲を初演した際には、この4曲版であった(BBC Ledends BBCL 4220-2)。要するに、作品114aは作品29aの改訂版といった位置づけになるのだろう。オーケストレイションの変更も、2.のシロフォンが削除されるなどの大きなものも含めて、楽曲の印象が大幅に変わるような類のものではない。これらのことは、「マクベス夫人」の改訂が政治的な圧力というよりはむしろ、純粋に芸術的見地からの修正であるとする、近年の説を裏打ちするようにも思われる。

「馬あぶ」からの4曲を、ベートーヴェンQのヴィオラ奏者ボリソーフスキイが編曲したものは、かつて音盤で聴いて(2006年2月1日の記事)、一度弾いてみたいと思っていた。技術的な難易度も、自宅で遊ぶ分にはちょうど良い。何よりも、珍しく“分かりやすい”曲を弾いていると、周囲が勝手に騙されてくれるのがありがたい。
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theme : クラシック
genre : 音楽

tag : 作曲家_Shostakovich,D.D.

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Yosuke Kudo

Author:Yosuke Kudo
B. モンサンジョン著『リヒテル』(筑摩書房, 2000)に、「音楽をめぐる手帳」という章がある。演奏会や録音などを聴いて思ったことを日記風に綴ったもので、実に面白い。

毎日のように音楽を聴いているにもかかわらず、その印象が希薄になる一方であることへの反省から、リヒテルに倣ってここに私も覚え書きを記しておくことにする。無論、リヒテルの深みに対抗しようなどという不遜な気持はない。あくまでも自分自身のために、誰に意見するわけでもなく、思いついたことをただ書きなぐるだけのことである。

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