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ショスタコーヴィチ、ティーシチェンコ、シチェドリーン、シェバリーン

  • ショスタコーヴィチ:交響曲第10番 ヴォディチコ/ワルシャワPO (Eterna 8 20 127 [LP])
  • ファーリク:ヴァイオリン協奏曲、ティーシチェンコ:ヴァイオリン協奏曲第1番(第2版) リーベルマン (Vn) セローフ/レニングラードCO、フェドートフ/レニングラードPO (Melodiya C10-08787-88 [LP])
  • シチェドリーン:オラトリオ「人民の心の中のレーニン」、パラシオ:カンタータ「レーニン」、エシパーイ:カンタータ「レーニンと私たち」、ホールミノフ:カンタータ「レーニンは生きている」 エイゼン (B) ムンチャン、タルナフスカヤ (Pf) ロジデーストヴェンスキイ/モスクワ放送SO & cho、ユルローフ/ロシア共和国cho.、グスマン/モスクワ放送SO & cho. 他 (Melodiya CM 02499-500 [LP])
  • シェバリーン:喜歌劇「じゃじゃ馬馴らし」 ヴィシネーフスカヤ (S) エイゼン (B) ハラバラ/ボリショイ劇場O & cho.他 (Melodiya D 04510/15 [LP])
Ars Antiqua / Mikrokosmos Mail Order Co.からの、7月到着分。今回は、いずれも聴き応えのあるアルバムばかりであった。

ヴォディチコは第二次世界大戦後のポーランドを代表する指揮者とのことだが、その名に恥じぬ、雰囲気のある演奏を聴かせてくれる。ショスタコーヴィチの第10交響曲には、東欧の演奏者の魂を揺り動かす何かがあるのかもしれない。オーケストラがその技術的な限界で格闘することでもたらされる凄みは、シルヴェストリ盤やカラヤン/ドレスデン・シュターツカペレのライヴ盤などに共通するものがある。この二者に比べると、古典的な佇まいを保とうとする節度が、ヴォディチコ盤の特徴ということになるだろう。それでも洗練には程遠いのだが、一聴の価値はある佳演と言ってよいだろう。


ティーシチェンコのヴァイオリン協奏曲は、師ショスタコーヴィチよりもプロコーフィエフの影響を感じさせる、独特の美感をもった響きと旋律線が印象的である。ただ、全曲を覆う内省的な抒情は単調さと紙一重でもあり、聴き手によって好き嫌いは分かれるだろう。その点で、カップリングされているファーリクの協奏曲は各楽章の性格が多彩で面白い。レニングラードPOの名コンサート・マスター、リーベルマンの独奏は、非の打ち所がない見事なもの。


レーニン賛美のカンタータ集は、シチェドリーンの「人民の心の中のレーニン」を聴くことが目的。いかにもな強奏で始まるのだが、シチェドリーン独特の硬質で透明感のある響きのせいで、常に醒めた風情がつきまとい、時に哀しさすら感じさせる個性的な作品と思った。合唱をはじめとする声楽の扱いが非凡で、前衛的な体制賛美という相反する要求に対して、独創的かつ立派に応えている。その題材ゆえに埋もれさせておくには惜しい、優れた音楽作品であろう。ソ連崩壊から20年が経ち、“あの時代”の残滓も辺境の国、日本で断末魔の醜態をさらすばかり(日本人にとっては迷惑このうえない話ではあるが)となった今なら、この作品を蘇演することも可能ではないだろうか。他の収録曲も面白いが、シチェドリーンに比べると常識的な範疇にとどまっている。


シェバリーンの代表作「じゃじゃ馬馴らし」の全曲盤も、入手することができた。シェイクスピアの原作は未読なので、付属の解説書に掲載されていたあらすじを記しておく:
【第1幕】
パドヴァの豪商バプティスタには、2人の娘がいる。長女がカタリーナで、次女がビアンカである。カタリーナは怒りっぽく口やかましい性格であり、一方のビアンカは柔和で無邪気であった。

ビアンカには、多くの求婚者がいたが、誰も彼女を手に入れることができないでいた。彼女の父バプティスタには、長女が結婚するまでは次女を結婚させないと誓う。しかし、カタリーナと結婚したいと望む者がいなかったので、ビアンカは独身のまま死んでしまうのではないかと怯える。彼女の求婚者達、元気なルーセンシオと素朴なホルテンシオが、突然ペトルーキオのところに駆け込んでくる。ペトルーキオは、儲け話を探しにパドヴァにやってきた貧しい貴族である。カタリーナの怒りっぽい気性は、剛胆なペトルーキオにとって恐れるに足らなかった。そこで彼は、一ヶ月の間にカタリーナを飼い馴らすという賭をする。

ペトルーキオはバプティスタを訪ねる。ホルテンシオとルーセンシオも一緒である。彼らは音楽教師と偽る。それが、愛しいビアンカに会うための唯一の方法だった。ペトルーキオはカタリーナに紹介さるものの彼女は彼のことを嘲笑する。しかし彼はひるむことなく、驚いているバプティスタに父親として祝福してくれるように頼む。カタリーナは結婚を誓い、翌日には式を挙げる運びとなる。
【第2幕】
奇妙な結婚式の参列者達が、バプティスタの家へと急いでいる。全てが喧噪に包まれていた。新郎のペトルーキオは現れず、カタリーナは面目を失い、ビアンカは失望する。ビアンカの結婚は、延期されることになるだろう。

ペトルーキオはぼろぼろのスーツに壊れた帽子を纏い、困惑してさまよっていた。カタリーナはこの衣装を受け入れないだけでなく、彼の祖母のみすぼらしい形見であるウェディングドレスを着ることもしないに違いない。式の後でペトルーキオは招待客を席に座らせ、直ちにここを出発し、カタリーナの反抗を馴らすために強制力を発揮するつもりだと語る。

新婚の2人がペトルーキオの家に到着した時、外は嵐が吹き荒れていた。カタリーナはへとへとになるが、ペトルーキオは彼女に休息を与えない。彼の気まぐれには終わりがなかった。しかし、ペトルーキオの従者グレミオがカタリーナを嘲笑しようとすると、彼女は我慢がならず、嵐の寒い夜であるにもかかわらず、怒りにまかせて飛び出してしまう。

ペトルーキオは心の底から心配して、すぐに彼女を追いかける。彼は彼女を腕に抱えて家に戻る。しかし、彼女が意識を戻すとすぐに彼は素っ気ない振りをして、彼の若妻に背中を向けてしまう。
【第3幕】
一ヶ月が経った。カタリーナとペトルーキオは互いに愛し合っていたが、どちらも先に折れるつもりはなかった。

しかし、ペトルーキオは自分の悪ふざけを続けることはできなかった。彼はカタリーナに対する自分の愛を告白し、彼女の勇気、誇り、そして強さを賞賛する。彼女がまさに答えようとした時、突然の客がやって来る。

客は、バプティスタとビアンカ、そして彼女の夫となったルーセンシオであった。彼らは、ペトルーキオが自ら決めた期間の内に、自分の妻を手懐けることができたかどうかを確かめるために押しかけたのだ。ルーセンシオはペトルーキオに賭けをもちかける。自分の妻を呼びつけ、最初にやってきた方がより従順なのだから、その夫を賭けの勝者としようと提案した。

おとなしいビアンカが夫の呼び出しに応じず、気性の荒いカタリーナがすぐにやって来たのを見て、客人達はとても驚いた。これが、ペトルーキオの告白に対する彼女の答えであった。彼女は彼を愛しているのだ!

近代フランス音楽のような響きと民族音楽風の素朴なロシア情緒とがバランスよく両立した、シェバリーンの個性が存分に発揮された作品である。シェバリーンの代表作とされるのも当然だろう。

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theme : クラシック
genre : 音楽

tag : 作曲家_Shostakovich,D.D. 作曲家_Tishchenko,B.I. 作曲家_Shchedrin,R.K. 作曲家_Shebalin,V.Y.

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Yosuke Kudo

Author:Yosuke Kudo
B. モンサンジョン著『リヒテル』(筑摩書房, 2000)に、「音楽をめぐる手帳」という章がある。演奏会や録音などを聴いて思ったことを日記風に綴ったもので、実に面白い。

毎日のように音楽を聴いているにもかかわらず、その印象が希薄になる一方であることへの反省から、リヒテルに倣ってここに私も覚え書きを記しておくことにする。無論、リヒテルの深みに対抗しようなどという不遜な気持はない。あくまでも自分自身のために、誰に意見するわけでもなく、思いついたことをただ書きなぐるだけのことである。

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