シュペーテ弦楽四重奏団第1回公演を終えて


9月末は公私ともに色々とあって、早2週間が経ってしまったが、ようやく録音や録画の整理もできたところで、シュペーテ弦楽四重奏団の旗揚げ公演の反省と総括を。

京都公演は約150名、西宮公演は約100名の方々にご来場いただき、当初は両会場とも50名程度の集客を目指していた我々としては、嬉しい誤算の中で演奏させていただくことができ、幸せであった。連休の最中、とりわけ京都公演は時折雨がぱらつく曇天であったにもかかわらず、わざわざ足をお運びくださった皆様に、心より感謝申し上げます。

室内楽の和気藹々とした雰囲気を大事にしたいということで、入場無料を大前提とし、できる範囲で無理なくこじんまりとした演奏会にしたいという我々の企画意図は、聖アグネス教会カトリック夙川教会の多大なるご支援のもとに、十二分に達成できた。両教会の関係者の皆様に、この場を借りて深く御礼申し上げます。

演奏会のマネジメントとしては、全てを4人で分担したため、特に当日は行き届かないところも多かった。聴きに来てくださった知人の皆様方から忌憚のないご意見をいただき、次回以降はより洗練された運営を目指していきたいところである。

4人で1時間半程度のプログラムを仕上げて一つの演奏会をやり通すということは、一介のアマチュア奏者にとって荷の重い、無謀極まりない挑戦であった。とにもかくにも演奏会を実現し、大過なく終えることができたことについては、満足している。そして、演奏会という目標を向かって集中的に練習を積めたことが、何よりも愉しかった。

本番は、特に京都公演の前半で、(少なくとも僕は)今まで経験したことのないほどの緊張に見舞われ、必ずしも思ったような演奏ができたわけではないが、現段階の実力に相応の内容だったのだろうと思う。京都公演のモーツァルトは全楽章通してテンポが不安定だったが、精神的には若干の余裕があった西宮公演ではテンポは改善したものの技術的な事故が多発しており、トータルとしてはどっこいどっこいといったところか。学生時代にプロ・アルテQの古い録音で聴いた第2楽章の濃厚なロマンに惹きつけられて以来、ハイドン・セットの中でも偏愛している曲だが、その第2楽章については、技術上の制約はともかく、イメージしていた音楽を奏でることができたと満足している。

ヴェーベルンについては、西宮公演でテンポが少しゆったりしたためにフレーズのつなぎ目に若干の軋みが生じたことは反省点。録画を観る限りは京都公演の方が整っていたように思う。ただ、両公演ともに「ヴェーベルンが面白かった」という感想を持ってくれた人も多いようで、選曲は成功したといってよいだろう。

ベートーヴェンでは、作品の偉大さを思い知らされたというのが、率直な感想。全力でその音楽に挑みかかるも、門前払いをくらった気分。とはいえ、たとえ表面をなぞっただけに過ぎないとしても、この素晴らしい作品に時間をかけて取り組んだこと自体が、我々にとっての財産である。

教会で行う演奏会ということもあって、最初に3月の震災で被災した方々への祈りを込めてモーツァルトの「アヴェ・ヴェルム・コルプス」を演奏したが、京都公演では緊張のし過ぎで、西宮公演では出だしのテンポ設定に失敗したせいで、どちらもあまり満足できる出来ではなかった。最初に演奏すべき曲ではないのかもしれない。

アンコールは、モーツァルトの第14番の第3楽章と、聖歌「主よみもとに」の2曲。これらは、概ね無難な仕上がりだったと思う。聖歌の最後にアーメン終止をつけなかったのは、聖公会の流儀に従ったもの。

結局のところ、個人にしてもアンサンブルにしても、音程やリズムといったごく基礎的な技術の向上が必要であるということを痛感した。メンバーはそれぞれに多忙ではあるのだが、これからもこの活動を末永く継続し、わずかずつであろうとも技術や音楽を磨いていきたいと、決意を新たにした。


京都と西宮で2公演行った理由は、メンバーの居住地が京都と阪神間に分かれているからだが、2公演というシステムは我々にとって得るものが大きかった。可能な限り、次回以降もこの体制で続けていきたい。第2回公演は来年4月頃を予定しているが、カトリック夙川教会は改修工事のために利用させていただくことが叶わない。現在、会場選定中だが、次回公演の計画が決まりましたら本ブログでも告知させていただきますので、是非また足をお運びくださいますよう、お願い申しあげます。
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theme : クラシック
genre : 音楽

tag : 演奏活動_DasSpäteQuartett

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Yosuke Kudo

Author:Yosuke Kudo
B. モンサンジョン著『リヒテル』(筑摩書房, 2000)に、「音楽をめぐる手帳」という章がある。演奏会や録音などを聴いて思ったことを日記風に綴ったもので、実に面白い。

毎日のように音楽を聴いているにもかかわらず、その印象が希薄になる一方であることへの反省から、リヒテルに倣ってここに私も覚え書きを記しておくことにする。無論、リヒテルの深みに対抗しようなどという不遜な気持はない。あくまでも自分自身のために、誰に意見するわけでもなく、思いついたことをただ書きなぐるだけのことである。

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