少し前の話題盤などをまとめて

  • ドヴォルザーク:ミニアチュア、2つのワルツ、バガテル、弦楽四重奏楽章、弦楽四重奏のための「糸杉」より、弦楽のためのノットゥルノ パノハQ (Supraphon SU 3391-2 131)
  • ショスタコーヴィチ:ヴァイオリン協奏曲第1番、カンチェーリ:ヴァイオリン、弦楽合奏とテープのための「V & V」、ショスタコーヴィチ(T. バティアシヴィリ編):「人形たちの踊り」より「抒情的ワルツ」、ペルト:鏡の中の鏡、ラフマニノフ:ヴォカリーズ バティアシヴィリ (Vn) グリモー (Pf) サロネン/バイエルン放送SO (DG 477 9299)
  • ショスタコーヴィチ:交響曲第14番 コルパチェヴァ (S) ミグノフ (B) クルレンツィス/ムジカエテルナ (Alpha ALPHA 159)
  • グリーンカ:歌劇「ルスラーンとリュドミーラ」序曲、チャイコーフスキイ:交響幻想曲「フランチェスカ・ダ・リーミニ」、ショスタコーヴィチ:交響曲第5番、スヴィリードフ:「吹雪」より「ワルツ」、ハチャトゥリャーン:「スパルターク」第2組曲より「スパルタークとフリーギアのアダージョ」、「ガヤネー」第3組曲より「剣の舞」、チャイコーフスキイ:スラヴ行進曲、交響曲第5番 スヴェトラーノフ/ソヴィエト国立SO (NHK NSDS-9488 [DVD])
  • ショスタコーヴィチ:交響曲第10番 テミルカーノフ/ヴェルビエ音楽祭O (EuroArts 3079138 [DVD])
  • ウェーバー:歌劇「オベロン」序曲、ショスタコーヴィチ:ヴァイオリン協奏曲第1番、J. S. バッハ:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第1番より第4楽章、ドヴォルザーク:交響曲第8番、スラヴ舞曲第15番 ハーン (Vn) M. ヤンソンス/ベルリンPO (EuroArts 2050448 [DVD])

自分で演奏する必要に迫られてCDを探していたところ、折りよくセールの案内メールが届いたので、久し振りにHMV ONLINEで買い物。マルチバイのセールだったので、予定よりも少し多めにオーダーしてしまった。全て揃うまでに2ヶ月弱ほどかかったが、思ったより早く届いたという印象である。

来年の春、ちょっとした演奏会に弦楽四重奏で出演を打診されたのだが、諸事情でチェロ抜きの編成となってしまった。こういう時はドヴォルザークかコダーイというのが定番だが、ドヴォルザークには同編成でもう1曲ある。「4つのロマンティックな小品」作品75の原曲である「ミニアチュア」作品75aが、それだ。編成に起因する演奏頻度の差のせいで、編曲まがいの作品番号を与えられてはいるが、ピアノでは得られない清澄な響きは見過ごすに忍びない。最終曲の終わり方ゆえに演奏会で取り上げ辛いのは確かだが、とりあえず練習だけはしておこうと、その参考に選んだのが、パノハQによるドヴォルザークの作品集。「ミニアチュア」以外はどれも聴いたことのある作品ばかりだが、派手さはないものの伸びやかな歌心が魅力的な佳品揃いで、お得感のある内容だ。パノハQの演奏は、スメタナQの系譜に連なる音色やイントネーションがどこか懐かしく、肩の力を抜いて身を音楽に委ねることができる。

HMVジャパン


N響の第1637回定期公演(2009年5月9日および11月14日のエントリー)で見事な演奏を聴かせてくれたバティアシヴィリが、その時と同じショスタコーヴィチの協奏曲第1番を録音した音盤は、リリースされてから少し時間が経ってしまったが、このまま聴かずに済ます訳にもいかず、この機会にオーダー。

過剰な思い入れが溢れる訳でも、過度に感情を排する訳でもなく、まさに古典的な造形の中に整然とまとめられた演奏である。このバランスの良さは、ショスタコーヴィチの音楽が、今やその時代背景から自由になったことの証左であろう。凛として、かつ線の細さのないバティアシヴィリのヴァイオリンは、それだけで十分に魅力的であるだけに、こうした現代的な解釈に相応しい。サロネンの指揮も同様の印象だが、少し大人しいようにも感じる。

このアルバムに収録された他の作品でも、バティアシヴィリの美質は余すところなく発揮されている。特にペルトの「鏡の中の鏡」は、同曲の決定盤と言いたくなるような名演。ショスタコーヴィチの「抒情的ワルツ」は、編曲に不満が残った。

HMVジャパン


第48回レコードアカデミー賞(2010年)で交響曲の部門賞を獲得したクルレンツィス指揮の交響曲第14番は、毀誉褒貶の激しい同賞には珍しく各所で絶賛されていたことから気にはなっていたのだが、これ以上入手する機を逸する訳にもいかず、今回オーダーしたもの。ライナーノーツの写真を見ると、古楽器を使用している団体のようだが、ここでは全てを古楽器で演奏しているのではなさそうだ。ただし、控えめなヴィブラートをはじめとして、明らかにモダン楽器の流儀とは異なった風合いを持った響きである。豊饒な響きではないがゆえに、個々の音が持つ鮮烈さが際立つ表現主義的な演奏に仕上がっており、作品の本質に深く合致した音楽が紡ぎ出されている。2人の歌手もオーケストラと一体となって、非常に訴求力のある歌唱を聴かせる。楽曲にのめり込んで同化するようなタイプの熱演とは正反対で、スコアから浮かび上がる多彩な表情を余すところなく自然に、しかし繊細に音化し切った名演である。世評の高さも当然で、時代の刻印と無縁のショスタコーヴィチ演奏としては、最上級のものと言ってよい。もっと早く聴いておくべきだった。

HMVジャパン

DVDもマルチバイの対象だったので、目に付いたものを適当にオーダー。

まずは、価格が少し高めだったことから長らく買いそびれていたスヴェトラーノフの1987年5月25日(東京文化会館)と1997年4月21日(サントリーホール)の来日公演を。上述したバティアシヴィリやクルレンツィスとは異なり、時代のノイズをたっぷりと含んだスヴェトラーノフ/ソヴィエト国立SOの音は、やはり僕の耳に懐かしく響く。ただ、スヴェトラーノフは基本的に単純な音楽作りをするタイプだけに、このDVDのようにオーケストラの音に広がりが感じられない録音では、その魅力が半減してしまう。アンコールの「スパルタークとフリーギアのアダージョ」だけは録音のハンデを超えて彼らの真骨頂が発揮されているものの、他はいずれも物足りなさが残った。

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テミルカーノフ指揮の交響曲第10番は、第16回ヴェルビエ音楽祭(2009年)でのライヴ。若手演奏家で構成された祝祭管弦楽団を前に睨みをきかせる芝居がかった仕草は、率直に言って好ましく思わなかったが、最初の一音から異様な熱気と緊張感に満ちた音が絞り出されているのは確か。ソ連時代のテミルカーノフを彷彿とさせる壮絶な大熱演は、聴き手の本能に強く訴えかけてくる。細部の表現力には若干の物足りなさもあるが、一気呵成な音楽の運びはそうした不満を嘲笑うかのよう。非常に満足度の高い演奏である。

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M. ヤンソンス/ベルリンPOの日本公演(2000年11月26日)ではハーンの独奏でショスタコーヴィチのヴァイオリン協奏曲第1番が演奏され、NHKで放送もされた。恐らくはその放送と同一の映像がDVDとなってリリースされていた。VHSで録画していたのだが、せっかくなので確保。アンコールも含む全ての曲において、“世界一”の楽団の貫録が空間を支配する贅沢な演奏会といった風情である。

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Yosuke Kudo

Author:Yosuke Kudo
B. モンサンジョン著『リヒテル』(筑摩書房, 2000)に、「音楽をめぐる手帳」という章がある。演奏会や録音などを聴いて思ったことを日記風に綴ったもので、実に面白い。

毎日のように音楽を聴いているにもかかわらず、その印象が希薄になる一方であることへの反省から、リヒテルに倣ってここに私も覚え書きを記しておくことにする。無論、リヒテルの深みに対抗しようなどという不遜な気持はない。あくまでも自分自身のために、誰に意見するわけでもなく、思いついたことをただ書きなぐるだけのことである。

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