『アレンスキー ―忘れられた天才作曲家―』(ユーラシア・ブックレット, 2011)

仕事の電車移動の合間に、暇潰しに読む本を探して入った書店で見つけたもの。ここのところ、アレーンスキイの作品を聴く機会が増えてきている(あくまでも個人的に、音盤購入という形で)ので、僕にとっては時宜にかなった一冊である。64ページという頁数は一往復で読み切るのにちょうど良い分量だが、内容は決して軽くはない。

伝記と作品紹介の二部構成であるが、名前すら広く知られているとは言い難い作曲家だけに、どちらも日本語で読めるというだけでも十分に貴重な情報源である。生涯は一通り辿られているが、作品の方は音盤が入手可能なものが主に取り上げられ、決して多くはない全作品を俯瞰するような記述がないところが、あえて言えば不満な点。もちろん“ブックレット”という性格上、いささか筋違いな不満であることは分かっている。

チャイコーフスキイとラフマニノフを繋ぐ世代の重要作曲家として、アレーンスキイやタネーエフにはもう少し光が当てられてもよいと思う。特にアレーンスキイの作品は、いわゆるロシア音楽ならではの聴きやすさも満載なので、演奏会のレパートリーとしても魅力的なはず。この「忘れられた天才作曲家」を広く知らしめる上で、本書はコンパクトながらも十分な内容を持っている。

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theme : クラシック
genre : 音楽

tag : 作曲家_Arensky,A.S.

comment

Secre

ごもっとも!

主様の意見に同意です。

確かにそうだと納得です。

日本では佐村河内守が天才作曲家として歴史に残るでしょう。
プロフィール

Yosuke Kudo

Author:Yosuke Kudo
B. モンサンジョン著『リヒテル』(筑摩書房, 2000)に、「音楽をめぐる手帳」という章がある。演奏会や録音などを聴いて思ったことを日記風に綴ったもので、実に面白い。

毎日のように音楽を聴いているにもかかわらず、その印象が希薄になる一方であることへの反省から、リヒテルに倣ってここに私も覚え書きを記しておくことにする。無論、リヒテルの深みに対抗しようなどという不遜な気持はない。あくまでも自分自身のために、誰に意見するわけでもなく、思いついたことをただ書きなぐるだけのことである。

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