ムラヴィーンスキイの「1917年」初演ライヴ/クイケンQのハイドン

  • ショスタコーヴィチ:交響曲第12番、アルテュニャーン:祝典序曲 ムラヴィーンスキイ/レニングラードPO (Venezia CDVE 04405)
  • ハイドン:弦楽四重奏曲第81~83番 クイケンQ (Denon COCO-70845)
2か月以上前のことになるが、HMV ONLINEで、新譜を中心に3点購入。ここのところブログを放置していたので、感想をアップするのをすっかり失念していた(^^;

同時代の演奏家による歴史的な録音の発掘にも一段落ついた感のあるショスタコーヴィチだが、ムラヴィーンスキイによる交響曲第12番の初演ライヴという大物がリリースされた。初演が作曲当時に作曲家の考えていた作品の姿を再現しているとは必ずしも言えないが、ショスタコーヴィチのように多くの聴衆が新作の初演を期待していた作曲家の場合は、初演ライヴが他の幾多の名演をもってしても置き換えることのできない独特の昂奮と緊張感とを孕んだ記録であることに異論はないだろう。

この第12番の異様に速く、猛烈なエネルギーが随所で暴発する演奏は、まさに初演ライヴの醍醐味を凝縮したかのような内容である。ライヴならではの技術的な瑕疵は決して少なくないが、当時の最高水準の演奏家が奏でる猟奇的な轟音の突進は、毀誉褒貶のあるこの曲の真価を聴き手に突きつけているかのようですらある。録音状態からしても今となってはヒストリカル音源であるが、近年の現代的な演奏解釈を好むファンの心も揺さぶるに違いはない、多くの聴き手にとって一聴の価値がある録音である。

アルテュニャーンはさらに録音状態が悪いので、さすがにムラヴィーンスキイ・マニア向けの歴史的な意義の方が上回ってしまう。演奏は、やはりムラヴィーンスキイとしか言いようのない引き締まった響きと振幅の大きな表現が素晴らしい。

HMVジャパン

私が参加しているシュペーテQの次回公演(9月の予定でしたが、諸般の事情で来年4月となりました)で、ハイドン最後の弦楽四重奏曲(未完)を演奏する予定になっている。既に複数の演奏を勉強しているが、まだ聴いたことのなかったクイケンQの演奏をオーダー。ピリオド楽器ならではのアーティキュレイションやデュナーミク、音の処理など、モダン楽器しか弾けない我々の直接的な参考にはならないことも少なくないものの、その鄙びた古風な響きが主張する、前衛的ですらある情熱の発露は、最晩年のハイドンが音楽史上に占める位置を再認識させてくれる。味わいのある素晴らしい演奏である。

HMVジャパン

もう一枚は、サロネンが指揮したショスタコーヴィチの「オランゴ」なのだが、こちらは楽曲の内容や背景についてもう少し勉強してから、感想をまとめたいと思っている。
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theme : クラシック
genre : 音楽

tag : 作曲家_Shostakovich,D.D. 作曲家_Haydn,J. 演奏活動_DasSpäteQuartett

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Yosuke Kudo

Author:Yosuke Kudo
B. モンサンジョン著『リヒテル』(筑摩書房, 2000)に、「音楽をめぐる手帳」という章がある。演奏会や録音などを聴いて思ったことを日記風に綴ったもので、実に面白い。

毎日のように音楽を聴いているにもかかわらず、その印象が希薄になる一方であることへの反省から、リヒテルに倣ってここに私も覚え書きを記しておくことにする。無論、リヒテルの深みに対抗しようなどという不遜な気持はない。あくまでも自分自身のために、誰に意見するわけでもなく、思いついたことをただ書きなぐるだけのことである。

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