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フェドセーエフの「シェエラザード」

  • リームスキイ=コールサコフ:交響組曲「シェエラザード」 フェドセーエフ/モスクワ放送SO (Victor VICC-75007)
10月22日のエントリーで述べた演奏会の会場で購入した一枚。このコンビは「シェエラザード」を2回録音しているが、これは1981年に行われた最初の録音。

メタリックな輝かしさを持ったオーケストラの響きは、紛れもなくモスクワ放送響ならではのもの。各楽器の卓越した個人技が、一瞬たりとも全体から不必要に浮き上がることなく、それでいて多種多様な彩りを呈しているところが素晴らしい。必ずしも機械的に精緻な演奏という訳ではないのだが、このオーケストラの魅力である溢れ出る情感と野趣に富んだ音色には心を奪われる。

全曲を通した淀みのない流れは、いかにもフェドセーエフらしい。ことさらにオーケストラをドライブするのではなく、流れに身を委ねるようにして音楽の起伏を描きつつも決して常識的な枠組みを逸脱しないところに、颯爽とした恰好良さがある。

ただ、敢えて言えば、“平凡”な音楽だとも思う。これは必ずしも否定的な意味ではなく、「こうあって欲しい」という聴き手の期待に完璧に適っているということでもある。「シェエラザード」のように明確な標題があり、聴きどころもはっきりしている曲の場合、“平凡”であること自体が非凡だと言えるだろう。

驚くべきことに、30年前の本盤と先日の演奏会との間に表面的な演奏解釈はほとんどない。にもかかわらず、先日の演奏に聴かれた、決して想像すらできなかったほどの深淵は、フェドセーエフが真の巨匠としてその晩年を迎えたことの証左なのだろう。あの忘れ難い演奏会の記念に、何よりも相応しい一枚であった。

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theme : クラシック
genre : 音楽

tag : 演奏家_Fedoseyev,V.I.

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プロフィール

Yosuke Kudo

Author:Yosuke Kudo
B. モンサンジョン著『リヒテル』(筑摩書房, 2000)に、「音楽をめぐる手帳」という章がある。演奏会や録音などを聴いて思ったことを日記風に綴ったもので、実に面白い。

毎日のように音楽を聴いているにもかかわらず、その印象が希薄になる一方であることへの反省から、リヒテルに倣ってここに私も覚え書きを記しておくことにする。無論、リヒテルの深みに対抗しようなどという不遜な気持はない。あくまでも自分自身のために、誰に意見するわけでもなく、思いついたことをただ書きなぐるだけのことである。

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