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ヴァーインベルグの交響曲(10&12番)

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  • J. S. バッハ:管弦楽組曲第2番、メンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲 ニ短調、クレノヴィチ:13の独奏楽器のための「The Siler」、S. ホフマン:「It is coming!」、ショスタコーヴィチ(バルシャーイ編):室内交響曲 I. グラフェナウアー (Fl) クルスティチ (Vn) スコヴラン/ベオグラード弦楽合奏団 (RTB 3130053 [LP])
  • ミヨー:スカラムーシュ、ハチャトゥリャーン:2台のピアノのための組曲、ショスタコーヴィチ(ルボシュツ編):バレエ「黄金時代」よりポルカ、グリーンカ(ルボシュツ編):ひばり、ショスタコーヴィチ(ルボシュツ編):映画音楽「黄金の山脈」よりワルツ、メンデルスゾーン:華麗なアレグロ ルボシュッツ、ネメノフ (Pf) (Vanguard VSD-2128 [LP])
  • チャイコーフスキイ:弦楽四重奏曲第1番より第2楽章、メンデルスゾーン:弦楽四重奏曲第4番より第2楽章、ラフマニノフ(ハルトマン編):セレナード(幻想的小品集より第5曲)、トゥリーナ:闘牛士の祈り、ショスタコーヴィチ:バレエ「黄金時代」よりポルカ、ヴォルフ:イタリアン・セレナード、フォーレ(ジャフィ編):夢のあとに、ブリッジ:ロンドンデリーの歌(民謡編曲) 、グレインジャー:岸辺のモリー  アメリカン・アートQ (RCA LBC-1086 [LP])
  • ピストン:ヴァイオリン協奏曲、ヴィヴァルディ:ヴァイオリン・ソナタ ニ長調、アイルランド民謡:グウィードア・ブレイ、スーク:4つの小品より第4曲「ブルレスク」、ショスタコーヴィチ:バレエ「ボルト」より官僚の踊り、クロール:バンジョーとフィドル コルベルク (Vn) F. シュレーダー (Pf) マツェラス/ベルリンSO (MACE MXX 9089 [LP])
  • ボロディーン:弦楽四重奏曲第2番、ショスタコーヴィチ:ピアノ三重奏曲第2番、スーク:弦楽合奏のためのセレナード ブロドスキーQ ヴァルトシュタイン三重奏団 レッシュ/フランクフルト・シンフォニエッタ (Frankfurtuer Sparkasse von 1822 1822/9-10 [LP])
  • ティーシチェンコ:ピアノ協奏曲、ピアノ・ソナタ第2番 ティーシチェンコ (Pf) ブラシコーフ/レニングラードSO (Melodiya 33CM 02069-70 [LP])
  • ヴァーインベルグ:チェロと管弦楽のための幻想曲、交響曲第10番 ヴァシーリエヴァ (Vc) バルシャーイ/モスクワ室内O (Melodiya 33CM 01991-92 [LP])
  • ヴァーインベルグ:交響曲第12番「ショスタコーヴィチの思い出に」 フェドセーエフ/モスクワ放送SO (Melodiya 33C10-18771-2 [LP])
Ars Antiqua / Mikrokosmos Mail Order Co.からの9月到着分。

ユーゴスラヴィアの弦楽合奏団の2枚組アルバムは、1枚目(バッハとメンデルスゾーン)が音楽祭か何かのライヴ録音で、2枚目(現代音楽集)はスタジオ録音である。編成は4-3-3-2-1と非常に小型だが、力まずに丁寧に奏でられる、のどかで澄んだ響きがとても好印象。収録曲は古典と現代の両極端(というほどでもないか…)だが、いずれも技巧的な作品ではないだけに、この団体の魅力がより発揮されているように思われる。ショスタコーヴィチは、バルシャーイ編曲版を使っているにもかかわらず、印象は原曲に近い。良い意味で中庸な音楽に仕上がっていて、同じ悲しみでも、温かく優しい涙がこぼれるような響きが素敵である。バッハも、とても気持ちのよい音楽だ。しかし、ジャケットの絵が居眠りをしている聴衆で、その下に「Probudite se! (Wake up!)」と書いてあるのは、一体どういう意図なのだろうか?

ルボシュッツ&ネメノフのピアノ二重奏は、この編成の有名曲と、ルボシュッツ自身が編曲した小品との組み合わせ。長く活動を続けた二人だけに(この録音がどの時点のものかはわからないが)、安定した自在なアンサンブルはさすが。ショスタコーヴィチ作品は、バレエ「黄金時代」のポルカと映画「黄金の山脈」のワルツが取り上げられているが、後者は、ちょっと品のあるアンコールピースといった雰囲気で悪くない。残念ながら前者は響きの厚い編曲のせいか、楽曲の皮肉っぽい洒脱さが伝わらない。元にした楽譜のせいなのか、音の間違いが多いのも気になる。

アメリカン・アートQのアルバムは、「String Quartet Melodies」と題された小品集である。古めかしいセピア色の録音状態は、ちょっと洒落た選曲とよく合っていて、冒頭のアンダンテ・カンタービレから、お好きな方にはたまらない郷愁の世界が繰り広げられる。ショスタコーヴィチのポルカは、作曲者自身の手による「弦楽四重奏のための2つの小品」とは別物の編曲。誰の編曲かは記されていないが、先のルボシュッツ&ネメノフ同様、妙に厚ぼったい響きと、音の間違いがどうにも気になって仕方がない。

ピストンのヴァイオリン協奏曲は初めて耳にする曲だが(というより、ピストンの作品自体、聴いた記憶がない)、これは初演時の独奏者Hugo Kolbergによる録音である。アメリカ音楽らしい雰囲気は、3楽章でジャズ風の一節が聴こえる部分くらいで、後は近代イギリス音楽に近いように感じた。Kolbergのヴァイオリンは、B面はピアノ伴奏の小品集だが、有名どころがほとんどない凝った選曲が面白い。ヨーロピアンな落ち着いたまろやかさを感じさせる地味な音色が魅力的で、技術的にも高い水準にある。アルバム全体に漂う格調の高さは、彼の個性といえるだろう。ショスタコーヴィチ作品は、バレエ「ボルト」からの一曲。過度に技巧的に装飾された編曲が誰の手によるものかは不明だが、原曲の雰囲気はずいぶんと損なわれている。

大学時代、ドイツ語をサボりたおしたせいで、ドイツ語でしか書かれていないライナーはお手上げ状態なのだが、「Frankfurtuer Sparkasse von 1822」という言葉を手がかりに辞書と首っ引きで要点だけ読んでみたところ、どうやらドイツのある銀行(組織?)が主催して行っている若手演奏家のための室内楽の夕べを収録したアルバムを入手した模様。2枚組なのだが、それぞれにDisc-9、10という番号が振られていることから、恐らくはお得意様に配られた私家盤に通し番号がつけられているのだと想像される。さて、収録された演奏だが、初期のブロドスキーQ(Va奏者が現在と異なる)の颯爽としたボロディーン、この音楽会のために集められた団体が母体となったフランクフルト・シンフォニエッタの伸びやかなスークは、どちらもとても気持ちの良い音楽に仕上がっている。ジャケットに演奏会の様子を撮影した写真が載っているが、冠演奏会と呼ぶには地味な「若手演奏家/室内楽」という企画で満員の聴衆が集まり、こうした水準の高い演奏が繰り広げられるドイツ文化の奥深さを垣間見る思い。ただ、ショスタコーヴィチの演奏に関しては、あまりにも線が細く、技術的に弾けていない訳ではないものの、作品が内包しているドラマのごく表層だけをなぞったかのような表現に終始しているのが残念。

ショスタコーヴィチ作品とのカップリングか、ショスタコーヴィチ作品の編曲でしか聴いてこなかったティーシチェンコだが、初期のピアノ作品2曲を収録したアルバムが目についたので、注文してみた。同時期のチェロ協奏曲に比べると管弦楽伴奏がそれほど大胆ではないが、これはショスタコーヴィチのピアノ協奏曲第1番を彷彿とさせる軽やかな雰囲気のせいか。響きにもショスタコーヴィチからの影響が窺えるものの、和声の扱いや音楽の印象には独自の個性があると言ってよいだろう。ただ、ソナタの方は、ショスタコーヴィチのピアノ・ソナタ第1番そのもの。ティーシチェンコの個性が全くないわけではないが、この1曲だけ取り上げれば、ショスタコーヴィチの亜流、あるいはコピーと言われても仕方ないだろう。

ヴァーインベルグの交響曲、今回は新たに2曲を入手できた。まずは、バルシャーイ/モスクワ室内Oによる第10番。弦楽器のみの編成で、首席奏者の名前が独奏者としてクレジットされていることからもわかるが、バロック期の合奏協奏曲、あるいは組曲のような体裁となっている(第1楽章の副題が、そのもの「Concerto-grosso」である)。バッハやヴィヴァルディなどと同時に、現代ソ連音楽も得意としていたこの団体を意識して書かれた作品に違いない。荘厳でありながら、時に激烈で透徹した現代風の感情が迸る、なかなかの佳品である。各楽章の合間(?)に配置されている猛烈な独奏は、この団体の技術的な水準の高さを端的に示してくれる。この曲ができたのは1968年。その1年後にショスタコーヴィチが、同じバルシャーイ/モスクワ室内Oを念頭において交響曲第14番を書いた背景には、この作品の存在も影響しているのだろうか?カップリングの幻想曲は、モノローグ的な深沈した雰囲気が印象的。といっても、後期ショスタコーヴィチとは違って、どこか明るさを感じさせる抒情が漂っている。とにかく、この団体の巧さに圧倒される一枚。

第12番は「ショスタコーヴィチの思い出に」という副題のある、ショスタコーヴィチの死後間もなく作曲された作品。ショスタコーヴィチの影響を強く受けたヴァーインベルグならではの、“ショスタコーヴィチの様式で”書かれた作品。第3楽章で「ムツェンスク郡のマクベス夫人」が聴こえてきたりするものの、基本的には直接的な引用や模倣はない。ショスタコーヴィチを強く感じさせながら、響きも節も雰囲気もヴァーインベルグという、この種の追悼作品としてはかなり上質な音楽と言えるだろう。フェドセーエフの指揮は抒情性が卓越していて、この作品には相応しい。モスクワ放送SOの名技も存分に発揮されている。
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theme : クラシック
genre : 音楽

tag : 作曲家_Shostakovich,D.D. 作曲家_Weinberg,M. 作曲家_Tishchenko,B.I.

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Yosuke Kudo

Author:Yosuke Kudo
B. モンサンジョン著『リヒテル』(筑摩書房, 2000)に、「音楽をめぐる手帳」という章がある。演奏会や録音などを聴いて思ったことを日記風に綴ったもので、実に面白い。

毎日のように音楽を聴いているにもかかわらず、その印象が希薄になる一方であることへの反省から、リヒテルに倣ってここに私も覚え書きを記しておくことにする。無論、リヒテルの深みに対抗しようなどという不遜な気持はない。あくまでも自分自身のために、誰に意見するわけでもなく、思いついたことをただ書きなぐるだけのことである。

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