年末の中古レコード・セールにて

  • モーツァルト:弦楽四重奏曲第19番、シューマン:弦楽四重奏曲第3番 東京Q (TDK TDK-OC019)
  • ガーシュウィン(ハイフェッツ編):歌劇「ポーギーとベス」より「サマー・タイム」「あの人は逝ってしまった」「ベスよ、お前はおれのもの」「そんなことはどうでもいいさ」、ショスタコーヴィチ(ツィガノーフ編):4つの前奏曲、サン=サーンス:序奏とロンド・カプリチオーソ、チャイコーフスキイ:メロディ、サラサーテ:バスク奇想曲、ショーソン:詩曲、ドビュッシー(カレンバ編):「ベルガマスク組曲」より「月の光」 川久保賜紀 (Vn) ゴラン (Pf) (RCA BVCC-31109)
  • ショスタコーヴィチ:交響曲第14番 カーヒル (S) フィッシャー=ディースカウ (B) ベルティーニ/ケルン放送SO (Altus ALT162)
  • ショスタコーヴィチ:チェロ協奏曲第2番、チェロ・ソナタ ガベッタ (Vc) ウルズレアサ (Pf) M. アルブレヒト/ミュンヘンPO (RCA BVCC-31109)
年末恒例の「中古&廃盤レコード・CDカウントダウンセール」を覗きに、阪神百貨店へ。その後に用事があったためにゆっくりすることができず、今回はLP漁りを最初から断念。漫然とCDのみを見て回り、チェックはしていたが買いそびれていた物ばかり5点購入。それから一ヶ月以上も未聴のまま放置してしまったが、ようやく聴くことができた。

TDKオリジナルコンサートのCDシリーズからは、原田幸一郎時代の東京Qのライヴが2枚リリースされている。1979年のヤナーチェクの1番とベートーヴェンのラズモフスキー第2番他を収録したアルバムを、知人の家で聴かせてもらい、端正な佇まいの中に熱気を孕んだ硬派な音楽にいたく感心し、自分でも2枚とも入手しようと思っていたところ、時期を逸してしまい、既に販売終了の模様。今回見つけたのは「不協和音」とシューマンを収録した1973年に行われた二度目の“来日”公演ライヴ。初代メンバーによる最初期の録音は、確かに柔軟な自在さという点では後年の演奏に及ばぬ点が少なからずあるが、いかにも細部まで徹底し尽くしたと思われるアンサンブルの完成度は、新進気鋭の時期でしか実現し得ない類のものだろう。DGからのデビュー盤(ハイドンの作品76-1&ブラームスの第2番)とよく似た組み合わせで、その音楽の傾向もよく似ているが、ライヴならではの白熱した音楽の奔流は、若さゆえの魅力に満ち溢れている。曖昧さが一切排除された、それでいてしなやかな推進力が漲る「不協和音」は、まさに最良の意味での模範演奏である。シューマンでの感情表現は幾分ストレートに過ぎるようにも思えるが、それがシューマンの晦渋さを払拭して、表情の陰影に見通しの良さが加わった清々しい佳演に仕上がっている。録音状態には不満がなくもないが、音楽的な内容には全く不満はない。

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2002年の第12回チャイコーフスキイ国際コンクールで最高位を受賞した川久保賜紀の小品集は、彼女にとって2枚目のアルバム。有名どころを微妙にはずした色彩感豊かな選曲だが、演奏そのものはやや単調。もちろん左手の技術は水準が高く、端正な仕上がりになっているものの、伴奏のゴランの多彩さには及ばないのが残念。

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ベルティーニが亡くなってからもう10年近く経っていたとは思わなかった。専らマーラー指揮者として認識していたが、1988年の時点でショスタコーヴィチ、それも第14番を取り上げていたことを知らなかった不明を恥じるのみ。フィッシャー=ディースカウも既に鬼籍に入っており、まさに「死者の歌」といった感じでもある。ロシア語ではない「原語」での歌唱で、言葉の響きに大きな違和感があることは否めないが、一方で、どこか柔らかく漂うような歌の響きは、ふくよかで官能的なオーケストラの響きと渾然一体となって、陶然とした印象を生み出しているのが面白い。男声がバスではなくバリトンであることも影響しているのかもしれない。個性的な解釈の部類に入るだろうが、これがこの作品の一つの側面であることもまた事実。特に第9楽章以降は、たまらなく美しい。

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若手女流チェロ奏者のショスタコーヴィチ・アルバムは、協奏曲第2番のライヴ録音という意欲的な内容。伸びやかで落ち着いた美感を持つチェロの音色は、いかにも最近の若手奏者らしい。音楽作りも素直で、いたずらに晦渋さを演出しないところに好感が持てる。ただ、表面的には地味な作品だけに、とりわけオーケストラにはもう少し多彩さを求めたいところ。彼女の美質は、ソナタでより発揮されている。ピアノ共々表現意欲に溢れた溌剌とした音楽は、清々しい。この奏者は、協奏曲第1番も既にリリースしている。そちらも聴いてみたいところ。

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残る1点はBOXセットなので、また後日(いつになるか、分かりませんが…)。
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theme : クラシック
genre : 音楽

tag : 作曲家_Shostakovich,D.D. 演奏家_東京Quartet

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Yosuke Kudo

Author:Yosuke Kudo
B. モンサンジョン著『リヒテル』(筑摩書房, 2000)に、「音楽をめぐる手帳」という章がある。演奏会や録音などを聴いて思ったことを日記風に綴ったもので、実に面白い。

毎日のように音楽を聴いているにもかかわらず、その印象が希薄になる一方であることへの反省から、リヒテルに倣ってここに私も覚え書きを記しておくことにする。無論、リヒテルの深みに対抗しようなどという不遜な気持はない。あくまでも自分自身のために、誰に意見するわけでもなく、思いついたことをただ書きなぐるだけのことである。

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