E. ブッシュのアイスラー歌曲集

  • ショスタコーヴィチ:ユダヤの民族詩より、A.ブロークの詩による7つの歌曲 チャポ (S) エガース (A) ビンゲ (T) マイレ (Vn) フォレスト (Vc) ゲーベル (Pf) (Thorofon Capella MTH 267 [LP])
  • ショスタコーヴィチ:映画音楽「エルベ河での出会い」より「平和の歌」、アイスラー:労働者の歌、イタリアの労働歌:赤い旗、パラシオ:鋼の円柱、アイスラー:警告の行進曲、ノーヴィコフ:道、アイスラー:自由な若者達、アイスラー:ブルジョアジーの慈善事業、アイスラー:カールスプラッツのポプラ、アイスラー:自然への回帰、シュネーエルソン:建設工事の歌、ルーコフスキイ:未来についての歌、ブラッヒャー:難事業のための石炭、アイスラー:子孫達へ、アイスラー:赤子へのメッセージ、アイスラー:統一戦線の歌 E. ブッシュ (Vo) (Melodiya C60-13187-88 [LP])
Ars Antiqua / Mikrokosmos Mail Order Co.からの4月到着分。今回は、ショスタコーヴィチ作品が収録されている2枚のみ。

ショスタコーヴィチの有名歌曲をAB両面に収録したアルバムは、ドイツ語歌唱によるもの。「ユダヤの民族詩より」は、歌手の声質に土俗的な力強さが不足し、綺麗ではあるが物足りなさが残る。一方の「ブロークの詩による7つの歌曲」は、チャポの線の細い声質が手堅い器楽合奏とよく溶け合い、静謐な美しさを醸し出している。ただ、音楽のスケールはいかにも小さいのが残念。


旧東ドイツの歌手/俳優エルンスト・ブッシュのアルバムは、ショスタコーヴィチの「平和の歌」目当てにオーダーしたのだが、このアルバム自体はアイスラーの闘争歌を楽しむべきもの。各曲のいかにもなタイトル(ただし、ジャケットにはロシア語表記しか載っていないので、原題と同じかどうかは分からない)も面白いが、血沸き肉躍るような勇ましさと野暮ったい歌謡性との共存という(旧)共産圏に共通する特徴が典型的なドイツ風の響き(言語に由来する部分も大なのだろうが)で展開されているところに興味を持った。アイスラーの創作活動を俯瞰するような見識は持ち合わせていないが、少なくともこのジャンルにおける存在感は群を抜いているように感じた。

ブッシュの歌唱はクラシカルな流儀とは無縁だが、いかにも大衆歌らしい雰囲気を湛えた説得力に満ちたもの。明瞭な発音と、有無を言わせずに鼓舞するような訴求力とで、聴き手を旧東ドイツへと誘う。

スポンサーサイト

theme : クラシック
genre : 音楽

tag : 作曲家_Eisler,H.

comment

Secre

プロフィール

Yosuke Kudo

Author:Yosuke Kudo
B. モンサンジョン著『リヒテル』(筑摩書房, 2000)に、「音楽をめぐる手帳」という章がある。演奏会や録音などを聴いて思ったことを日記風に綴ったもので、実に面白い。

毎日のように音楽を聴いているにもかかわらず、その印象が希薄になる一方であることへの反省から、リヒテルに倣ってここに私も覚え書きを記しておくことにする。無論、リヒテルの深みに対抗しようなどという不遜な気持はない。あくまでも自分自身のために、誰に意見するわけでもなく、思いついたことをただ書きなぐるだけのことである。

カレンダー
10 | 2017/11 | 12
- - - 1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 - -
最新記事
カテゴリ
タグツリー
★ トップ(最新記事)
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
検索フォーム
人気記事ランキング
RSSリンクの表示
リンク
音盤検索
HMV検索
検索する

音楽関係のブログ(リンク・更新状況)
PopUp WikipediaⅡ
記事中の気になるキーワードをマウスで選択してください。Wikipediaからの検索結果がポップアップ表示されます。
Wikipedia
developed by 遊ぶブログ
Translation(自動翻訳)
FC2カウンター