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ピアノによるマーラー交響曲集


大井浩明、法貴彩子 (Pf)
  • マーラー(ヴェス編):交響曲第4番 G-dur
  • マーラー(ツェムリンスキー編):交響曲第6番 a-moll
  • ショスタコーヴィチ(アトヴミャーン編):交響曲第5番 d-moll Op.47 より第4楽章【アンコール】
  • 大野雄二(神内敏之編):ルパン三世のテーマ'79【アンコール】
2014年3月2日(日) 山村サロン
自宅の近所であるにもかかわらず、今まで足を運べずにいた山村サロンでの大井氏の演奏会に、今回初めて聴きに行くことができました。既にネット上でもいくつかの評が出ていますし、学生時代の縁で個人的に少々存じ上げている演奏家なので、太鼓持ちのようなエントリーにならないよう、聴きながら思ったことを簡単に箇条書きで列記するに留めておくことにします(私なんかに太鼓を持たれても、嬉しくもなんともないでしょうが)。
  • ピアノによるマーラーの交響曲の演奏、ということで、ピアノ・リダクションの意義やピアノという楽器の持つ可能性などが議論の焦点となるべきかもしれないが、ピアノ音楽にもマーラーにも明るくない私にとっては、純粋に2曲の交響曲を聴いたという印象。
  • 具体的な技術論は全くできないが、明らかに実際の楽器配置を念頭に置いた響きの処理の見事さが、この印象に大きく寄与しているのだろう。
  • 編曲の良し悪しもあるのかもしれないが、第4番の鷹揚な歌よりは明らかに第6番の振幅の大きな慟哭の方が演奏者のキャラクターにも合っていたようで、聴き応えは断然後半の第6番に軍配が上がる。
  • リダクションだと曲の構造がよく分かる、といった類の意見には必ずしも同意しない(多様な楽器による多彩な響きが曲の理解を助けることだってあるだろう)が、演奏者が少ないことによる意思の徹底や緊張感の持続といった点で、オーケストラに勝ると感じられる瞬間も少なからずあった。たとえば、第6番の第1楽章が終わって、そのテンションのまま第2楽章が始まったところなど。
  • アンコールのショスタコーヴィチは、さすがにオーケストラでは実現が困難なべらぼうに速いテンポが秀逸。ショスタコーヴィチの作品の大半は、速ければ速いほど良いと考えている(少々乱暴な言い方ではあるが)私にとっては、イメージ通り。また、メトロノームの数字で指示されるテンポの変わり目の前後にアッチェレランドやリタルダンドの指示があまりないこともショスタコーヴィチの特徴だが、オーケストラでは滑らかにテンポを変化させる、あるいは変化せざるを得ないことが多いのに対し、階段関数のように不連続にテンポが上がっていくのも痛快で刺激的だった。
  • もう一つのアンコールは、「1970年代後半の日本の現代作曲家の作品」という紹介で「ルパン三世のテーマ'79」(このフレーズは学生時代にサークルの例会で「宇宙戦艦ヤマト」の主題歌を大井さんが弾いた時にも言っていたのを記憶しています)。この編曲の楽譜はネット通販で入手可能で、YouTubeなどで実際に演奏されたものを聴くこともできるが、この日の演奏は、それら凡百の演奏とはあらゆる点で異次元の出来。まだまだ弾き足りないと言わんばかりの演奏者の姿は、なるほどこれだけの技術とバイタリティがなければ、長大な交響曲を並はずれた説得力で弾き通せないのだということを納得させるに足るもの。

演奏会全体を通じて、「楽しかった」というのが偽らざる感想。やや気取った雰囲気の会場ながら、ヲタク臭を隠そうともしないやや高めの年齢層の聴衆が放つ熱気というのも、なかなかのものでした。

ただ、しまいには聴衆があからさまに苦笑いするほどの顔芸を披露しつつ、悉く譜めくりに失敗しまくっていた譜めくりの方には、いくらお綺麗な若い女性とはいえ、苦言を呈しておきたい。演奏者が密かに不満に思う程度ならばいざ知らず、あれは演奏会そのものをぶち壊しにするレベル。今後、二度と譜めくりの仕事はお受けにならない方がいい。
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theme : クラシック
genre : 音楽

tag : 作曲家_Mahler,G. 作曲家_Shostakovich,D.D.

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Yosuke Kudo

Author:Yosuke Kudo
B. モンサンジョン著『リヒテル』(筑摩書房, 2000)に、「音楽をめぐる手帳」という章がある。演奏会や録音などを聴いて思ったことを日記風に綴ったもので、実に面白い。

毎日のように音楽を聴いているにもかかわらず、その印象が希薄になる一方であることへの反省から、リヒテルに倣ってここに私も覚え書きを記しておくことにする。無論、リヒテルの深みに対抗しようなどという不遜な気持はない。あくまでも自分自身のために、誰に意見するわけでもなく、思いついたことをただ書きなぐるだけのことである。

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