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シュペーテ弦楽四重奏団第4回公演を終えて


4/12の西宮公演から一ヶ月経ち、録音や録画の編集も終わり、ようやく心穏やかに振り返ることができるようになったので、シュペーテ弦楽四重奏団の第4回公演について、簡単に反省をしておきたい。

まずは、日本福音ルーテル西宮教会聖アグネス教会の皆様に、心からの感謝を申し上げます。建物の素晴らしさはもちろんのこと、私達の道楽に対して細やかなお心遣いと過分なまでのご協力を賜り、今回も成功裏に演奏会を終えることができました。さすがに私達4人だけでは、当日の様々な準備を整えることは到底無理で、両教会の皆様なくしては演奏会そのものが成立しませんでした。また、事前の広報についてもお力添えをいただきました。あらゆる点で素晴らしい場をお貸しくださったことに御礼を申し上げるとともに、今後とも末永くお付き合いさせていただきたく存じます。

また、西宮公演は約120名、京都公演は約170名と、これまでで最も多くのお客様に足をお運びいただきました。もちろん、義理(笑)で来て頂いた方も少なくありませんが、出演者とは個人的な面識のないお客様の割合が高いことを、私達はとても誇らしく感じております。次回演奏会の案内を希望される方には「芳名カード」を書いていただいておりますが、毎回来て頂いている方のお名前を拝見することは、大きな励みでもあります。演奏会は、聴衆なくしては成立しません。特に、西宮公演では演奏会が始まって早々、1曲目の1楽章でいきなり奏者にアクシデント(指がつってしまい、演奏を続けることができなくなってしまった)が発生し、一旦舞台から引き上げるということがありましたが、舞台上で当惑していた私達を温かい雰囲気で包んでくださったおかげで、5分程度の中断を挟んだ後も、妙な気負いを感じることなく演奏を続けることができました。こうした素敵な聴衆に恵まれたことは、私達にとって何よりの財産です。これからもご支援賜りますよう、お願い申し上げます。

さて、以下は私個人の所感。

今回は、ハイドン、ベートーヴェン、モーツァルトという、これ以上ないほどの王道プロ。知名度がそれほど高くないハイドンの作品74-1にしても、多くの聴き手にとって耳慣れた響きであることには違いなく、決して少なくない技術的な難所を清潔にクリアしつつ、いわば教科書通りに楽曲をまとめ上げる一連の過程に対して要求される水準が必然的に高くならざるを得なかったことは、もちろん楽しくもあったが、やはり大変だったというのが正直なところ。まるでコンクールの一次予選のようなプログラムは、本当に勉強になった。克服できなかった課題は多々あるものの、いたずらに練習期間を長くしたからといって演奏の質が無限に上がるわけではなく、その意味では、現時点で私達に可能な上限に到達できたとは思う。

気がつけば結成から5年が経とうとしているが、いわゆる阿吽の呼吸といった点で、これまで一緒に過ごしてきた時間の重みを感じることができた。練習の過程では随所でメンバー間のイメージが共有されなかったりもしたが、落としどころを探って収斂していく方向性については、練習の開始当初から概ね一致していたように思う。一方で、言わなくても分かるが故に磨き上げに不足した箇所も無きにしもあらず。個々の技術向上もさることながら、“弾ける”箇所のアンサンブルの精度をさらに高めることの必要性も感じた。

本番でしか得られない音楽的経験というものは確かにあるようで、2公演の間で練習を積むことは実質的にできないにもかかわらず、演奏のまとまりや仕上がりは、明らかに2回目の方が上回る(過去の公演でも同様)。自主公演の経験もささやかながら重ねてきた以上、1回目の公演の音楽的な内容も、もう少し高められるとよいのだが。

とにかく弾くだけで精一杯だったハイドン(結局、正確に弾ききれなかったのは悔しい)、作品が内包するぎこちなさを若々しい力感に昇華しきれなかったモーツァルト。どちらも遊びで通すだけなら何度も弾いてきた“よく知っている”作品だが、こうして時間をかけて丹念に取り組んだことは、それだけ素晴らしい体験となった。そして、「大フーガ」。練習開始から数か月は、ひたすら倍ほども遅いテンポで曲の構造を把握するのに費やしたが、スコアを見て勉強するだけでは気がつかなかったベートーヴェン独特の論理みたいなものを体得できたことが、何よりの収穫。溢れんばかりの生命力は、大フーガと置き換えられた第13番の終楽章と同一のもので、表面的な前衛性やロマン・ロラン的な仰々しい闘いの図式に囚われているだけでは見過ごしてしまいそうな、隅々まで情熱的で愉しい音楽であることを身体で感じ取れたのは、いささか無謀ではあったが自分達の手で演奏したからこそ。

アンコールは、ヴォルフの弦楽四重奏曲 ニ短調から第2楽章(スケルツォ)。今回は両公演の間に復活祭を挟む形になったため、聖歌/讃美歌はそれぞれ別のもの。西宮公演は教会讃美歌77番「さかえとほまれ」、京都公演は聖歌184番「あまつ神の子ら」。

次回公演は、来年4月頃に今回と同じ会場で計画しています。曲目は、スメタナの弦楽四重奏曲第1番「わが生涯より」とベートーヴェンの弦楽四重奏曲第15番の2曲です。私はVaを弾きます。是非また足をお運びくださいますよう、お願い申しあげます。

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theme : クラシック
genre : 音楽

tag : 演奏活動_DasSpäteQuartett

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Yosuke Kudo

Author:Yosuke Kudo
B. モンサンジョン著『リヒテル』(筑摩書房, 2000)に、「音楽をめぐる手帳」という章がある。演奏会や録音などを聴いて思ったことを日記風に綴ったもので、実に面白い。

毎日のように音楽を聴いているにもかかわらず、その印象が希薄になる一方であることへの反省から、リヒテルに倣ってここに私も覚え書きを記しておくことにする。無論、リヒテルの深みに対抗しようなどという不遜な気持はない。あくまでも自分自身のために、誰に意見するわけでもなく、思いついたことをただ書きなぐるだけのことである。

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