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ドゥリアン指揮の交響曲第10番(ショスタコーヴィチ)

  • ショスタコーヴィチ:交響曲第10番 ドゥリアン/バイエルン放送SO (Lanne LHC-7086 [CD-R])
  • チャイコーフスキイ:弦楽セレナーデ、ショスタコーヴィチ(バルシャイ編):室内交響曲、ガルペリン:パー・クール(心で) ナカリャコフ (Tp) クラウゼ/新ヨーロッパ室内O (LABORIE LC 24585)
何気なく見つけたブログの記事(と言うには随分昔のエントリーなのだが)に興味を持ち、アリアCDにオーダーしてみた。正規盤ですらフォローしきれないのに、俗に言う裏青盤にまで手を伸ばしている場合ではないのだが、こんな記事を読んでしまったら聴かずにはいられない。

感想に入る前に、一言。通販で裏青盤を買うのは10年以上振りだと思うが、届いた商品はレーベル面に何の印刷もないただの白無地のCD-Rが不織布ケースに入っているだけのもの(それゆえに、表示すべきジャケット画像がない)。そこに、ジャケット裏面のような演奏時間等のデータが記された紙が一枚だけ同封されている。最近はこういう頒布方法になっているのだろうか?こうなると“商品”というよりは“データ”と呼ぶ方が相応しいように思われ、蒐集対象として見ることができなくなってしまうのは、私が古い人間だからだろうか。音盤という形で演奏を“所有”するという感覚自体が時代遅れなのかもしれないが、いくらデジタルデータを整理して蓄積することが可能とはいえ(そして、それが非常に便利であることも十二分に理解した上で)、このような形で演奏を聴くことは、文字通りの“消費行為”のような感じがしてしまう。もちろん、これは販売元や通販業者に対するクレームではないので、悪しからず。

それから、この録音、音質が極めて悪い。第2楽章などはテープの撚れが酷く、聴き通すのが苦痛なほど。このドゥリアン盤の購入を検討されるのならば、こうした商品としての重大な欠点を了解しておいてほしい。

その上で、もしこれらの欠点を我慢、あるいは度外視できるのならば、この音盤に収録された演奏は、それこそ異次元の音楽体験をさせてくれると言ってもよい、極めて優れた凄演である。

まず、テンポの際立った遅さ(第2楽章を除く)がこの演奏の特徴である。とりわけ第1楽章の遅さは他に類を見ない。しかし、響きに耽溺したり、いたずらに思わせぶりな重厚さを演出しようとするテンポ設定でないところが、この演奏の非凡なところ。一音一音を、そして重層的に織り成される楽句を噛みしめるように奏でた結果の遅々とした歩みは、終始推進力を失うことがない。どの要素も弛緩することがないので、個々の楽章の構造が明解に整えられているのは勿論のこと、交響曲全体の構成も見事にまとめられている。作品の持つ巨大なスケールと、汲めども尽きぬ内容の深さを、存分に表現し切った演奏である。

せっかくのオーダーなので、セールで安く売られていたアルバムも一緒に購入。新ヨーロッパ室内管弦楽団の創立10周年に当たる2012年録音のロシア音楽集である。チャイコーフスキイとショスタコーヴィチの超有名曲2曲に委嘱新作1曲という内容。

チャイコーフスキイの冒頭から、清冽な生気が漲る音楽の流れに引き込まれる。解釈等に奇を衒ったところは全くなく、いわばごく普通の演奏なのだが、退屈さを感じさせないのは、勢いがありながらも格調の高い音楽性ゆえか。ショスタコーヴィチでもいたずらに深刻ぶることはなく、それでいて痛切な哀しみの表現に不足しないのは素晴らしい。ガルペリンの「パー・クール」については発売元の宣伝文しか情報源はないが、現代風の響きの追求だけではなく、時に感傷的な歌も聴こえてくる、ごちゃ混ぜな感じが楽しい。ナカリャコフは、それぞれの要素を余裕をもって適切に処理している。

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theme : クラシック
genre : 音楽

tag : 作曲家_Shostakovich,D.D.

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Yosuke Kudo

Author:Yosuke Kudo
B. モンサンジョン著『リヒテル』(筑摩書房, 2000)に、「音楽をめぐる手帳」という章がある。演奏会や録音などを聴いて思ったことを日記風に綴ったもので、実に面白い。

毎日のように音楽を聴いているにもかかわらず、その印象が希薄になる一方であることへの反省から、リヒテルに倣ってここに私も覚え書きを記しておくことにする。無論、リヒテルの深みに対抗しようなどという不遜な気持はない。あくまでも自分自身のために、誰に意見するわけでもなく、思いついたことをただ書きなぐるだけのことである。

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