年末の中古レコード・セールにて

  • ハイドン:弦楽四重奏曲第32番、ヤナーチェク:弦楽四重奏曲第1番「クロイツェル・ソナタ」、ベートーヴェン:弦楽四重奏曲第8番 東京Q (TDK TDK-OC020)
  • ハイドン:十字架上のキリストの最後の七つの言葉 クイケンQ (Denon COCO70520)
  • ハイドン:エルデーディ四重奏曲集-1(Op.76-1~3) クイケンQ (Denon COCO70440)
  • ハイドン:エルデーディ四重奏曲集-2(Op.76-4~6) クイケンQ (Denon COCO70519)
  • ショーソン:ピアノ、ヴァイオリンと弦楽四重奏のための協奏曲、弦楽四重奏曲 コラール (Pf) デュメイ (Vn) ミュイールQ (EMI CC33-3837)
  • フォーレ:管弦楽曲集(第1集)(「ペレアスとメリザンド」「マスクとベルガマスク」「魔神たち」「シャイロック」、抒情劇「ペネロプ」前奏曲) プラッソン/トゥールーズ・カピトール国立O (EMI TOCE-8649)
年末恒例の「中古&廃盤レコード・CDカウントダウンセール」を覗きに、阪神百貨店へ。最近、気力の衰えが著しく、CDのみ、それも落穂拾い的なチョイスとなってしまったが、結果的に満足度の高い買い物ができたのでよしとしよう。

まずは、原田幸一郎時代の東京Qのライヴ盤。2012年末のセールで1973年のアルバムは確保済(2013年2月9日のエントリー)なので、今回1979年のアルバムを見つけたことで、TDKオリジナルコンサートのCDシリーズの2枚を無事に揃えることができた。2nd Vnが池田氏に交代し、このメンバーでの絶頂期を迎えつつある時点での貴重な記録である。折り目正しくも濃密な情緒に溢れた若々しい演奏は、老成した団体特有の意味ありげな味わいとは異なる種類の完成された魅力がある。とりわけハイドンが、あらゆる点で素晴らしい。

HMVジャパン

クイケンQによるハイドンの弦楽四重奏曲は、これまで作品77&103の1枚だけしか架蔵していなかったが、作品76の2枚と「十字架上のキリストの最後の七つの言葉」をまとめて見つけることができた。これで未入手なのは作品74の1枚だけになった…はず(このシリーズの進行/完結状況を把握していないのです)。

先日聴いたフェステティーチQ(2014年12月9日のエントリー)は、ピリオド楽器であるか否かをとりたてて意識させない音楽作りが魅力的だったが、クイケンQはピリオド楽器ならではの響きの美しさが印象的である。これまでハイドンの四重奏曲を弾いたり聴いたりした際には、どちらかといえばリズムを中心としたアンサンブルの仕掛けに気を取られることが多かったので、特に作品76がこれほどまでに和声の数々が多彩な美しさを孕んでいたことを、この演奏を聴いて初めて認識できたと言って過言ではない。当然の帰結として、この団体による「最後の七つの言葉」の演奏はこの上なく美しい。

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1990年代前半、ひたすら古今の弦楽四重奏曲(とショスタコーヴィチ作品)を制覇しようと、暇さえあればカタログをチェックし、音盤屋に入り浸っていた学生時代。当時、既に品切れ(実質廃盤)状態で入手することが叶わなかったショーソンの弦楽四重奏曲のアルバムを、20年以上も経って見つけることができたのは、まさに中古盤漁りの醍醐味といった感じ。もっとも、ミュイールQの響きはいささか馥郁さに乏しく、ショーソンならではの濃厚な和声の味わいに物足りなさが残った。ただ、コンセールでのデュメイは大柄でありながらも繊細で多彩な表情を持った音楽を奏でていて素晴らしい。


またまた思い出話で恐縮だが、1992年に音楽ソフトの再販制度に変更があったとかで、大阪で開催された“廃盤CDセール”に足を運んだことがあった。大学のサークルの友人達と一緒に行ったのか、はたまた現地で出くわしたのか、記憶は定かではないが、そういう機会でもなければ買わないような音盤を当時としては随分とお得に買い込んで、当日の釣果を語り合いながら楽しく帰路についたことは覚えている。その時に入手した音盤の一つが、フォーレの管弦楽曲集第2集(EMI CE33-5137)であった。EMIレーベルのフォーレ作品集の類は揃えているのだが、管弦楽曲だけは未だに第1集を架蔵していなかったので、今回見かけるや否や直ちに確保。ところが、入手した第1集は私の手元にある第2集と「魔神たち」と抒情劇「ペネロプ」前奏曲の2曲が重複していた。初出時とカップリングが変更になっているのだろう。収録されているのは有名曲とは言い難い作品ばかりだが、雰囲気豊かなプラッソンの好演もあってか、フォーレの美質が濃厚に薫る素敵な一枚である。


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Yosuke Kudo

Author:Yosuke Kudo
B. モンサンジョン著『リヒテル』(筑摩書房, 2000)に、「音楽をめぐる手帳」という章がある。演奏会や録音などを聴いて思ったことを日記風に綴ったもので、実に面白い。

毎日のように音楽を聴いているにもかかわらず、その印象が希薄になる一方であることへの反省から、リヒテルに倣ってここに私も覚え書きを記しておくことにする。無論、リヒテルの深みに対抗しようなどという不遜な気持はない。あくまでも自分自身のために、誰に意見するわけでもなく、思いついたことをただ書きなぐるだけのことである。

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