【楽曲解説】モーツァルト:弦楽四重奏曲第16番

Wolfgang Amadeus Mozart
ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト(1756~1791)


Streichquartett Nr. 16 Es-dur KV 428 (421b)
弦楽四重奏曲第16番 変ホ長調 KV 428 (421b)



 ハイドン(1732~1809)の「ロシア四重奏曲」作品33(全6曲)が1782年に出版されると、それに多大な感銘を受けたモーツァルトは、2年あまりの歳月をかけて第14番KV 387から第19番KV 465に至る弦楽四重奏曲を作曲しました。「ハイドン・セット」と呼ばれるこれらの6曲は、ハイドン自身が「まったく新しい特別の方法」と称した主題労作(主題を構成する動機を用いて楽曲を作り上げる作曲法)の技法を、自身の新たな作曲様式として昇華させた傑作群です。

 第16番は、動機の扱いや半音階を活用した斬新な和声、各楽章の変化に富んだ性格など、「ハイドン・セット」の中でも際立って実験的な作品といわれています。そのためか演奏頻度はあまり高くありませんが、ロマン派を先取りしたかのような濃密な音楽は、モーツァルトの天才が存分に発揮された、紛れもない名作です。とりわけ、音楽学者アンナ・アマーリエ・アーベルト(1906~1996)が「トリスタンの響き」と評した第2楽章の、夢幻の音楽世界が印象的です。

シュペーテ弦楽四重奏団 第1回公演(2011年9月19, 24日)

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theme : クラシック
genre : 音楽

tag : 作曲家_Mozart,W.A. 演奏活動_DasSpäteQuartett

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Yosuke Kudo

Author:Yosuke Kudo
B. モンサンジョン著『リヒテル』(筑摩書房, 2000)に、「音楽をめぐる手帳」という章がある。演奏会や録音などを聴いて思ったことを日記風に綴ったもので、実に面白い。

毎日のように音楽を聴いているにもかかわらず、その印象が希薄になる一方であることへの反省から、リヒテルに倣ってここに私も覚え書きを記しておくことにする。無論、リヒテルの深みに対抗しようなどという不遜な気持はない。あくまでも自分自身のために、誰に意見するわけでもなく、思いついたことをただ書きなぐるだけのことである。

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