【楽曲解説】ヴェーベルン:弦楽四重奏のための緩徐楽章

Anton von Webern
アントン・フォン・ヴェーベルン(1883~1945)


Langsamer Satz für Streichquartett (1905)
弦楽四重奏のための緩徐楽章(1905年)



 音高だけでなく音色までもが緻密に構成され、極度に凝縮されたヴェーベルンの音楽は、新ウィーン楽派の中でも最も前衛的な作風を示しています。第二次世界大戦後のいわゆる“現代音楽”に与えた影響は大きく、保守的な聴き手にとってはある種の怖れの対象かもしれません。そんなヴェーベルンも、最初期の創作では甘美で艶やかな後期ロマン派の様式を採っていました。

 シェーンベルクに入門した1904年の前後に独力で書いた習作の数々は、作曲家の死後、音楽学者のハンス・モルデンハウアー(1906~1987)によって紹介され、広く知られるようになりました。1962年にアメリカで初演されたこの作品もその一つで、「ゆっくりと、動きをもった表現で」と指示された、濃厚で表情豊かな旋律が胸に沁みる小品です。ブラームスの延長ともいえる高血圧な節回しの一方で、ソナタ形式を堅持し、対位法や音色へのこだわりを見せているところにヴェーベルンの個性が現れています。

シュペーテ弦楽四重奏団 第1回公演(2011年9月19, 24日)

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theme : クラシック
genre : 音楽

tag : 作曲家_Webern,A. 演奏活動_DasSpäteQuartett (3)

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Yosuke Kudo

Author:Yosuke Kudo
B. モンサンジョン著『リヒテル』(筑摩書房, 2000)に、「音楽をめぐる手帳」という章がある。演奏会や録音などを聴いて思ったことを日記風に綴ったもので、実に面白い。

毎日のように音楽を聴いているにもかかわらず、その印象が希薄になる一方であることへの反省から、リヒテルに倣ってここに私も覚え書きを記しておくことにする。無論、リヒテルの深みに対抗しようなどという不遜な気持はない。あくまでも自分自身のために、誰に意見するわけでもなく、思いついたことをただ書きなぐるだけのことである。

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