【楽曲解説】ハイドン:弦楽四重奏曲第73番

Franz Joseph Haydn
フランツ・ヨーゼフ・ハイドン(1732~1809)


Streichquartett Nr. 73 F-dur Op. 74-2 (Hob.III-73)
弦楽四重奏曲第73番 ヘ長調 作品74-2(Hob.III-73)



 1790年末、30年の長きに渡ったエステルハージ家への宮仕えから解放されたハイドンは、ヴァイオリニストでもあった興行師ヨハン・ペーター・ザーロモン(1745~1815)の招聘に応じて新天地ロンドンへと旅立ちます。産業革命に沸き立つ大都市は、58歳の作曲家に新たな創作の意欲をもたらしました。

 その後一旦ウィーンに帰郷し、二度目の渡英を翌年に控えた1792年、ハイドンは作品71(3曲)と74(3曲)の弦楽四重奏曲を作曲しました。被献呈者の名をとって「アポーニー四重奏曲」と呼ばれるこの曲集は、大陸とは違って一般市民が中心であったロンドンの聴衆を念頭において作られています。フォルテの短い序奏は、演奏が始まってもなかなか静かにならない聴衆の注意を引くことを意図しています。主として第1ヴァイオリンに要求される技巧的なパッセージも、聴衆受けのする派手なものです。また、ロマン派に通じる濃い口の抒情と、年甲斐もなく全編に漲る活力は、大ホールでの演奏に相応しい骨太で大柄なものです。第2楽章と第4楽章は、それぞれ「アンダンテ・グラツィオーソ」「アレグロ」として編曲され、「ソナチネアルバム」第1巻に収録されていますので、旋律に聴き覚えのある方も少なくないかもしれません。

シュペーテ弦楽四重奏団 第2回公演(2012年4月14, 21日)

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theme : クラシック
genre : 音楽

tag : 作曲家_Haydn,J. 演奏活動_DasSpäteQuartett

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Yosuke Kudo

Author:Yosuke Kudo
B. モンサンジョン著『リヒテル』(筑摩書房, 2000)に、「音楽をめぐる手帳」という章がある。演奏会や録音などを聴いて思ったことを日記風に綴ったもので、実に面白い。

毎日のように音楽を聴いているにもかかわらず、その印象が希薄になる一方であることへの反省から、リヒテルに倣ってここに私も覚え書きを記しておくことにする。無論、リヒテルの深みに対抗しようなどという不遜な気持はない。あくまでも自分自身のために、誰に意見するわけでもなく、思いついたことをただ書きなぐるだけのことである。

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