【楽曲解説】ハイドン:弦楽四重奏曲第83番/老人

Franz Joseph Haydn
フランツ・ヨーゼフ・ハイドン(1732~1809)


Streichquartett Nr. 83 f-moll Op. 103 (Hob.III-83) / Der Greis Hob.XXVc-5
弦楽四重奏曲第83番 ニ短調 作品103(Hob.III-83)/老人 Hob.XXVc-5



 晩年のハイドンは、2曲のオラトリオ「天地創造」と「四季」に取り組みました。しかし、これらの仕事は成功をおさめたにも関わらず、ハイドンの心身を消耗し尽くしてしまいます。自分の精神が音符や音楽にかかりきりになることが、最大の苦痛だとまで言ったほどでした。1801年に「四季」の初演を終えた後、1803年になってようやく、1799年に2曲が完成していた作品77の弦楽四重奏曲の続編に着手します。文字通り最後の力を振り絞って緩徐楽章とメヌエットを書き上げたハイドンは、両端楽章も書こうと努力し続けていたようですが、ついに1806年、全曲の完成を断念し、この2つの楽章のみを出版社に渡しました。没するまでにまだ数年ありましたが、これが彼の仕上げた最後の作品となりました。

 ハイドンはこの曲を出版するにあたり、自分の名刺と称することもあった「老人」(1796)という歌の一節を印刷するように依頼しました。美しくも苦渋に満ちた、音楽に別れを告げる音楽です。本日は、この曲も続けて演奏します:「わが力は萎え、私は老い衰えた/ユーモアとワインのみに生かされて/わが力は萎え、私は老い衰えた/頬の赤みも消え、死が戸口に立っている/怖れることなく扉を開こう/天に感謝!/心地よい楽の音はわが人生」

シュペーテ弦楽四重奏団 第3回公演(2013年4月13, 20日)

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theme : クラシック
genre : 音楽

tag : 作曲家_Haydn,J. 演奏活動_DasSpäteQuartett

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Yosuke Kudo

Author:Yosuke Kudo
B. モンサンジョン著『リヒテル』(筑摩書房, 2000)に、「音楽をめぐる手帳」という章がある。演奏会や録音などを聴いて思ったことを日記風に綴ったもので、実に面白い。

毎日のように音楽を聴いているにもかかわらず、その印象が希薄になる一方であることへの反省から、リヒテルに倣ってここに私も覚え書きを記しておくことにする。無論、リヒテルの深みに対抗しようなどという不遜な気持はない。あくまでも自分自身のために、誰に意見するわけでもなく、思いついたことをただ書きなぐるだけのことである。

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