ウィーンの弦楽三重奏

  • モーツァルト:弦楽三重奏のためのディヴェルティメント、ベートーヴェン:弦楽三重奏のためのセレナード エーレンフェルナー (Vn) ミュラー (Va) スコチッチ (Vc) (Preiser PR 91773)

  • 来る11月22日に、私が参加しているシュペーテ弦楽四重奏団と共演していただくことになっている、元ウィーンPOのチェリスト、アダルベルト・スコチッチ氏の最近のアルバムを聴いた。近年は、このメンバーによる三重奏を核に随時他の奏者と共演する形で、様々な室内楽を演奏しているようだ。ウィーン交響楽団のヴィオラ奏者ミュラーと若きヴァイオリン奏者のエーレンフェルナーの2人はオーストリア生まれで、世代の差こそあれ、全員ウィーンで教育を受けてウィーンで活躍している演奏家ということで、いかにも月並みではあるが“ウィーンの香り”を期待しても許されるだろう。

    その期待は、十分に満たされたと言ってよい。ウィーン風と言っても、節度のある洒落た歌心に満ちた節回しとか、一人一人はやや線の細さを感じさせるものの、それでいて全体としては馥郁とした響きを感じさせるとか、そういった私個人の漠然とした印象、あるいは先入観でしかないのだが。

    技術的な精度は、コンクール的な聴き方をすれば必ずしも満点ではない。だが、隅々まで音楽的な愉悦に満ちた演奏を、そうした減点法で聴くのは無粋だろう。個々が自由に奏でつつもごく自然に音が重なり合うようなアンサンブルは三重奏ならではのもので、その肩肘張らない統一感は、やはり皆が同じウィーンの流儀によるからなのであろう。

    曲も良い。前古典派の息吹を感じさせる楽曲構成ながらも、その内容は既に初期ロマン派という、まさにウィーン古典派の真髄である。

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    theme : クラシック
    genre : 音楽

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Yosuke Kudo

Author:Yosuke Kudo
B. モンサンジョン著『リヒテル』(筑摩書房, 2000)に、「音楽をめぐる手帳」という章がある。演奏会や録音などを聴いて思ったことを日記風に綴ったもので、実に面白い。

毎日のように音楽を聴いているにもかかわらず、その印象が希薄になる一方であることへの反省から、リヒテルに倣ってここに私も覚え書きを記しておくことにする。無論、リヒテルの深みに対抗しようなどという不遜な気持はない。あくまでも自分自身のために、誰に意見するわけでもなく、思いついたことをただ書きなぐるだけのことである。

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