ショスタコーヴィチ諸々

  • ブルッフ:ヴァイオリン協奏曲第1番、レーガー:プレリュードとフーガ Op. 117-2から「グラーヴェ」、ショスタコーヴィチ:交響曲第7番 庄司紗矢香 (Vn) ビシュコフ/ケルンWDR SO (NHK BS-2 [録画])
  • ショスタコーヴィチ:弦楽四重奏曲第5、7、9番 サンクト・ペテルブルグQ (hyperion CDA67155)
  • Kurt Sanderling The Soviet Years 1947-1956 (HDN C 0013)
  • ブラームス(シェーンベルグ編):ピアノ四重奏曲第1番、アルヴェーン:歌劇「山の王」から「牛飼いの娘の踊り」、シベリウス:交響曲第5番、ショスタコーヴィチ:組曲「ボルト」より ロジデーストヴェンスキイ/ストックホルムPO (Melodiya C 10-13297-300 [LP])
  • ショスタコーヴィチ(バルシャイ編):弦楽器と木管楽器のための交響曲 Op. 73a、室内交響曲 Op. 83a バルシャイ/ヨーロッパ室内O (DG POCG-1572)
先週末は、町内の盆踊り大会の手伝いやらかぶとやま交響楽団の練習やらで、落ち着いて音楽を聴く時間が全く取れなかった。

まずは、金曜の深夜に録画した番組を観る。こんなに丁寧にソロとの絡みまで練り上げた協奏曲を聴くのは珍しい。庄司のやや暗めで粘るような芸風は好みではないが、ビシュコフの仕事には大変感心した。レーガーでの快刀乱麻を断つ鮮やかな演奏は庄司の技術の高さを余すところなく伝えていたが、音楽的な深みはあと一歩といったところか。ショスタコーヴィチは、先に発売されたCDと同様の音楽。響きはいかにもなドイツ風味だったが、こういう落ち着いた演奏も悪くない。力で押すよりもむしろ細部まで入念に作り上げている様子に好感を持った。もっとも、静けさの表現や無機質な大音響といったショスタコーヴィチらしさに欠けていることも事実で、物足りなさが残らないでもない。先日、ネイガウスの「ピアノ演奏芸術」(音楽之友社)を読了したが、その中にあった「展開部までで色々と旅して来た者が帰ってくる祖国が再現部である」という趣旨の文章は、まさにこの曲の第1楽章の内容を表していると思うのだが、この演奏ではそこまでの戦慄を感じることはできない。それにしても、このネイガウスの本は名著だ。ピアノ奏法については僕にとって感覚的にわからない部分が多すぎるものの、音楽の捉え方については全ての文言が勉強になる。

最近知り合った音楽仲間と弦楽四重奏をしようという話になっている。ショスタコーヴィチの第9番が第一候補だが、是非機会があれば第5番もやりたいところ。両曲が収録されたサンクト・ペテルブルグQのHyperion盤を聴く。Sonyからリリースされた2枚の旧盤とはヴィオラ奏者だけが交代になっているが、演奏スタイルに相違はなく、いかにもロシアの団体らしい正確さと骨太さが魅力的。少なくともショスタコーヴィチの弦楽四重奏曲の録音としては、若手の中で最良の全集(まだ完結はしていないが)の一つだと言えるだろう。

K. ザンデルリンクのソヴィエト時代のBOXの残りを聴く。ユージナのベートーヴェン第4番は、かなり感覚的な抒情性に流れがちな独奏を、極めてオーソドックスな音楽作りで引き締めているところに、ザンデルリンクの非凡な能力を聴き取ることができる。ユージナの多彩な表現力は素晴らしく、正統的とは言えないかもしれないが、立派な演奏である。ベートーヴェンの交響曲第2番、モーツァルトのディヴェルティメント第17番、交響曲第41、35番、オネゲルの交響曲第5番、J. S.バッハの管弦楽組曲第1番といった曲目では、ロシアのオーケストラからいわゆるドイツ的な音楽を引き出しているのに感心する。テンポは引き締まっていて晩年のスタイルとは異なるが、均整のとれた造形力がザンデルリンクならではのもの。ただ、録音はかなり悪い。

Mikrokosmos Mail Order Co.から2枚LPが届いた。まずは、ようやく入手できたロジデーストヴェンスキイのライヴ盤2枚組みの1枚目から。オーケストラはさすがに二流レベルではあるものの、メリハリのついた音楽作りが楽しい。ブラームス=シェーンベルグはかぶとやま交響楽団の第23回定期で弾いたことがあるので、妻と思い出話なんぞしながら聴く。

来年5月にかぶとやま交響楽団の第30回定期が予定されているのだが、そのプログラムにショスタコーヴィチ(バルシャイ編)の室内交響曲をエントリーしようかと思い、事前調査を。そうめちゃくちゃ難しいわけでもないし、曲想もわかりやすいが、打楽器の多さがネックか。奏者は一人でいいのだが。バルシャイの編曲は、なかなかツボを押さえていておもしろい。ただ、演奏は平板。自らがヴィオラで参加していたチャイコーフスキイQの水準には達していない。

『思想』(岩波書店)8月号を購入。「ソ連史研究の新展開」という特集の中で、梅津紀雄氏が「ロシア音楽史再考のなかのショスタコーヴィチ」という、ショスタコーヴィチ研究の動向紹介を寄稿している。ここで紹介されている論文集など、読みたいと思いつつ入手すらしていないのだが、やっぱり読んでおかなきゃだめだな。それより、日本でも何とかこの手の論文集を出版するわけにはいかないのだろうか。企画さえうまくいけば、並みの音楽書程度は売れるような気もするのだが。んー、でも、やっぱり商売にはならないか。
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Yosuke Kudo

Author:Yosuke Kudo
B. モンサンジョン著『リヒテル』(筑摩書房, 2000)に、「音楽をめぐる手帳」という章がある。演奏会や録音などを聴いて思ったことを日記風に綴ったもので、実に面白い。

毎日のように音楽を聴いているにもかかわらず、その印象が希薄になる一方であることへの反省から、リヒテルに倣ってここに私も覚え書きを記しておくことにする。無論、リヒテルの深みに対抗しようなどという不遜な気持はない。あくまでも自分自身のために、誰に意見するわけでもなく、思いついたことをただ書きなぐるだけのことである。

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