庄司紗矢香のレーガー他

  • J. S. バッハ:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第1番、パルティータ第1&2番、レーガー:前奏曲とフーガ集より第1、2、4番 庄司紗矢香 (Vn) (Mirare KKC-5125/6)
  • ショスタコーヴィチ:5つの断章、ブリテン:シンフォニア・ダ・レクィエム、プロコーフィエフ:交響曲第5番 ズヴェーデン/シカゴSO (Dirigent DIR-1547 [CD-R])
アリアCDにて気の赴くままにオーダーしていた音盤が、続いて届いた。

6年も前に発売されていたようだが、それほど積極的ではないジャンルということもあって、セールで安価ならば……という不謹慎極まりない動機でピックアップしたのが、庄司紗矢香の無伴奏ヴァイオリン曲集。ビシュコフ/ケルンWDR SOとの共演でブルッフの協奏曲を演奏した際のアンコールでレーガーのOp.117-2を取り上げていた(2003年8月26日のエントリー)のは記憶していたが(15年近く前のこととは思ってもみなかったが)、鮮やかという以上の印象もなく、レーガーとバッハの無伴奏作品を組み合わせたアルバムをリリースしていたことも、恥ずかしながら全く知らなかった。

ということで大半の方にとっては「何を今さら」なのだろうが、これがとんでもない名盤。隅々まで考え抜かれ、そして弾き込まれた結果の、自然な、それでいて濃密な音楽。あらゆる奏法上のテクニックが、全て音楽に昇華している。バッハは、それでもまだ他に可能性があるように思えるが、レーガーに関しては、とてもこれ以上を思い浮かべることができない。彼女のキャリアを代表するだけでなく、レーガー作品の決定盤であると同時に、現代ヴァイオリン演奏の金字塔と言ってしまっても構わないだろう。

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いわゆる裏青盤は、キリがないので基本的に蒐集対象とはしていないのだが、ショスタコーヴィチの「5つの断章」というレア作品の、これまたレアな実演ということで、ズヴェーデン/シカゴSOの2014年のライヴ録音をオーダー。ズヴェーデンにはヴァイオリニストの印象しかないのだが、今やニューヨークPOの次期音楽監督とのこと。

シカゴ響という機能的に優れたオーケストラの長所を活かしきった演奏である。全ての音とリズムが明晰に響き渡り、ショスタコーヴィチの断片化された旋律やリズムの残骸が、余裕を持って音楽として再構成されている。プロコーフィエフも、透明な快活さで爽やかに熱狂している。ブリテンには、響きが少々健康的に過ぎるが、全体として演奏者の実力が存分に発揮し尽くされた、内容の濃い一枚である。

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Yosuke Kudo

Author:Yosuke Kudo
B. モンサンジョン著『リヒテル』(筑摩書房, 2000)に、「音楽をめぐる手帳」という章がある。演奏会や録音などを聴いて思ったことを日記風に綴ったもので、実に面白い。

毎日のように音楽を聴いているにもかかわらず、その印象が希薄になる一方であることへの反省から、リヒテルに倣ってここに私も覚え書きを記しておくことにする。無論、リヒテルの深みに対抗しようなどという不遜な気持はない。あくまでも自分自身のために、誰に意見するわけでもなく、思いついたことをただ書きなぐるだけのことである。

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