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とりとめのない買い物録

  • ヴィオッティ:ヴァイオリン協奏曲第22番、パガニーニ:ヴァイオリン協奏曲第2番 アッカルド (Vn) ボンコンパーニ/ローマPO (RCA R25C-1032)
  • バルトーク:弦楽四重奏曲全曲、ヤナーチェク:弦楽四重奏曲全曲 東京Q (RCA 09026 68286 2)
  • ショスタコーヴィチ:弦楽四重奏曲第5~8番、ミャスコーフスキイ:弦楽四重奏曲第13番 パシフィカQ (Cedille CDR 90000 127)
  • ショスタコーヴィチ:弦楽四重奏曲第9~12番、ヴァーインベルグ:弦楽四重奏曲第6番 パシフィカQ (Cedille CDR 90000 138)
  • ショスタコーヴィチ:弦楽四重奏曲第13~15番、シニートケ:弦楽四重奏曲第3番 パシフィカQ (Cedille CDR 90000 145)
  • パーセル(ブリテン編):シャコニー ト短調、エルガー:序奏とアレグロ、ブリテン:前奏曲とフーガ、シンプル・シンフォニー、ディーリアス(フェンビー編):2つの水彩画、ブリッジ:ロジャー・ド・カヴァリー卿 ブリテン/イギリスCO (Decca UCCD7256)
  • モーツァルトのカルテット・パーティ(モーツァルト:弦楽四重奏曲第3番、ハイドン:弦楽四重奏曲第3番、ディッタースドルフ:弦楽四重奏曲第5番、ヴァンハル:弦楽四重奏曲) ウェラーQ (Tower Records PROC-1401)
会議で東京に出向いたついでに、ディスクユニオン お茶の水クラシック館へ。20分しか余裕がなかったので、入り口から順に棚を眺めて、程良い枚数になったところで打ち止め。

まずCDカウンターのセレクションから、若きアッカルドによるヴァイオリン協奏曲集を。パガニーニの第2番については、2017年1月19日のエントリーで紹介した編集盤LPで第3楽章だけは何度も聴いていたが、このオリジナルのカップリングはヴァイオリンという楽器の魅力を凝縮したような選曲が素晴らしく、CD初期の素っ気ないジャケットにも惹かれて迷わず確保。

やや細身でありながらも臆面のない情緒纏綿たる歌心は、これらの協奏曲に対して私の持つ“イタリア”の“ヴィルトゥオーゾ的協奏曲”のイメージを完璧に体現した演奏で、大満足。「パガニーニ弾き」として鳴らしていた若きアッカルドの魅力が全開である。現代ではこの演奏よりもさらに精確な演奏はざらだが、こういう良い意味のあざとさを感じさせる演奏はそう多くはない。特にヴィオッティは、これまでにリバール、ボベスコ、スターン、オイストラフ、クレバースなどの音盤を聴いてきたが、このアッカルド盤が最もしっくりくる。ただ、オーケストラの音が終始割れている録音だけが残念。


ウンジャン時代の東京Qのヤナーチェク&バルトーク全集が、かなりの安価(1,000円未満)で並んでいた。この3枚組は絶頂期の東京Qの最良の記録と言えるかもしれない。楽曲解釈の点では両者共にややロマンティックに傾きすぎているように感じられ、原田時代のバルトーク全集(DG)や、1971年のライヴ盤(Hänssler)のバルトーク、1979年のライヴ盤(TDK)のヤナーチェクの尖り方の方がより相応しいと思う。本盤の凄さは何よりも、弦楽四重奏としてのアンサンブルの完成度の異様な高さにこそある。全ての音符が「カルテットの音」で響いており、たとえ誰か一人で奏している箇所においても、その「カルテットの音」であり続けている。機能という点において、本盤は弦楽四重奏の一つの極致と言って差し支えないだろう。この後、ウンジャンの故障でメンバー交代を余儀なくされた彼らが、この水準の機能に再び至ることはなかった。


本丸であるショスタコーヴィチの棚には、残念ながら目ぼしい出物がなかったが、パシフィカQの全集(分売)が第2巻(第1~4番+プロコーフィエフの第2番)を除いてまとまって並んでいたので、良い機会と思って確保。なぜ第2巻のみ?と思ったが、曲順に従って購入しようとしていた人がいたのかもしれない。これらは新品だったので特にお買い得ではなかった。

ライヴ録音でありながらも演奏には終始余裕があり、明晰な解釈と手慣れた音楽の運びは、ショスタコーヴィチの弦楽四重奏曲が既に古典として咀嚼されていることを感じさせられる。骨太で重量感のある響きが硬派な高揚感を導き出しており、いたずらに深刻ぶらないこともあってか、良い意味で聴きやすい音楽となっている。第5番や第12番などは、こうした彼らの特質がよく発揮された優れた演奏である。一方で抒情性には不足しているために、第6番などは若干の不満が残る。ショスタコーヴィチ以外の楽曲は、いずれも有名曲が選ばれているのでヲタク感はあまりないが、入手容易な音盤が多いとは言い難いこれらの作品を、手堅くもツボを押さえた水準の高い演奏で聴くことのできる意義は大きい。


一番奥の「演奏家別」の棚では、まずブリテン指揮の「弦楽合奏によるイギリス音楽」というアルバムを。言わずと知れた名盤なので今さら何を言う必要もないのだが、演奏もさることながら、特筆すべきは選曲の素晴らしさであろう。ここのところすっかり気に入っているパーセルのシャコニーに、エルガーの名作「序奏とアレグロ」と続くアルバムは、どの曲も珠玉の逸品と呼ぶに相応しいものばかり。


ハイドン(1st Vn)、ディッタースドルフ(2nd Vn)、モーツァルト(Va)、ヴァンハル(Va)という4人の大作曲家が会したカルテット・パーティーを再現したという企画アルバムは、ウェラーQを代表する名盤である。本CDは、タワーレコードのオリジナル企画として復刻されたもの。ハイドンとモーツァルトは後年にロマン派への架け橋となる数々の名曲を生み出すことになるが、ここに収録された4曲は典型的な前古典派の作品で、彼らの生きた時代の雰囲気に満ちたアルバムとなっている。この辺りの楽曲は、近年ではピリオド・アプローチで聴く機会の方が多いが、ウェラーQの今となってはやや古風な、それでいて洗練された上品な演奏で聴くと、それぞれの作品に内在する次の時代への萌芽が自然に浮かび上がるようで、心地よくも面白い。

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theme : クラシック
genre : 音楽

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Yosuke Kudo

Author:Yosuke Kudo
B. モンサンジョン著『リヒテル』(筑摩書房, 2000)に、「音楽をめぐる手帳」という章がある。演奏会や録音などを聴いて思ったことを日記風に綴ったもので、実に面白い。

毎日のように音楽を聴いているにもかかわらず、その印象が希薄になる一方であることへの反省から、リヒテルに倣ってここに私も覚え書きを記しておくことにする。無論、リヒテルの深みに対抗しようなどという不遜な気持はない。あくまでも自分自身のために、誰に意見するわけでもなく、思いついたことをただ書きなぐるだけのことである。

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