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ハイティンク/RCOの第15番

  • ショスタコーヴィチ:交響曲第10番 M. ヤンソンス/ロイヤル・コンセルトヘボウO (RCO Live RCO 13001)
  • ショスタコーヴィチ:交響曲第15番 ハイティンク/ロイヤル・コンセルトヘボウO (RCO Live RCO 11003)
  • モーツァルト:弦楽四重奏曲第21番、スメタナ:弦楽四重奏曲第2番、ショスタコーヴィチ:弦楽四重奏曲第8番 シュカンパQ (Wigmore Hall WHLive0019)
  • ハイドン:弦楽四重奏曲集(29曲) プロ・アルテQ (Warner 0190295869182)
HMV ONLINEからRCO Liveレーベルのセール案内が届いたので、ついでに少しお買い物。

ショスタコーヴィチの第10交響曲は、ヤンソンスが首席指揮者在任中の演奏。ニュアンス豊かで現代的なオーケストラの奏法、流麗に流れつつも細かなアーティキュレイションの揺れが繊細な表情を醸し出す現代的な解釈、にもかかわらず、かつてのソ連に思いを馳せるような思い入れたっぷりの感情表現が聴かれる、このコンビならではの佳演といえるだろう。いかにもライヴであることを感じさせるような勢いの良さも、聴き手を熱くさせる。


しかしながら、名誉指揮者ハイティンクによるショスタコーヴィチの第15番は、ヤンソンスの時(十分に、世界最高峰のオーケストラであることに疑いようのない水準)とは全く別のオーケストラであるかのような、異次元の凄演である。舞台上全てが一瞬たりとも集中を切らすことなく、それでいて終始余裕を持ってあらゆる響き、表情、感情が表出される。ソロとトゥッティが同水準の見事さでこの曲を織り成していく演奏は、他に聴いたことがない。聴後の巨大で深刻な印象を彩る美しさに関しては、極致と言ってよい名演だろう。


その団体名だけでカルテット好きの胸を熱くさせるシュカンパQは、何となく若手のイメージがあったのだが、1989年結成とのことで、この2006年のライヴ録音の時点で既に中堅というに相応しいキャリアを持っている。この一枚を通して、熱量の高いエネルギッシュな音楽に惹き込まれる。もちろんライヴゆえの感興ということもあろうが、モーツァルトでさえも自在にテンポを動かす大柄な音楽の作りは、おそらくはこの団体の個性なのだろう。私が高校生の頃に聴いたスメタナQの演奏会でもモーツァルトの第18番とスメタナの第2番が演奏されたが、モーツァルトとスメタナの組み合わせはチェコにルーツを持つ演奏家にとって、彼らの美質を発揮するのに適しているのかもしれない。ショスタコーヴィチも迫力のある語り口が聴きやすく、それでいて必要な緊張感も終始維持されている、大衆受けのする秀演である。


アルフォンス・オンヌー率いる往年の名カルテット、プロ・アルテQ(と言っても、メンバー交代を重ねて現在もこの団体は存続しているのだが)によるハイドンの弦楽四重奏曲集。演奏機会の比較的少ない作品(偽作の作品3を含む)を中心に全68曲の内約4割が網羅されているのは嬉しい。収録曲は以下の通り:
CD-1:
Op.1-1
Op.1-6
Op.3-4
Op.3-5
Op.20-1
Op.20-2
CD-2:
Op.20-4
Op.20-5
Op.33-2
Op.33-3
Op.33-6
CD-3:
Op.50-3
Op.50-6
Op.54-1
Op.54-2
CD-4:
Op.54-3
Op.55-1
Op.55-3
Op.64-3
CD-5:
Op.64-4
Op.64-6
Op.71-1
Op.74-1
CD-6:
Op.74-2
Op.74-3
Op.76-3
Op.76-4
CD-7:
Op.77-1
Op.77-2
20世紀初頭の演奏様式であることは言うまでもないのだが、当時としてはかなり引き締まった現代的な感覚の強い演奏である。アーティキュレイションやポルタメントなどに時代を感じるものの、明晰なリズムの処理や4人の対等なバランスなど、たとえばウィーン・コンツェルトハウスQなどの録音よりはずっと新しい時代の演奏と錯覚するほど。一方で、緩徐楽章などに聴かれる濃口のロマンティックな歌は、彼らのモーツァルト録音などと共通し、古典的な造形を尊重しつつも、楽曲に内在するロマン派の端緒を強調するような解釈でもある。ハイドンの、そして弦楽四重奏の演奏様式の変遷を辿る上で欠かすことのできない、真にヒストリカルな意義を持つセットである。録音も十分に聴きやすい。

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theme : クラシック
genre : 音楽

tag : 作曲家_Shostakovich,D.D.

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Yosuke Kudo

Author:Yosuke Kudo
B. モンサンジョン著『リヒテル』(筑摩書房, 2000)に、「音楽をめぐる手帳」という章がある。演奏会や録音などを聴いて思ったことを日記風に綴ったもので、実に面白い。

毎日のように音楽を聴いているにもかかわらず、その印象が希薄になる一方であることへの反省から、リヒテルに倣ってここに私も覚え書きを記しておくことにする。無論、リヒテルの深みに対抗しようなどという不遜な気持はない。あくまでも自分自身のために、誰に意見するわけでもなく、思いついたことをただ書きなぐるだけのことである。

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