年末の中古レコード・セールにて

  • シューベルト:弦楽四重奏曲第14番、第12番「四重奏曲断章」(未完の第2楽章付き) ジュリアードQ (CBS/SONY 30DC 799)
  • シューベルト:弦楽四重奏曲第14&4番 東京Q (RCA BVCC-29)
  • シューベルト:弦楽四重奏曲第15番 東京Q (RCA BVCC-7)
  • パガニーニ:チェントーネ・ディ・ソナタ第1番、ヴァイオリンとギターのためのソナタ Op.3-6、協奏的ソナタ、カンタービレ、ジュリアーニ:ヴァイオリンとギターのためのソナタ パールマン (Vn) J. ウィリアムズ (G) (CBS MK 34508)
2017年末もまた、家の大掃除を一段落させてから阪神百貨店の「中古&廃盤レコード・CDカウントダウンセール」へ。年を追う毎に掃除の肉体的負担が大きくなってきて、音盤漁りの意欲が極端に減少してきている。今回も、CDのみをざっと眺める程度で終了。結果として、シューベルトの弦楽四重奏曲が3枚と偏った選択になってしまった。

まずはジュリアードQによる「死と乙女」。いわゆる名盤の類だと思うが、かつては“即物的”とか“鋭利”など形容されることの多かった彼らの演奏スタイルが、実は随所でかなり自由なルバートも厭わない、非常にロマンティックなものであることの典型的な録音である。録音上の響きのせいもあって硬派な印象に違いはないが、いかにも往年の演奏といった感じ。本盤を手に取った最大の理由は、「断章」の第2楽章が収録されていること。ベーレンライター版の総譜などで見ることのできるこの未完の断片は、実際に音で聴いてみると想像以上に美しく薫り高い音楽であった。文字通り途中で作曲が止められているために、実演で取り上げるには終止の処理がどうしようもないのが、少し残念。


ウンジャンが第1Vnを務めた第3期の東京Qが、この団体の絶頂期であったことに疑いの余地はない。1980年代末に彼らが録音したシューベルトの3枚も名盤の誉れ高いものだが、私は第13&9番の1枚しか架蔵していなかった(大学2回生の時に、ロザムンデの第1楽章を演奏した時に購入したと記憶している)。「死と乙女」と第15番の2枚が揃っていたので、この機会に確保。“巧さ”が前面に押し出されているわけではなく、むしろ、たとえば第15番の第1Vnなどにはもたつきが感じられる箇所すらあるのだが、この極めて音楽的な一体感、音楽のどの一瞬からもどこのパートからも同じ歌が溢れ出てくる、最良の意味での均質さは、幾多の歴史的な名四重奏団の中でも一際傑出した完成度である。演奏頻度の低い第4番が、この水準で録音されていることも貴重だ(現在入手容易な「後期弦楽四重奏曲集」と題された2枚組には収録されていない)。


シューベルトのみ、というのも物足りなく、若きパールマンによるギターとの二重奏曲集が運良く目についたので、これも確保。中学生か高校生の頃、NHK FMのパガニーニ特集をエアチェックしたことがあり、「協奏的ソナタ」のこの演奏もカセットテープに収めて聴いていたことを懐かしく思い出した。ヴァイオリンもギターも、とにかく綺麗な音がしている。甘美な歌とヴィルトゥオージックな華やかさとが見事に両立した、これらの楽曲の理想的な演奏と言ってよいだろう。

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theme : クラシック
genre : 音楽

tag : 作曲家_Schubert,F.P. 演奏家_東京Quartet

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Yosuke Kudo

Author:Yosuke Kudo
B. モンサンジョン著『リヒテル』(筑摩書房, 2000)に、「音楽をめぐる手帳」という章がある。演奏会や録音などを聴いて思ったことを日記風に綴ったもので、実に面白い。

毎日のように音楽を聴いているにもかかわらず、その印象が希薄になる一方であることへの反省から、リヒテルに倣ってここに私も覚え書きを記しておくことにする。無論、リヒテルの深みに対抗しようなどという不遜な気持はない。あくまでも自分自身のために、誰に意見するわけでもなく、思いついたことをただ書きなぐるだけのことである。

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