ショスタコーヴィチの「フットボール」

  • ドビュッシー:弦楽四重奏曲、ミヨー:弦楽四重奏曲第6番、オネゲル:弦楽四重奏曲第3番 タネーエフQ (Melodiya 33D 023807-08 [LP])
  • ブラガ:セレナータ、ジエ:舞踏会ははるか、エルガー:愛の挨拶、ボスク:ローズ・ムースのワルツ、シモネッティ:マドリガル、デンツァ:Si vous l'aviez compris、ボッケリーニ:弦楽五重奏曲 Op.11-5よりメヌエット、Razigade:Idylle Passionnelle、ランゲ:Grossmütterchen、アレッター:逢引き、メイエル=ヘルムントの歌曲への独り言、トセリ:嘆きのセレナータ、ガンヌ:恍惚 ラモナ四重奏団 (Delta DB 6021 [LP])
  • リスト:「2つのポロネーズ」より第2曲、「巡礼の年 第3年」より「エステ荘の噴水」、「超絶技巧練習曲集」より「鬼火」、メフィスト・ワルツ第1、シューマン:交響的練習曲、「森の情景」より「予言鳥」、ブラームス:パガニーニの主題による変奏曲第2巻、「3つの間奏曲」より第2曲、ショパン:幻想即興曲、ドビュッシー:「ベルガマスク組曲」より「月の光」、ラヴェル:「クープランの墓」より「トッカータ」、トゥリーナ:交響的狂詩曲、アルベニス(ゴドフスキ編):タンゴ、グラナドス:「ゴイェスカス」より「嘆き、またはマハと夜鳴うぐいす」、ショスタコーヴィチ:3つの幻想的な舞曲、プロコーフィエフ:トッカータ リンパニー (Pf) ジュスキント/フィルハーモニアO (Imprimatur DIMP 2 [LP])
  • ハチャトゥリャーン:バレエ「スパルターク」より「エギナのヴァリエーションとバッカナール」、ショスタコーヴィチ:音楽舞踏劇「ロシアの河」より「フットボール」、ルドヴィコフスキイ:弦楽のためのセレナード シランティエフ/モスクワ放送SO (Supraphon EP 34030 [7" 45rpm])
2017年も押し迫って何かと気忙しく動いていた中、Ars Antiqua / Mikrokosmos Mail Order Co.から荷物が届いた。

まずは、タネーエフQによるフランス作品集。ドビュッシー以外の2曲は、あまり聴く機会のない作品である。タネーエフQの演奏は、ロシア流儀の奏法ながらも楽譜に忠実な解釈であるせいか、響きが醸し出す雰囲気が良い。単に知られざる作品を紹介するという以上に、音楽的な演奏内容である。


ヴァイオリン、チェロ、コントラバス、ピアノという四重奏によるサロン音楽集は、19世紀の薫りに満ちた選曲が楽しい。ショスタコーヴィチによる編曲もあるブラガのセレナータ目当てでオーダーしたアルバムだが、未知の楽曲も含めて収録曲全てに満足した。ジャケットにはチェロ奏者がリーダー格の団体である旨が記されているが、アンサンブルにおける上下関係、主従関係のようなものは、特に聴き取ることはできなかった。


モーラ・リンパニーの名演集は、目当てのショスタコーヴィチの作品5が埋没してしまう分量であるが、私にとっては耳慣れない曲も多く、またそのいずれにおいても、前時代的な大柄で巨匠風の華麗さと繊細な抒情を湛えた丁寧な歌とのバランスが心地よく、とても満足した。収録曲の中ではリストの作品群と相性が良いように感じたが、珍しさもあってトゥリーナの交響的狂詩曲に最も心惹かれた。ショスタコーヴィチの「幻想的舞曲」は、ごく中庸ながらも隅々まで心が行き届いた丁寧な演奏。


最後は、45回転のEP盤。フランスのスプラフォン・レーベルだが、収録曲を見てもこの音盤の企画意図が全く分からない。とはいえ、ショスタコーヴィチの舞台作品を元にしたオラトリオ「わが祖国」の演奏者としてショスタコーヴィチ・ファンに名高いシランティエフの演奏で、珍しいショスタコーヴィチ作品を聴くことができるのは、たまらない。2010年5月28日のエントリーで紹介したティトーフ盤が唯一の音盤(ピアノ編曲は、ハイルディノフ盤がある)と思っていただけに、ティトーフ盤の物足りなさを吹き飛ばすに十分な、凄まじく素敵に荒っぽいこの演奏を見つけたことは、曲名を聞いただけで楽曲を想起できる人が極めて少数であろう「フットボール」ただ1曲であるにしても、大収穫であった。

ハチャトゥリャーンも同傾向の演奏で楽しいが、B面に収録されたヴァディム・ルドヴィコフスキイの短くも美しい曲が、とても印象的で心に残る。ルドヴィコフスキイは、ソ連でジャズ・オーケストラを率いていた音楽家とのこと。ジャズ、というよりは軽音楽と呼ぶ方が相応しいように思われるのは、ソ連の「ジャズ」なので、当然のこと。

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theme : クラシック
genre : 音楽

tag : 作曲家_Shostakovich,D.D.

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フットボール

シランチェフの「フットボール」はうらやましいです…。

Re: フットボール

> シランチェフの「フットボール」はうらやましいです…。

Hulmeのカタログにも載っていませんよね。なぜ、この曲「だけ」?という疑問は残りますが(サッカーW杯とかも、関係なさそうですし)、願わくば「ロシアの河」全曲の録音が存在してほしいところですね。
プロフィール

Yosuke Kudo

Author:Yosuke Kudo
B. モンサンジョン著『リヒテル』(筑摩書房, 2000)に、「音楽をめぐる手帳」という章がある。演奏会や録音などを聴いて思ったことを日記風に綴ったもので、実に面白い。

毎日のように音楽を聴いているにもかかわらず、その印象が希薄になる一方であることへの反省から、リヒテルに倣ってここに私も覚え書きを記しておくことにする。無論、リヒテルの深みに対抗しようなどという不遜な気持はない。あくまでも自分自身のために、誰に意見するわけでもなく、思いついたことをただ書きなぐるだけのことである。

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